第9話「喫茶店のまえに喫茶店が建つ」
萌香たちが愛媛を訪ねていた時、DROPOUTのまん前に新規テナントの工事がはじまる。
「お店ですかね?」
「さぁ。何かの商業施設だと思いますけど」
「それってお店のことだと思いますけど?」
「衿朱さんもツっこむことがあるのですね」
「武器の販売でもするのかな? メイリンに相談しないと」
「あの、ここはウェルガリアの世界ではない」
「賢太郎さんもツっこむことがあるのですね」
「おい、何しているんだい。仕事に戻るよい」
大地の一声で衿朱と賢太郎はひっこむ。
工事はすごいペースで進んでいく。
わずか数日後には完成されていた。
「Continue?」
「喫茶店ですね? カフェと言ったほうが良いのかな?」
「同じようなものですよって言うか、めちゃめちゃ丸被りじゃないですか!?」
「え? 全然ウチとは違うスタイルにみえるけど?」
「そういうことじゃない! 喫茶店の前に喫茶店がたったの!」
「あ~ドミナント戦略みたいな?」
「全然違います! むしろ競合激化ですよ!」
「おい、何しているんだい。仕事に戻るよい」
「うぃっす」
「アンタら! 反応しろ! カフェの前にカフェがたったのよ!? しかも『コンテニュー』って完全にドロップアウトに対抗する気満々の店名じゃないですか!!」
「アテテテテ……衿朱さん、ホッペをつまんで広げるノハヤメヘェ~」
「お前らいつまで遊んでんだい。ライバルが近所に何店増えようが関係ねぇよい。ウチはウチでいいよい。目の前のことに集中しろい」
大地の言っていることはもっともだ。しかし衿朱が言ったことにも間違いなどない。新店であるコンテニューの店主はその日の晩に挨拶しに来た。
「明日から開店のコンテニューの店主。五十嵐拳志郎と言います。宜しくお願いします……あれ? 牧野? あ、いや、違うか。失敬」
「誰ですか? このボサボサ胞子放出機みたいなヘアスタイルのオッサンは?」
「衿朱さん、失礼ですよ。毛並みの状態がひどすぎるライオンと言いましょう」
「お前らどっちも失礼だよい。このDROPOUTの店主を務めている森大地って言うよい。宜しくお願いしますよい」
大地と五十嵐は握手を交わす。
衿朱は分かってない筈がなかった。すぐに千速局長へ電話を入れる。
「大変です。店の前に店ができてCEAの五十嵐が店長みたいで……」
『ん? どういうことだ? もっと分かりやすく言えないか?』
「分かりやすく言っているでしょうが!!! 店の前に店ができたの!!!」
『そっか、じゃあライバルに負けないように頑張らないと』
「だからその店の店主が五十嵐だって言っているでしょうが!!!」
『なにっ!? 何でそんな大事なことを先に言わない!?』
「言ったでしょうが!! どうするの!? 完全にこの店を狙いにきていますよ? 局長のそのヘンテコなコをここに送りこむことはできないと思いますよ……!」
『ヘンテコって言うなよ。ヘンテコって。すげぇカッコよく再現しているのだぞ?』
「これもいいましたけど、今我が店に私を入れて5名の店員がいます。五十嵐が店の前に店をだした以上は愛媛にいったソラさんも反応してしまうと思います。ここで店員を入れ替えるとか6人目の職員を入れるなんて出来ないと思いますよ」
『考えるようになったな』
「えっ?」
『いや、如月もアメリカに行って色々と感じたのだろう。このコとアンタを引き換えに店員を入れ替えるってこともできそうになさそうだしな』
「局長……」
『いいのさ。ヅラたちよりも仲間って言える仲間ができたのだろう? どちらかと言うと心を開くことのない如月がそうなったことをアタシは嬉しく思うよ。でも、ひとつ聞きたいな』
「はい」
『如月は神泉組とDROPOUT、どっちが大事なんだ?』
「えっ……」
『あー意地悪なことを聞いたか。いいよ。交渉は明日あたりアタシ自らする』
「ちょっと!! それもまずいって!!」
電話は一方的に切られた。
「さっきからうるさいよい! 黙ってゲームしろい!」
「ゲームじゃないわ!!!」
横川の一角はそれで騒がしくもなる――
「コンテニュー」は前々からあった発想でした(笑)思ったよりも早く登場した感。メンバーは舛添に反旗を翻した五十嵐・高津・小泉の3名。ひとまずは。
次号もこの話になります。次号(#^.^#)m9ドーン!!!




