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『呪石』-番外編-  作者: 宮居
ウルの生物講座
12/13

ドラゴン・竜の部

「えっと、ドラゴンか……じゃあまずドラゴンと竜の違いについておさらいしよう」


「人と子が作れるか、だっけ」


「そう。人とドラゴンは子を作れないけど竜は子供を作れるんだ。見た目に違いはないんだけどね」


「違いはなんなの?」


「魔力量が1番大きな違いかな。竜の方が多いんだ。だから人に魔力をあげることで子を宿らせることが出来る」


「強制受精……」


「特殊な魔力なんだろうね。どうしてそんなことできるようになったのかはわからないけど、ドラゴンから竜が産まれるようになって、半竜人が産まれるようになった」


「ウルやシイだね。呼ぼうか」


作者の一声でシイが場に現れる。


「……なに?」


「突然呼び出してごめんな。ドラゴンたちの話をして欲しいって言われて、折角だからシイもってことで」


「そうなの」


シイは突然召喚(呼び出された)割には笑顔だ。


「ドラゴンの見た目は知った通り、大きな体、大きな翼、大きな爪、牙、鱗を持つ。魔力量はとても多くて、使えない魔法はない。それに人よりも大きな威力が出せる。火力だけで言うなら右に出るものはいないとされているよ。竜は火力に関してはドラゴンに叶わないけど、特殊な魔法も使えたりする。治癒とかね」


「ドラゴンにはできないの?」


「言った通り、使えない魔法はない。けど得意不得意はあるからね。竜はどちらかと言うと火力ゴリ押しってより相手を翻弄させて戦う感じだし、仲間が傷つけば回復もする。それに特化したやつもいる」


「半竜人は?」


「魔力量は人と大差ないよ。威力なんかも人並み。ただし竜に変形出来たりする」


シイの方を見ると理解してくれたのか、


「こんな風にね。俺は不得意なんだけど」


人型の時とは違う色の鱗を纏った竜がそこにはいた。


「竜になれるってことは、子供も……?」


「そうだね。一応宿せる。けど、産まれてくる子は半竜人でない可能性の方が高い」


「普通の人ってこと?」


「多くの場合がね。上手くいけばたまーに半竜人が産まれるよ」


シイの姿が人型に戻る。

頭を撫でてやる。嬉しそうにした。


「ありがとシイ。さて、半竜人の見た目はご覧の通り。腕に鱗が見える奴らは竜の変形が上手いやつ。見えないやつはどちらかと言うと変形は出来ないけど魔法は得意なやつって感じ」


「ふーん。シイは竜になれて、ウルは魔法特化?」


「特化って言うほどのものでもないけどね。シイが扱えないような魔法も使えるってこと。因みにこっちのが数は少ないから、基本的には腕を見ればわかる。上手く魔法で隠してたり、俺みたいのがみんなに魔法をかけて隠したりはするけど」


「やっぱ、あんまり良くないと思われてる感じ?」


「竜と人の子だしね。数は少なくないけど、あんまり見ないよ。気づいてないだけかもしれないけど」


「エルフ程ではないけどね」


シイが小さな声で言った。

確かに、エルフに比べればマシな方だ。

1部の地域では、ドラゴンを怖かって、エルフよりも酷い扱いをするところもあるけど。


「上手く耳変えたエルフと鱗隠した半竜人と人が並んでたらわからないね」


「そうだね。その時は魔力量なんかも調節してるだろうし……少し多めのやつがいたらとりあえず人外だと疑った方がいいよ。たまに馬鹿みたいに魔力持ってる人間もいるけど。俺は1回しか会ったことないからごく稀だね」


「そんな人間には会いたくないね……」


「最悪、人外よりタチ悪いからな」


ルイの言う通り。

俺が会ったことあるやつは横暴で、手のつけられないくらいだった。最早あいつは人外だ……。今はどうしてるかな。


「まぁ、もう会うこともないだろうし大丈夫でしょう。そんなところかな?何かある?」


「元々どこにいたとかってわかってるの?」


「わかってないけど、それぞれ住処を持っているよ。国みたいのを作ったり、俺らの国みたいなのに入る竜もいるけどドラゴンはそうはしない。基本的に群れないんだ。争いもあまり好まないとされている。それは竜もだね」


「へぇ。意外」


「縄張りを荒らされたら怒るけど、通過する分には見逃してくれたりするし、割と平和的なやつだよ。例外もそりゃいるけどね」


「ふーん……そんなもんかな?」


「で、いいかな。シイも話すことある?」


「ないよ」


「じゃあドラゴンの部はこれでおしまい。次は?」


「オークとかいうやつかな。あとヴァンパイア」


「じゃあ次はその2種だね」

疑問点あれば連絡ツールどこでも使って教えてください書きたします!!

次でウルの講座が終わります。この茶番形式も終わります。

アルケアのその後とかそろそろ書こうかな……

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