第39話:共有の終焉(おわり)と、罪の烙印
佐藤の反逆は、村の大人たちによって強引に鎮圧された。権藤たちの手によって引き離された二人。佐藤は全身打撲で意識を失い、ワカハは深い眠りにつく薬を飲まされ、別々の場所に幽閉された。
祭りの翌朝、村を覆ったのは、昨夜の狂乱を悔いるような、冷たく静かな霧だった。
「……あんた、本物のバカね。でも、村の男たちはみんな怯えてるわよ。あんたがワカハの中に残した『毒』にね」
独房のような物置小屋に、リンが食料を持って現れた。彼女によれば、佐藤の「独占的な情交」は、村の伝統的な共有儀式を台無しにしたという。神聖なはずのワカハの体に、特定の男の強い痕跡が残ったことは、村の男たちにとって耐え難い「穢れ」とみなされたのだ。
「儀式は中止。でも、その代わりに……あんたとワカハには、もっと残酷な『罰』が待ってるわ。この村から二人、永遠に『共有』される権利を剥奪されるの」
それは一見、佐藤の望んだ「独占」の完成に見える。しかし、それは同時に、村のインフラ、食料、そして人間関係から完全に切り離されることを意味していた。
「……いいよ。村の誰とも関わらなくていい。……ワカハさんさえ、僕の隣にいれば」
佐藤は腫れ上がった顔で笑った。自らの手で「共有」という名の鎖を断ち切った代償として、彼はこの村で、ワカハと共に「生きた異物」として生きていく覚悟を決めた。




