第19話 三人組
みなさんメリークリスマス!
私はメリークルシミマスですけどね!
彼女居ないし・・・
ギルドに帰ってきたリュカとルーネは三人をエマに預けて任務の報告をした。
後日ギルドから三人がお礼を言いたいというので来てやってほしいと言われたのでギルドを訪れた。
「先日はありがとうございました。」
「ありがとうございます女神様。」
「ありがとうお姉ちゃん。」
「気にしなくていいよ。後ね、僕はオ・ト・コだから!」
「意地になるリュカくんは可愛いなぁ・・・ハァハァ・・・」
「お師匠さま。キモいです!」
男の部分を強調して言うリュカを見てルーネは頬を赤らめて興奮していた。
そんなルーネを見て慣れてきたリュカ以外の三人はドン引きしていた。
見た目はどう見てもまだまだ小さい三人だったので話を聞くとどうやら女の子二人は姉妹で討伐軍に参加した両親である冒険者達が討ち死にし、男の子は親が商人だったらしく活発化した魔物に襲われて死亡したらしい。
そこで途方にくれていたが生きるために冒険者になり、共通の依頼を受け意気投合した三人でパーティを組み薬草採取などで細々と生活していたらしい。
「話は聞かせてもらった・・・」
どこからかフランツが泣きながら湧いてきた。
この師弟は神出鬼没のスキルでも持っているのだろうか。
「グズ。こいつら俺たちの旅団に入れてやろうぜ。部屋も8つも余ってんだし。」
「はぁ?」
「金に関してはSランクが一人。Aランクが一人。Cランクが三人と困ることはないだろう。それに今はまだ弱くても鍛えれば戦力になるし戦力として期待できなくても何か出来ることはあるだろう?えーと名前は?」
「カイルです!ぼ、僕は商人の息子なんで計算なら出来ます!」
「ユーリです。私は情報収集が得意ですわ!」
「アイリ。家事なら。」
「ほら見ろどうだ!ルーネさんもどうですか?」
「私は別に構わないよ。団長の言うことにも一理あるしね。教育も私とアースで引き受けるよ。」
勝手にアースは教育役となった。
「師匠まで・・・」
「まぁまぁ。計算は今後旅団の運用費用を計算する経理、情報収集に関しては言わずもがな。家事だってちょうどメイドさんが欲しかったところじゃないか。」
「まぁそうですけど・・・」
一生懸命に働くと頭を下げてきた三人に根負けしたリュカはエミリアとアースが許可すれば認めると言った。
屋敷に戻って返事を聞くと二人とも特に反対はなく三人はアンダンテに加入することとなった。
三人が加入することになった夜ルーネは部屋に三人を呼び出していた。
「君たちを呼び出したのは重要なことを頼みたかったからだ。」
「重要なことですか?」
「そうだカイルくん。私は前々からリュカくんの親衛隊を作りたいと考えていたのだよ。」
「親衛隊ってどうしてなの?」
「実はリュカくんは特別な存在でね。それがバレれば世界中から狙われてもおかしくはないんだ。本人はあまり自覚がないけどね。
「世界中・・・」
「私が守ってあげたいのだけどいつも一緒に居るわけにはいかない。そこで君たちだ。」
三人はゴクリと息をのんだ。
「リュカくんが居なければ君たちは死んでいただろうね。その恩を返したいならと思って提案したんだけどどうかな?場合によってはその命すらリュカくんに捧げてもらいたい。」
「やります!」
「やりますわ!」
「守る!」
三人は間髪入れずに答え真剣な面持ちでルーネを見つめた。
「良い眼差しだ。安心したまえそう簡単に死なないようにありとあらゆる知識、実践を積んでもらう。」
ここにリュカのあずかり知らぬところで親衛隊が結成された。
絶対に裏切ることが出来ない血の契約をルーネと交わして・・・
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