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最終話 恋し恋しと鳴く蝉よりも

「姫埼さんのところのヒナちゃん、まだ見つからないんですって?」


とある田舎の井戸端で

そんな会話がそろりとされる



「最後の目撃情報が川の方に歩いてたって聞くじゃない?」

「お父さんが晩御飯に呼びに行った時には窓が開いててヒナちゃんがいなくなってたんでしょう?」



“怖いわね~”なんて言葉では言っても好奇の花は咲き乱れる


「最初は人攫いにでもあったんじゃないかって大騒ぎで」

「目撃情報が出てからは誘拐から行方不明に切り替わったでしょ?」

「奥さんなんてすっかり焦燥しきって気の毒なもんよ」


のどかな田舎の澄んだ空気と美しい川の音色

鳴きわめく蝉にも負けず、悲惨な事件は楽しい噂の種のようだ


「ところで、あの空き家に都会からご家族で引っ越してくるって知ってる?」

「こんな田舎に?まぁ、もの好きも居たもんねぇ?」

「なんでも、お子さんがきれいな空気のところじゃないと駄目な病気だそうよ」


太陽にキラキラ反射する静かで涼しい川の近くの一軒家

数日前まで、麗しい少年の家族が住んでいたことを

覚えている人間は居なかった


この作品、王道を行って

「とある田舎に引っ越してきた美少年転校生と仲良くなったら、私が怪異にされた件について!?」

とかなら、もっと沢山の人の目に留まるのかな…と真剣に考えました。

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