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トマト  作者: ヒルマ・デネタ
Chapter 2
5/17

恐い男



 コンビニで買ったアイスクリームを里波が冷凍庫に入れている間に、秋津が庭に椅子を出した。

「里波、カッパは?」

「俺の部屋の引き出し」

 秋津が里波の前髪を切ることになった。里波は先に縁側から外へ出た。椅子に座り、家庭菜園を眺める。ミニトマトはこぼれ落ちそうなほど、実を付けている。緑色のトマトを里波が数えていると、上からカッパをかぶせられた。おでこあたりでつっかえる。秋津がいちばん上のボタンをはずすと、下に引っ張る。

「あははっ。ごめんね、ボタンはずしてなかった。顎あげて」

 里波は言われた通りにする。秋津が、ボタンを留め直すと、里波の頭に手を乗せた。

「いいよ」

「カッパ超あちぃ。サウナだよ」

「痩せるよ」

 秋津は適当な事を言いながら、里波の前髪を櫛でとかす。

「もう、髪は赤くしないのか?」

 前髪は里波の眼を隠した。

「しないかな。パーマはあてるかも」

「似合いそうだな」

 秋津は前髪に刃を入れた。秋津はためらいなく、切ってゆく。里波の視界が開けてゆく。

「ついで、だからさ、秋津さんの髪も切ろうか?」

 秋津は髪を後ろで束ねていた。もう肩よりずっと長い。

「今度でいいよ」

 里波の前髪を櫛でとかす。里波は髪が入らないように、目を閉じる。

「でも、秋津さん、森に帰るんだろ?」

 秋津の手が止まる。里波の額から汗が流れ、つたう。

「来週、奥野さんが来る。覚えてんの?」

「覚えてるよ」

「だよな」

 秋津はハサミを細かく動かして、微調整する。里波は目をつぶったままでいる。

「できたよ」

 里波は目を開ける。秋津は目尻に皺を作って、微笑む。そして、すっと強く前髪を押し上げた。力に引っ張られ、里波は後ろによろめく。秋津がすぐに里波の腕をひっぱり、椅子から落ちないように引き止めた。

「カッパ探す時に見つけた」

 里波は頭を触る。カチューシャを付けられていた。里波は恥ずかしいやら、気まずいやら複雑な気持ちだった。秋津は里波から離れると、縁側に腰掛けた。

「里波は俺が邪魔か?」

 里波は秋津の方を向く。

「それは、全然ない。自分でも不思議なぐらい、秋津さんとの生活が、馴染んでる」

 馴染んでるという言葉を使うのに、里波は少し勇気が必要だった。嘘だったから。でもけして、邪魔ではなかった。不思議な矛盾だった。秋津は笑みを浮かべるだけだった。里波はカッパをはいだ。

「暑いね」

 里波が言った。

「夏だからね」

 秋津が言った。

「そういう言い方しねぇでよ」

 里波はカッパに付いた髪を落とす。立ち上がると、カッパを振り回したり、手で叩いたりした。小さな庭にその音が響く。自転車のベルの音がする。すぐに消えた。

「風鈴でも付ければよかったかな」

 秋津が軒先を見上げて言った。

「来年、付ける?」

 里波は秋津に背を向けて言った。カッパから髪はなかなか落ちない。

「それもいいかもしれない」

 秋津は立ち上がる。そして、里波の手からカッパを取った。

「ガムテープでやろう」

 そう言ってカッパを抱えた秋津に、里波は頷いた。

「かき氷もいいかもなぁ。里波はシロップ、何が好き?」

「気分によって違う。でも絶対、練乳があれば好き」

「じゃあ、今年は練乳のかき氷を食べよう」

「アイス買ったばっかだぜ」

 冷凍庫の半分はアイスクリームが占めていた。

「じゃあ、来週にしよう」

 秋津が言った。里波は無言で秋津を見上げた。秋津は優しく、里波のおでこを包んだ。

「日々は必ず過ぎる。でも終わらないんだ」

 秋津の唐突な言葉に里波は戸惑うしかなかった。秋津の手が、里波から離れる。

「だから、来週が来るぐらいで不安にならなくていいんだよ」

「不安になってるわけじゃねぇ。どうすんのかって、気になってんだよ」

 里波は言い返した。

「どうもしないさ」

 秋津は家の中に戻った、庭に残された里波の後ろで、トマトは見えにくい速度で赤くなる。



 ハイビスカティーを飲み干した里波は、とても疲れた。百二十歳の男と、とりあえず一年間暮らす。どんな問題がいくつ起こるか、考えるだけでどうしていいか、里波は悩むこともできない。

