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予想外の展開



かなり困ったことになった。

ユリウスが元気になったのは嬉しいが、かなり厄介だと思った。


アリシアの行動がさらに厄介にさせていたとは本人は気づいていないのだが。


「アメリアはこの国の王妃として彼女を正式にアランの婚約者として迎え入れたいわ。よろしくて?」


「えっ・・・」


ギョッとするアリシアにアメリアは満面の笑みを浮かべる。


「ええ喜んで」


「お婆様!お待ちください!」


話が良からぬ方向に進んでいる。


「王妃様、発言をお許しいただけますでしょうか」


「ええ」


「ありがとうございます・・・私はつい先日祖国から国外追放となった身でございます。そのようなかようなものを娶ればどのようなことになるか」


「まぁ・・・」


「私が姫巫女であることも間違いかもしれません」


なんとしても考えを改めてもらおうとこれまでのいきさつを告げるが、そんなものは無意味に終わるなど知らないでいた。



「ですが婚約破棄をされているのであれば問題ありませんわ」


「はい?」


「私からアピシィア王国に手紙を出しますわ。それなら問題ありません。それにアランは王位を返上していますし問題なくてよ」


「いえ・・・そういうことではなくて」


「それに元々はブルーメリア家長女と我が息子を夫婦にするはずでしたのよ」


これは初耳だった。


「なのにハルステッド殿下の婚約者にと強引に押されてしまって・・・私嘆きましたわ」


「ですが、その心配はございません」


「そうですね!これですべて丸く収まりましたわ!」


前々丸く収まっていない!!


内心は荒れているアリシアだったが目の前に三人は目を輝かせている。


立場上断るのは無理だ。


「ですがアラン様のお気持ちを・・・アラン様ほどの方ならば引手数多ですし」


元王太子で現在は王立騎士団の団長であれば縁談話は山の様にあるはずだ。


いかに不吉の色だと言われても今回の件でアランはユリウスを救った功績に加え聖剣の使い手として認められたことになるはずだ。


そうなれば亡命して来た公爵令嬢など必要ないはずだ。


これはいけるんじゃないかと思ったが・・・



「アリシア様は本当にお優しい方ですのね?息子のことをそこまで気にかけてくださるとは」


「うむ、本当に優しいのぉ」


なんでそこでほろりと涙を流すのかわからない。

人として当然のことをしたつもりだったのだが・・・



「アリシアちゃんはこう言っているけどどうなんだ?」


不敵な笑みを浮かべながら扉の方を見ると、アランが控えていた。


「アラン様」


「アリシア・・・」



感情の読めない表情をするアランが立ち往生していたのだった。


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