六十九話 走
「本当にここでよろしいのですね?」
「ええ」
壁越しに聞いている。
ここはエゴイストの本拠地というかアジトである虚無の城。
この城は能力者に作られて、警察などが来ないようになっている。
なんにもない空間に城を作り、地球にワープをしているみたいな感じだ。
「なにをしている?18036」
「すみません」
走に不意に聞かれてしまい、聞き耳をすることをやめ、とりあいず謝っておく。
言ったが走はここから離れようとせずなにか俺から話すような雰囲気をしている。
「なにか私に御用ですか?」
「そうだ、ついてこい」
思った通りだが、もしかしてスパイをしていることがバレてしまったのか?
しかしここで逃げてしまえばスパイだと他の隊員にもバレてしまう。
そして重要な話をすることはわかっているのでついていくことにした。
「とりあいず、座ってくれ」
座るように促され、イスに座る。
どうやら俺は走の部屋にいるみたいだ。
走が俺の反対の席に座ると口を開いた。
「聞きたいのだがどうして研信達の居場所があの時わかったのだ?霧があったはずだ」
たまたまgiveの鉄分を検知したとは言えないな。
俺は人の鉄分で居場所がわかるのだがそれは事前に登録が必要になる。
どうやってgiveのを登録したかは後でよくて今は質問に答えるべきだな。
「答えにくいのですが…」
俺は申し訳なさそうな感じを出して下を見る。
エゴイストにも俺が能力者であることは知られていないからここで明かしたくはない。
「そうか、ならもう一つだ、お前の考えを聞きたいのがもうそろそろで学校を襲撃をすることは知っているな?」
「はい」
「なぜ襲撃するか気になるのだが、これはお前の考えでいいからな」
研信をエゴイストの味方にしたいなどわかっているが教えてしまえばなぜ知っているのか?となるから黙っておこう。
「自分はgive様はなにかしらの目的があると思っていて、それがものなのかな?と思っております」
「なるほど」
走は考えてしぐさをすると、俺の方に向き直して言う。
「襲撃の時に研信達に被害がないようにしてほしい」
俺は驚いた表情をとり、考える。
目的のために研信達と会うことになるのだからほぼ無理に近い。
どうすればいいのか。分からない。
「これは返事はどうでもいい、当日の時のお前の行動でわかる話だから、もう話は終わりだ、下がってよい」
「はい、失礼しました」
俺はイスから立ち上がり部屋を出て行く。
そこには走の困った顔があった。
本当に走は友達思いのいいやつだ。