「秋津と暮らすのはねー、一年が限度だと思うよ」

 関本は悟ったような言い方をした。

「秋津さんの体質的にってことだよね?」

 それか自分が秋津に対して、愛想をつかすということだろうか、と里波は考える。関本は首を横に振った。

「松崎だよ」

 何度も耳にした男の名前。その名前を口にする関本と奥野の表情で、会ったことのない男なのに里波はすでにいい印象を持っていなかった。里波の中での松崎の造形は、すごくおどろおどろしく、恐ろしい煙のようなものになっていた。

「松崎にとって、秋津の存在は精神の支えだね。あれはねー、宗教だね。あくまで、イメージだけど」

「宗教?」

 里波は聞き返す。

「人を愛さなくても生きていける。人を愛さなくても優しくできる。人を愛さなくても人は素晴らしくなれるよ的な宗教」

 あまりにも説明的過ぎる長々しい宗教の仮名を関本は唱えた。

「人に向ける愛ってさ、色々あんでしょー。さっき話した好きの話よ。他人を愛さなくてもいいのよ。心配だって、できないならしなくていい。募金しないからって悪人と決めつけるのは横暴でしょう?」

 里波は十円までしか募金しない。

「他人に興味がないなら、自分を愛せばいいのよ。でも、秋津に固執してる時点で、他人に興味津々なのよ。理想と宗教と本心の矛盾よ。理想と本心との間の穴を埋めるのが、宗教なのかな。知らんけど」

 関本もハイビスカスティーを飲み干した。

「松崎は、秋津に構って欲しいのに構ってもらえない。親に愛して欲しい子どもみたいな感情を松崎は秋津に向けてんの。やっかいやっかい」

「なんとなく言ってることは分かるけど、なんとなく分かんねぇ」

 里波は両肘をテーブルについて、両手で頬を押し上げる。

「分かんない男なのよ、松崎は。深く関わらない方がいい。一度関わるとずるずると、道ずれにされる。私や奥野みたいにね」

 関本は真面目な顔をした。そして「私はまだマシだけど」と、付け加える。

「だから、一年で秋津の同居はやめるように。これは私、個人の意見。もし、万が一、松崎と接触したら、その時は即、秋津を森に返しなさい」

 ウサギを一匹、里波は想像した。白いウサギだった。里波はウサギを優しく抱えて、森の入り口へ行く。しゃがみ込み、ウサギを地面におろす。ウサギは動かない。それでもすぐに、里波をふり返ることなく、森の奥へ消えていく。緑に紛れて、もう二度と、白いウサギは里波の腕には帰れない。

「好き勝手に言ってるとは思う。ごめんなさい。私ね、里波にも同情してるけど、秋津にも同情してるの。嫌になったら離れろって言ってるけど、一度関わったら、無感情に離れるなんて、しんどいよね。未来ほど、過去にとらわれるものはない」

 グラスの氷がカラン、と鳴る。

「過去と未来のことしか皆考えないけど、今がいつだって、まっしろよ。慰めにもならないかもだけど。気が向いたら、覚えておいて」

 関本はハイビスカティーを指差す。

「おかわりいる?」

「いらないっす」




 須永は茶碗山盛りに、炊き立てのご飯をよそった。秋津が育てたキュウリを八本、カラシ漬けにしたから昼飯に食べに来いと、里波に連絡が来た。里波は家の冷蔵庫からウインナーを持って行った。丼ぶりいっぱいの、キュウリのカラシ漬けと皿いっぱいのウインナーを座卓の中央に置き、ふたりは手を合わせると、漬物を頬張る。ポリポリと音を立てながら、里波と須永は顔を見合わせる。

「全然、カラシ効いてないな」

 須永がまた漬物を口に運ぶが、首を捻る。

「ネットのレシピより多めに、粉カラシ入れたんだけどなぁ。すまん」

「これは、これでおいしいよ。ちょっと遅れて、カラシの風味が来るし」

 須永と里波は笑った。さすがにキュウリ八本分の漬物はふたりでは食べきれなかった。食後に、里波はブレッドと遊ぶ。ボールを転がし、それにじゃれるブレッドをぼんやりと眺める。スマホのバイブが鳴る。アイスコーヒーを飲んでいた須永が座卓に伏せていたスマホを見る。

「俺のじゃない」

 里波は床に置いていたサコッシュを引き寄せて、スマホを出す。奥野からの電話だった。

「もしもし、里波です」

「奥野だ。申し訳ないんだが、今日の約束、明日以降に変更して欲しい。どうにも融通が利かない仕事が入ってしまって。本当に申し訳ないんだけど」

 今日の午後、一年更新の面談の約束をしていた。

「ああ、大丈夫っすよ。今週はずっと暇です」

「ありがとう。明日の午後はどうだろう?」

「オーケーです」

「助かった。本当に申し訳ない」

「そんなに謝んなくていいよ」

 思わず里波は笑った。

「約束を守らないのは苦手なんだ」

 奥野は里波を騙したが、約束を破ったことは一度もなかった。里波は奥野をちっとも信用してないが、邪険にはしなかった。ブレッドが鳴く。奥野の震えた吐息が電話の向こうから聞こえた気がした。里波は立ち上がって、ブレッドから離れる。

