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魔法少女だった私は、すべてを奪われて侵略者になった  作者: 摩利
2章

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ちょっとした設定のあれこれ②


 ・ 魔法少女訓練生と年齢について


 魔法少女訓練生になれるのは、基本的に10歳から12歳までです。

 応募した者のうち、一定以上の魔力量が確認されれば、ほとんど無条件で訓練生として合格します。

 ただし、応募数が多い年などは例外もあります。


 結衣は10歳の時に一度応募しましたが、その年は応募者が多く、不合格となりました。翌年、再び応募し、訓練生として合格しています。


 現在の結衣は18歳です。

 魔法少女としては、全盛期から最盛期を少し過ぎ始める頃にあたります。

 現役のエースではありますが、あと1年もすれば、次の世代へエースの座を譲る時期が近づいてきます。


 次期エース候補として最も有力視されているのは、天上院 瑠璃姫です。

 ただし瑠璃姫本人は、結衣からエースの座を「譲られる」ことを望んでいません。

 彼女は、自分の実力で結衣に勝ち、真のエースになることを望んでいます。



 ・結衣たちの世代


 白瀬 結衣、赤羽 祈、天上院 瑠璃姫、柊 凛、百乃瀬 彩奈は、同じ期に訓練生となった同期です。


 ただし、結衣だけは一つ年上で、現在18歳。祈、瑠璃姫、凛、彩奈は17歳組です。

 同じ訓練生時代を過ごした世代でありながら、それぞれの立場は大きく変わっています。


 結衣は現在のエース。

 祈はオブスキュリテとなった元魔法少女。

 瑠璃姫は次期エース候補。

 凛と彩奈は瑠璃姫の側に立つ実力者。


 この世界の魔法少女における「エース」は、単に戦闘が強いだけでは務まりません。

 戦い、歌い、踊り、人々の前に立つ存在であることが求められます。



 ・若手と引退世代


 三枝 ミオや四条 麗奈は、15歳から16歳ほどの若手魔法少女です。

 戦闘には参加できますが、まだライブトレーニング中であり、本格的なライブ出演には至っていません。


 一方で、20歳を過ぎた魔法少女は、徐々に魔法の力が落ち始めます。

 生きていれば、四条 瑠香は20歳を過ぎており、魔法少女としての力が少しずつ衰え始めている時期です。


 森山 奈央は24歳ほどで、魔法の力はほとんど残っていません。

 そのため、現在は元魔法少女として、後輩たちを支える教官の立場になっています。


 魔法少女は、若くして力を得る存在です。しかし、その輝きは永遠ではありません。

 だからこそ、エースの座も、世代交代も、魔法少女たちにとって避けて通れない問題となっています。



 ・ 魔法少女の引退後について


 魔法少女は、いつまでも現役で戦い続けられる存在ではありません。

 年齢や個人差によって差はありますが、多くの魔法少女は十代後半から二十歳前後にかけて、少しずつ魔力出力に陰りが見え始めます。


 現役を続けられるかどうかは、半年に一度行われる魔力出力測定によって判断されます。

 測定で一定の基準値を下回った場合、再計測が行われます。

 その結果、それでも基準値を満たせなければ、現役魔法少女としては引退となります。


 ただし、多くの場合、ある日突然魔力が使えなくなるわけではありません。

 少しずつ出力が落ち、本人や周囲もその変化に気づいていきます。

 そのため、多くの魔法少女は現役のうちから、引退後の進路を考えることになります。



 ・ 引退後の進路


 引退した魔法少女の多くは、そのまま魔法少女局の職員として就職します。

 職種はさまざまです。


 管制官として現役魔法少女を支える者。教官として訓練生や若手を育てる者。

 事務作業や広報、ライブ関連の運営に回る者。

 現場から退いた後も、局の中で経験を活かして働く道が用意されています。


 森山 奈央も、元魔法少女として局に残った一人です。

 現在は教官として、戦闘訓練だけでなく、ライブ指導も含めて後輩たちを支えています。


 一方で、一般人に戻り、一般企業に就職する者もいます。

 魔法少女として活動していた経歴は、社会的には大きな評価につながります。

 シティを守っていた経験、規律、判断力、体力、知名度などは、多くの場面で強みになります。


 そのため、引退後の魔法少女は、必ずしも行き場を失うわけではありません。

 ただし、現役時代の輝きが大きかった者ほど、力を失っていくことに苦しむこともあります。



 ・ 指導の難しさ


 魔法少女の育成には、大きな問題があります。

 魔法は一人ひとり違います。

 魔力の流し方、感じ方、扱い方も人によって異なります。

 そのため、魔力制御の指導はどうしても感覚的なものになりがちです。


「魔力をぎゅっと集める」

