第36話 軍事演習2
35話のサブタイトルに1とつけさせていただきました
リュカ、フランツ、ルーネの三名は軍事演習に参加していた。
ソウケンからアースの参加も打診されたがアースは長期依頼で王都まで出ていたため参加は不可能だった。
リュカは副隊長にカイル、フランツはエミリア、ルーネはアイリをそれぞれ指名した。
今回は訓練ではなく、実戦を行い経験を積むことを目的とした団体での魔物の討伐である。
とはいっても森にまで出て高階級の魔物を狩る訳ではなく町周辺の魔物の討伐だった。
また全軍が参加するわけではなく三百名での軍事演習だった。
そしてリュカには騎士二十名を任された。
「ソウケンさんから臨時で隊長を任されたリュカです。皆さんよろしくお願いします。」
「ハッ。こんなガキどもが隊長、副隊長か。他のやつらは英雄さまに美人の姉ちゃん、ソウケン様が王都から直々に引き抜いてきたエリートなのに俺らの隊にはこんなガキどもをよこすなんてソウケン様も何考えてんだか。」
いかにも冒険者崩れと言った大柄の男がリュカとカイルに向かって悪態をついた。
「貴様!俺だけならともかくリュカ様まで侮辱するのか!」
カイルは怒り、剣を引き抜こうとした。
「カイル落ち着くんだ。」
リュカがカイルを制止し、カイルは黙ってそれに従い剣の柄から手を離した。
「まあ、確かに僕達は見た目だけで判断すると弱く見えるかもしれないですね。ちょうどそこにハイコボルトが見えますよね?そいつを始末して僕の実力を見せましょう。」
部隊の少し前をハイコボルトが通りかかった。
リュカは宣言すると短槍を構えてハイコボルトに向かって走り出した。
「おい!危ねえぞ!おめえら隊長殿を死なせるな!」
しばし呆然とした面々だったが挑発した男はどう考えてもリュカに勝ち目が無いと思ったのか、慌てて部隊の人達に声をかけて走り出した。
部隊の人たちもそれを追って走り出した。
リュカの実力を知るカイルは特に焦るわけでもなく、ゆっくりと近づいていった。
ハイコボルトは危険度C級の魔物である。
リュカ隊の騎士達は冒険者でいうCクラス相当の実力であった。
そのためハイコボルトとは言え数人で戦わないと勝てない程度にはハイコボルトは強い存在である。
騎士達は慌てるのも無理はなかった。
ハイコボルトはこちらに向かって走ってくるリュカを見つけると獲物を見つけたとばかりにニヤリと笑い、剣を抜いた。
リュカはハイコボルトに向かって走って接近しその勢いを利用して短槍で上から叩きつけた。
ハイコボルトは剣で防ぎじりじりと後ろに下がった。
そしてリュカが鬼気迫る動きで上から下から横からと連続攻撃で何度もハイコボルトの剣と打ち合った。
ハイコボルトはリュカの気迫におされ後ろに後ずさりした。
そして何度も打ち合っていると、とうとうハイコボルトの剣は壊れた。
そしてリュカはそのままハイコボルトの腹部を突き、ハイコボルトを突き殺した。
そして追いついた騎士達に向かって突き殺したハイコボルトを見せた。
「こんなもんです。どうですか?」
「これは恐れ入った。さっきの無礼は許してくれ。」
「別に気にしていませんよ。私だって指揮官が子供なら戸惑います。さっきのはなかったことにして軍事演習をはじめましょうか。」
騎士達はリュカの態度に感心し、素直に従った。
その後リュカは的確な指示をこなし多くの成果を上げていった。
「前方からゴブリンの集団が接近!数は十五です!」
カイルがリュカに向かって報告をした。
「敵はゴブリンで低ランクですが剣、槍、弓とバランスの良い職業構成です!皆さん油断しないように!合図をしますので接近前に弓で数を減らします!その後アックスさん率いる前衛部隊で応戦を!」
「了解!てめえら聞いたな!突撃する準備をしろ!」
騎士達も了解と答え準備をした。
ゴブリンが接近してリュカが合図をした。
六人の騎士が弓を放ちゴブリンが四匹倒れた。
「行くぞてめえら!」
そこに挑発してきた男ことアックスは残りの騎士達を率いて接近し怪我することなくゴブリン達を殲滅することに成功した。
「おつかれ隊長さん!初めて実戦でびびっていたが案外やれるもんだな!」
「油断はいけませんが皆さんがまじめに訓練を受けてきた証拠でしょうね。」
「よせやい照れるじゃねーか!ガハハハハ!」
アックスは初対面こそ悪態をついていたが話してみると少しひねくれているが人当たりもよく隊の中でも頼りにされているようだった。
どうやらリュカとカイルのような本来なら保護すべき幼く見える子供を危険な目に合うかもしれない場に連れてきたソウケンに本気で怒ってくれていたらしかった。
実力を見せた後はカイルも仲良くなり意気投合した。
その後何匹か魔物を倒して町に引き上げた。
騎士達も魔物を倒したことによって自信がついたらしく士気が上がり軍事演習は良い結果で終わったと言っても過言はなかった。
フランツはその陽気な性格と実力から隊の中でも人気となり、ルーネはその美貌もさることながら圧倒的な実力で隊の人たちを魅了していた。
軍事演習の後、可憐で強いリュカの活躍を見た一部の騎士たちによってリュカのファンクラブが作られた。
その噂をいち早く入手したアイリはルーネに知らせ、ルーネによってファンクラブは親衛隊の支配下に置かれ、町でのリュカの安全を守る部隊となった。
誤字脱字、感想がある方はよろしくお願いします。
m(_ _)m
後ランキングとやらを設置してみてたので良ければ一日一回クリック出来ますのでよろしければお願いします。