「俺、ホント暇だから。予定、なーんもないから。気にせんでください」

 奥野は間をあけて、

「ありがとう。また夜に、連絡する」

 と言って、電話を切った。里波の足にブレッドがすり寄る。

「かわいいなぁ、お前は」

 里波はブレッドの喉元を指で撫でる。

「大丈夫か?」

 須永が聞く。里波は頷いた。

「午後の予定が明日に延期になっただけ」

「ふーん。じゃあどっか行くか?」

「須永、金欠ってさっき言ってたじゃん」

 里波は窓の外を見る。今日は猛暑日だった。

「帰って、本でも読むか」

 里波は言った。今日は、秋津が朝から出かけていない。冷房の温度を里波の好きにできる。

「いいんじゃね?金がかかんなくて。俺も金がかかんないから、寝る」

 須永は寝っ転がった。ブレッドが鳴いた。


 里波は家に帰ってすぐ、顔を洗った。タオルで顔を拭きながら、冷房を付ける。設定温度を上げた。縁側のそばに、ザルとハサミがあった。秋津が帰ってきたら、庭の野菜を収穫するつもりで準備していた。やっておくかと、里波は頭に白いタオルを帽子代わりにかぶって庭に出た。トマトもミニトマトも毎日のように赤くなる。里波はひとつずつ、赤さを確認し、丁寧に収穫し、ザルを満たしてゆく。

「こんにちは」

 里波は驚いて、立ち上がった。知らない男が立っていた。男は白いカッターシャツとデニムの軽装だった。足元は下駄だった。

「玄関から声はかけたのだけど、返事がなかったから。でも、人の気配はしたからね。お邪魔します」

 男は薄い笑みを浮かべた。秋津と同じくらいの背丈があった。軽い口調とは対に、しっかり鍛えた体躯を持っていた。この男が民家の小さい庭に立っている風景は異質感があった。里波は頭からタオルを取った。

「どちらさんでしょう?」

 里波は警戒心を向ける。男は遠慮なくよその庭をずかずか歩き、里波の正面に来た。

「初めまして。松崎です」

 里波の瞳は震える。

「秋津が長い間、世話になったからね。挨拶に来たんだ」

 松崎は猫っ気の黒髪を揺らして、笑った。

「どうも、里波です」

 里波はそれだけやっと、言えた。松崎は里波の後ろを見る。

「トマト育てるんだ。僕、トマト好きだよ」

「秋津さんが、育ててます」

 里波が教えると、松崎がへえ、と漏らす。

「僕も収穫していいかな?」

 松崎が尋ねる。里波はハサミを握りしめる。断れなかった。

「どうぞ」

 里波はハサミを差し出す。

「ありがとう」

 松崎はハサミを受け取ると、しゃがみ、トマトに触れる。葉が揺れる。

「よく育ってるね」

 パチン、と音がして、松崎の手のひらに真っ赤で艶やかなトマトが落ちる。パチン、パチンと迷いを挟まず、松崎は次々にザルにトマトを入れていく。トマトはもう、ザルからこぼれそうだった。

「秋津をずっと、森に閉じ込めておくのは僕も不憫だとは思っていたんだ。だから、君がこの一年、秋津の世話を引き受けてくれて感謝しているよ。あいつにとって、いい気分転換になっただろう」

 松崎はザルのトマトを地面に捨てた。大きいトマトが転がり、止まる。

「ちょっと!」

 里波は思わず声を上げる。松崎は、手を止めない。

「でもね、僕も自分のお気に入りを人の手に置くのは限界なんだ。僕はあまり大切なものは持っていない。数少ないそのひとつだ、秋津は。これからも」

 松崎は緑のトマトをちぎり、ザルに落とす。もうハサミは持っていない。両手を使って、淡々と熟していないトマトをむしり取ってゆく。里波は怒りが沸いたが、それは汗になるだけで、ただただ松崎に奪われる緑を見つめることしか出来なかった。自転車のベルが鳴る。気が済んだのか、松崎は立ち上がり、緑のトマトも地面に落とした。赤と緑が転がる。

「秋津はね、長い過去を持っている。それなのに自由だ。愛惜を持っていないから。僕は愛を否定してる訳ではない。秋津がこれぽっちの、愛を持ってないとは俊吾君も思っていないよね? 秋津は優しい。とても優しい。それは、自分を見せていないからだよ」

