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みんなで一緒に暮らそうね

夕飯の後、ロックとナナで手分けして片付けをしていた。


ロックが皿を下げてきて、ナナが桶の水で洗う。

それを、モモとコウが眺めていた。


そんなのどかな雰囲気のなか、コウが爆弾を落とした。


「ナナちゃん、ロックとナナちゃんは、けっこんするの?」


邪気のない顔で首をかしげるコウ。


「だだだだ誰からきいたの?」動揺するナナ。


「モモが、いってた。ジルも、ふうふだろって、いってた」


「ふ、夫婦」


ナナは、洗うために手に持ってた木製の皿を落とした。ぽちゃんと桶の水が跳ね返った。


ロックも、皿を手にしたまま固まっている。


「今じゃないけど結婚するぞ。ナナはまだ14才だから、まだ結婚できないんだ」

ロックが持ちなおした。


「ロックとナナちゃん、けっこんすると、かぞくになるの?」


「そうだな」


「ジルは、こじいんでそだったから、けっこんして、かぞくがほしいって、いってた」

あれ?何かコウ不安そう。


「そうか」


「こ、コウは、コウは、あの、かぞく、」


「コウも一緒に家族になるんだよ」


「コウも、かぞく」


「当たり前だろう。コウも家族だ」




ロックとナナは、コウに育親の事を話しておこうと話し合った。


本当は、コウが選んで決めたほうがいいのは分かってる。


だけど、ロックとナナの気持ちは、伝えておいた方が良いと思ったのだ。


みんなでラグに座って話をする。モモは丸まって寝たふりだ。


「コウは、お父さんとお母さんができたらうれしいか?」


「コウの、こと、ベランダに、もどすの?」


「もどざない」「もどさないよ」ロックとナナが同時に答える。


「コウ、俺もナナも、コウにずっとここで暮らしてほしいと思ってる」


「ずっとはムリって、ジルがいってた。アリスも、いってた。トーマスも、いってた。ライアン、は、バーカっていった」

そんなに、友達に相談するくらいコウも悩んでたんだ。そう思う反面、ナナはコウの社交性に感心する。コウ、孤児院にかなり馴染んでる。


「コウは、住む所を選べるんだ。俺の所でも、別の育て親の所でも」


「べつの、は、いや。ロック」

コウがロックの手をつかむ。


「コウ、もしコウが俺たちと一緒にいたいと思ってくれるなら、ノットさんにそう答えてほしい」


「ノットさんに?」


「今じゃないが、コウが10才になる前に、ノットさんから聞かれるかもしれない」


「コウは、ロックと、ナナちゃんと、モモ、と、ここで、ここに」


「俺も、ナナも、モモも、コウとここで暮らしたい」


「コウも、ここで、くらしたい」


「じゃあ、聞かれたときは、そう答えてくれる?」


「ナナちゃん、ナナちゃん、こたえる。こたえる、から、いっしょに」


「うん、みんなで一緒に暮らそうね」


「くらす!」

コウが笑顔になる。


「ありがとうコウ」


「ありがとう、うれしいよ、コウ」


「モモもうれしい、ありがとう」



「ありがとう、コウも、うれしい」



無事にコウに思いが伝わった事に、ロックとナナはホッとした。


ロックとナナとモモとコウは、みんなで抱き合ったあと、ホットミルクで乾杯した。



コウが「ありがとう」を言えました。

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