「ふわっと広げる」

「流れに乗せる」

「体の奥から押し出す」


 そういった言葉で説明されることも多く、教官自身の感覚に頼る部分が大きくなります。

 多くの訓練生は、ある程度似た感覚を共有しているため、それでも問題なく成長していきます。


 しかし、中にはその感覚になじめない者もいます。

 赤羽 祈や仙崎 千早のように、一般的な指導法では魔力制御を掴みにくい者たちです。


 そういった者の中には、自力で独自の制御方法を編み出す者もいます。オブスキュリテもまた、その一人でした。


 けれど、多くの場合はそこまでたどり着けません。

 周囲と同じやり方で伸びられず、自分の魔法を扱えないまま、訓練生を辞めていく者も少なくありません。


 魔法少女局の育成制度は整っています。

 しかし、それでもすべての才能を拾い上げられるわけではありません。

 その制度の隙間に落ちた者たちがいる。


 それもまた、この世界の魔法少女制度が抱える問題の一つです。



 ・ 魔法少女の収入と待遇について


 正式な魔法少女には、魔法少女局から基本給が支払われます。

 さらに、出撃回数や活動内容に応じて手当が上乗せされます。

 侵略者との戦闘、結界防衛、道路や鉄道の補修護衛、避難誘導、ライブ出演など、活動内容は多岐にわたります。


 一方で、訓練生に支払われるのは、あくまでわずかな手当程度です。

 訓練生はまだ正式な魔法少女ではないため、生活を支えられるほどの収入はありません。



 ・補償制度


 魔法少女は危険な任務に就く存在であるため、殉職や大きな後遺症が残った場合には補償が行われます。


 二年前のライブ襲撃事件で命を落とした四条瑠香にも、補償は行われました。

 また、赤羽祈の件についても、局から赤羽家への補償は用意されました。

 ただし、赤羽家はその補償を受け取っていません。


 それは、金銭で済ませられる問題ではなかったからです。

 祈が失ったものも、赤羽家が壊されたものも、補償金だけで埋められるものではありませんでした。



 ・人気魔法少女の収入


 魔法少女の収入には、大きな格差があります。

 人気のある魔法少女は、ライブ収益やグッズ収益によって、通常の給料以上の収入を得ることがあります。


 魔法少女は戦う存在であると同時に、人々に希望を届ける存在でもあります。

 そのため、ライブ出演やグッズ展開は、魔法少女局の広報活動としても重要です。


 また、実際の戦闘場面は基本的に一般市民が見ることはできませんが、演習映像や、局の特殊ドローンが記録した戦闘映像がネットに公開されることがあります。

 そうした映像を通じて、戦闘面で人気を集める魔法少女もいます。


 代表的なのが、天上院 瑠璃姫です。


 瑠璃姫は圧倒的な火力を持ち、派手な戦闘スタイルで高い人気を得ています。

 一方で、本人は周辺被害が出ないようにきちんと加減しているため、局にとっても非常に扱いやすい存在です。

 派手で人気があり、戦果も大きく、補填の必要も少ない。

 そのため、瑠璃姫は魔法少女局からも重宝されています。



 ・ エースを目指す理由


 多くの魔法少女がエースを目指す理由は、名誉だけではありません。

 エース級の魔法少女になれば、戦闘、ライブ、グッズ、広告、映像配信など、さまざまな面で収入や待遇が大きく変わります。


 もちろん、誰もがライブ出演を望むわけではありません。

 少数ではありますが、歌やダンス、ステージに立つことを嫌い、出撃任務だけを行う魔法少女も存在します。

 彼女たちは人気や収益よりも、戦闘員としての役割を重視しています。


 ただし、この世界における「エース」は、単に戦闘が強いだけでは務まりません。

 戦い、歌い、踊り、人々の前に立つこと。市民に希望を見せること。

 それらすべてを求められる存在が、魔法少女のエースです。



 ・社会的待遇


 正式な魔法少女になることは、本人だけでなく家族にとっても大きな意味を持ちます。

 正式魔法少女本人は、希望すれば大学進学の際に推薦を受けやすくなります。

 よほどの事情がない限り、進学面ではかなり有利に扱われます。


 また、家族にも支援があります。

 住宅ローンの審査が緩和されたり、奨学金を無利子で借りられたりする制度があります。

 貧困層出身の場合、市から住宅手当が優先的に出ることもあります。


 魔法少女になることは、危険と隣り合わせです。

 しかし同時に、本人と家族の生活を大きく変える可能性を持つ道でもあります。

 だからこそ、多くの少女たちは魔法少女に憧れます。


 人々を守るため。ステージに立つため。

 家族を楽にするため。自分の未来を変えるため。


 魔法少女という存在は、この世界において、希望であり、職業であり、社会的な上昇の道でもあります。


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