 松崎は下駄で落としたトマトを踏み潰した。ぐちゃりぐちゃりと、トマトは形を失くす。緑のトマトも潰れ、赤と土と混ざり、松崎の下駄を汚した。松崎は嬉しそうに言った。

「どんなに心を許しても、彼の過去と君は混ざらないよ」

 日差しが強すぎるせいか、頭が真っ白なせいか、松崎のシャツの色のせいか、もうすべてのせいか、里波の風景は鮮やかな白になる。

「誰だって、そういうもんでしょ」

 里波は潰れたトマトを見ながら、言った。

「みんな、知らない昔を持ってるよ」

 松崎は里波を見返る。けれど、里波は俯いたまま、ひたすらに地面の悲惨なトマトを寂しく見ていた。松崎はその悲しい顔をしっかりと確かめたくなって、里波の顔に手を伸ばす。その手首が強く握られる。

「うちのもんに何やってんだ?」

 里波が顔を上げる。秋津だった。秋津は、汚いものを投げるように松崎から手首を離す。そして、里波と松崎の間に入った。

「もしかして、愛着を覚えた?」

 不機嫌そうに松崎が言った。

「俺にだって、かわいいと思う感情は百年前からあるよ。かわいいトマトだ」

 里波は秋津の背中で呆れた。

「何度も教えてるが、俺にも感情はあるんだよ。だから、俺はあんたが嫌いだ。森には帰らない。もう一年更新だ。帰れ」

 秋津と松崎は睨み合う。松崎が大きなため息を吐いて、先に目をそらした。

「別にいいよ、あと一年ぐらい。死なないでくれたら」

「さあな」

 秋津はそっぽを向く。松崎はゆらりと傾いて、里波に微笑みかけた。

「またね。俊吾君」

 秋津が守るように、松崎の視界から里波を隠した。松崎は舌を出して、小さな庭を去って行った。長い沈黙が続いた。

「売り言葉に買い言葉?」

 里波は聞いた。

「ずっとそのつもりだったよ」

 秋津は里波から離れ、少し遠くに転がったトマトを拾った。

「俺が長生きなのは遺伝じゃない。うまく逃げられただけだ。命は運だ」

 秋津は無事だったトマトを持って里波の元に戻って来ると、渡した。里波の手の中のトマトは傷があったが、綺麗だった。

「そいつは、食べられそうだ。今夜の晩御飯にしよう。トマトはまだ、いっぱい実を付ける。この潰れたトマトも畑に植えよう。うまくいけば、育つよ。スコップ持ってくる」

「このトマト、スープにしてもいい?」

 里波が秋津の背中に聞いた。

「カイワレも入れよう」

 秋津は言った。


「昨日のこと、聞いた。もっと機転を利かすべきだった。本当に申し訳ない」

 めずらしく、ショッピングモールの待ち合わせで、奥野は開口一番にそう言って、里波に頭を下げた。奥野に急な仕事が入ったのも、松崎の差し金だろうと里波は勘づいていた。

「やめてよ。それはもういいから」

「でもね、」

「じゃあ、かき氷機買って」

 苦い顔の奥野に、里波はねだった。奥野はきょとんとする。

「かき氷機?」

「秋津さんと作るから。奥野さんも来る?」

「行かない」

 奥野は即答だった。里波は奥野を売場に連れて行く。売場に着く頃には、奥野の気持ちは切り替わり、楽しみ、全自動のかき氷機を里波に買ってやった。その後、中華屋に昼食を食べに行った。須永は休みだった。里波はメニューを開く。

「一年更新でよかったのか?」

 奥野はずっと心配していたことを聞いた。里波は大丈夫と頷く。

「とりあえず今は、うまく逃げられたらそれでいい」

 里波は言った。

「そうか。私は、うれしいけど」

「奥野さんって、秋津さんにどうなって欲しいの?」

 里波はずっと気になっていたことを思い切って、尋ねた。

「秋津がどうなったら、私は納得するんだろうね」

 奥野は自分に問いかける。里波はそれ以上、聞かなかった。


 奥野と中華屋の前で別れ、里波はかき氷機を抱えて帰って来た。

「奥野さんがかき氷機買ってくれた! 冷房の温度上げて!」

「はいはい。氷、買っておいたよ。ウイスキー用だけど」

「え? 水道水じゃないの?」

 食卓にかき氷機を置きながら、里波は驚く。

「え? ダメだった?」

 秋津は申し訳なさそうにした。

「いや、嬉しい。ありがとう」

「それはよかった。シロップも買っておいたから」

 ラーメン丼にかき氷を山盛り作った。イチゴのシロップと練乳をたっぷりかけて、縁側に並んで、庭を眺めながら、ふたりはレンゲでかき氷を食べた。

「おいしいね」

 秋津が言った。

「よかった」

 里波が返す。眩しい夏がもうすぐ、終わる。

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