表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/216

2.ネフィル―9

 「ありがとうございます。助かります。じゃあ馬車で行きましょう。えーっと…」ノジマが老婆に話し掛けた。

 話し掛けられた老婆は一瞬ノジマの出で立ちに目を見開いたが、すぐに表情を緩めて答えた。

 「私はアイクラと言います。馬車はありがたい。実は朝から歩き詰めでね、少し膝が痛かったんだ」

 「ワイルドだな」リュウは思ったことをそのまま口にした。「じゃあ馬車はいいよな。馬はいねぇけど」リュウは軽口を叩き、ふと思い出す。

 「そういやノジマさん、馬車置いてきたのかよ」


 するとノジマの表情が曇った。「ああ、それは…」どうにも歯切れが悪い。

 「ん?どうしたんだよ。放置してきたんじゃねぇの」

 するとその隣からエミが弾けんばかりの笑顔で言った。「それなら大丈夫だよ。見張り役を置いてきたから」


 見張り役?エミの言っていることがいまいち分からず、助けを求めるようにノジマを見た。するとその顔が引き攣っている。

 ノジマのあんな顔はあまり見たことがない。たまに見るのは物凄く面倒臭い仕事をリュウが勝手に取ってきた時。あとはあの時、リュウを押し付けられたあの時くらいか。

 嫌な予感を感じ取りながら、リュウはエミに確認した。

 「見張り役も何も、そんな人員居ねぇじゃん。俺とノジマさんと、あとエミだけ。全員ここに居んのに誰が見張ってるってんだよ」


 「えっとね、ガブだよ」エミは能天気とでも言えばよいのか、朗らかな声を出した。

 「いや、誰だよ」ガブだよ、じゃねぇよ。

 「ほら、初めて会ったときに噛み付いてきた子だよ」

 「いや、だから誰だよ」エミの笑顔にリュウは戸惑った。


 もしかしてコイツ、ヤベーヤツなんじゃねぇのか。そんなことを今更ながらに思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