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家族で遠征(2)

ギルドからの出発は、早朝6時だった。馬車の御者が出来るのはロックしかいないので、ナナが一緒に御者台に座る。


ナナは、ギルドに渡された地図を見ても良くわからなかったので、スマホのマイステータスで現在地が表示される地図を見ながらナビをする。


モモとコウとジルが、キャビンで楽しそうに話している声が聞こえてくる。お茶はポット2個分作って来たので、途中お昼ご飯とお茶休憩を2回挟んだ。トイレもその時に済ます。


馬車にトータル9時間乗り続け、馬車の振動でみんなのお尻が限界になった頃、ようやく1日目の宿についた。


宿に予定より早い時間に着いたので、ロックとコウとジルは夕飯まで宿の裏庭で稽古中だ。

ナナは、魔法で盥にお湯を出して体を拭いた後、限界を迎えたお尻を休ませる為にベッドにうつぶせで寝転ぶ。モモもナナの隣に寝ている。


宿の夕飯を食べて、男3人が盥のお湯で汗を流したら、明日に備えて早目の就寝。みんな慣れない馬車でヘトヘトだったから、ぐっすりと眠れた。



翌朝7時、宿の朝食を食べて、皆で馬車に乗り込む。ロックとコウとジルは、ナナとモモが寝ている間に早朝稽古を終わらせたらしい。ナナは、男子3人の元気っぷりにビビる。


「さあ、今日も元気にいってみよー!」ナナの掛け声で馬車が走り出す。



▽△▽△▽△▽△▽△



ロック達一行がノトスナポス領のグロッサに着いたのは、マリンナの家を出て4日目の昼過ぎだった。


グロッサの町にあるギルドに到着を知らせたら、ギルドが提供してくれる家族用コテージに案内された。

ナナは、小さなログハウスを想像していたから、リビングの他に2部屋もあるしっかりとしたコテージにビックリだ。


「コウとジルでトイレの右の部屋を使え。俺とナナは左を使う。モモは好きな方を使え」


サラッと同室を告げるロックに、ナナは「俺とナナは・・・」と呟き両手で赤くなった顔を隠して立ち尽くす。


「「はーい!」」


「モモはコウとラグで寝るー」


ナナ以外、みんな立派なコテージに夢中で、イソイソと割り当てられた部屋に向かう。


ベッドは2つあるのに、コウとジルとモモは、持ってきたラグを敷いて一緒に寝るらしい。ナナが預かっていたコウの部屋のお布団ラグをサコッシュから出す。

コウは、宿のベッドにも寝たがらずラグで寝ていた。ナナは、いつか理由を話してくれるといいなと思う。


ロックと同室!と意識して、ナナは顔を真っ赤にしながら部屋に入る。


部屋に入るとベッドが2つあり、ロックが「俺がドア側使うから、ナナは壁側のベッドな」と言った。


ナナは「はぃ」と小さく言って、ベッドに座った。


ロックが、備え付けのクローゼットに荷物をしまっていく。


「風呂があったから使う前に掃除してくる、きれいになったら風呂の用意たのめるか?」


ロックは普通だ。なんか悔しい。


「水魔法で丸洗いしてからお湯入れるから、お掃除しなくて大丈夫。ロックは夕飯の用意はじめてて」


ナナは「平常心、平常心」と呟きながらお風呂場へ向かった。



ロックは、風呂場に向かうナナを見送る。


「ナナと同じ部屋・・・遠征来てよかった・・・」ロックはロックで浮かれていた。



▽△▽△▽△▽△▽△



翌日、ギルドで集合場所を確認して『67』は討伐に向かう。初日は、ロックとナナとモモだけで様子見だ。


ジルとコウは、筋トレメニューみたいなものをロックから渡されて、コテージでトレーニングだ。朝練に続き筋トレ。強化合宿のようだ。


討伐場所に到着して討伐を開始する。モモは、近くにある教会の屋根に上がって任務についてもらう。



現地の有様ありさまは、ひどいものだった。


魔法使いや弓使いがミドルヘルバードを打ち落とすが、数が減らない。そもそも、魔法使いの数が足りてない。半分くらい剣士や槍士のような近接攻撃が得意な戦闘職だ。


「ナナ、俺の剣に炎付与したら鳥を落としてくれ。これだけ遠いと羽だけ凍らすのはキツイだろうから、雷で麻痺を試してくれ。何羽ずつでもいい」


「わかった」


ナナは、ロックの剣に炎を付与して、飛んでいる鳥にスタンガンをイメージした電気ショックを与える。氷と違って一度に5羽が限界だ。


「ロック、5羽が限界。どんどん落とすからよろしく」


ナナは、雷魔法の電気ショックで、次々にミドルヘルバードを落としていく。


「ナナ、付与が切れた。かけなおしてくれ」


「了解」


「ナナちゃん、鳥があっちからどんどん増えてきてる。少し大きいやつが混じってる」モモが報告して、また屋根の上に戻っていく。


「了解。ありがとうモモ。ロック、続けるよ」


「頼む」


ナナとロックの前にミドルヘルバードの山ができていく。


中には、仲間を落とすナナに襲い掛かってくるミドルヘルバードもいるが、全てロックが薙ぎ払う。


ひたすら2時間ほど討伐を続けていると、モモが報告に下りてきた。


「ナナちゃん、鳥が森に向かって戻りはじめた。追う?」


「モモ、深追いはしなくていいから、できたらねぐらを突き止めてくれ」


「モモちゃん、おねがい」


「いってくる!」



ミドルヘルバードでいっぱいだった空が、少し明るくなった。


「ナナ、もうひと頑張りだ」


「はーい。よし、がんばろう」



『67』が討伐したミドルヘルバードの数は729羽だった。襲ってきた分を引いても、ナナは電気ショックを130回以上放った事になる。

討伐証拠の嘴を切り取る作業を思うと泣きそうになる数だ。


ロックもナナもヘトヘトなので、ダメ元でミドルヘルバードの山をそっくりそのままサコッシュにしまい、提出する事にした。


ギルドの職員さんは、ミドルヘルバードの山を見て絶句して「そのまま提出で大丈夫です」と言って受け付けてくれた。


今回は、1パーティ最低討伐数が20羽で銀貨2枚。それ以上は1羽銅貨1枚計算になる。『67』の報酬は、金貨7枚、銀貨2枚、銅貨9枚だった。


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