十話 雨=濡れる
本当に朝の時六道さんはなにをしていたんだ?
またそんなことを思いつつ、校門の前で待つ。
「鉄冶〜」
可愛らしい声で夜乃が来て抱きついてくる。
「夜乃〜」
そう言いながら俺も抱きつく。
夜乃は抱きつくことを数秒して俺の胸から顔を上げる。
「帰ろう」
「もちろん」
恋人つなぎをして帰ることにした。
「やべ」
途中から雨が降ってきたのだ。あ、そういえば今日は洗濯物は干していなかったから助かった。
「雨降ってきたね」
「そうだね」
気軽そうに言っていたが最初は小降りだったのでのんびり歩いていると強く降ってくる。
「急いで俺の家に行こう」
「わかった」
急いで俺の家に行く。ほんとに強く降ってきており空は灰色から黒色にかわってくる。
俺の家に向かっていたので一度待つことにした。
そうして家に着くと、
「結構濡れたな」
「そうだね、鉄冶」
俺は濡れた手を離して濡れた夜乃を見る。
俺は顔を赤くする。
「鉄冶?どうしたの!?風邪?」
俺のおでこを触れてくる夜乃。あ、あれが!
「風邪ではなさそうだね」
「夜乃、自分の服を見た方がいいよ」
俺は内心焦っているのに言葉では落ち着いて言っている、夜乃はおそるおそる服を見る。
「きゃっ!」
顔を赤くする夜乃。
その時の俺はおかしいのか可愛いと思ってしまう。他に思うことはあったと思うが、
「鉄冶、見ないで〜!」
俺は自然と返してしまう。
「いつか見ることがあるかもしれないし、問題ないだろう?」
「そうよって、なにを言ってくるの!?」
さらに夜乃が真っ赤になる。まるで茹蛸。
俺はものすごく可愛いと思ってしまうが我慢して、
「シャワー浴びてこれば?」
「うん、わかった」
夜乃は脱衣所に向かっていった。場所は忘れていないようだ。
それにしても濡れて服が透けさせてくれた雨に感謝した。
俺は自分の部屋に行き、そしてタンスを開ける。
ゴソゴソ
服を探る。あったかな?
「あったあった」
未使用の服を取り出してリビングに向かう。
シャワーの音が聞こえてくるのでもちろん夜乃が浴びているのか。
ゴクッ
唾を飲み込む。
見に行きたいが我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢。
我慢を何回も繰り返して気持ちの昂りを抑えようとする。
将来そんな関係になるかもしれないから見に行っても問題なさそうだけど我慢。
興奮しそうになってきた。
「ヒッヒッフゥー」
安定して呼吸をする。
自分よ自分を落ち着かせろ。そんな謎なことをしている。
そしてまだまだ落ち着かないので何回も呼吸をしていくのだった。




