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心配事

オフェリアが目を覚ますと、部屋のベッドの上だった。しばらくぼんやりしていると、「姫様、おはようございます」とレーネの声がした。カーテンが開けられて、眩しい光が差し込む。もう、かなり外は明るくなっているようだった。


(私……昨晩……イグナーツ様にお話があってお部屋に……)

 頭になれない痛みがあり、バッと体を起こす。昨晩、イグナーツの部屋に出向き、自分の出自について打ち明けたのだった。イグナーツがお酒を少しグラスに注いでくれて、それを飲んだところまでは思い出すことができたが、その先がぼんやりして思い出せない。

「レーネ……あの、私……どうやって、部屋に戻ってきたのかしら」 

 額を押さえて尋ねると、ベッドの側までやってきたレーネが瞬きする。

「それは……昨晩は公爵様がお部屋まで姫様を抱えてこられました。慣れないお酒を飲ませてしまったと、申し訳なさそうにおっしゃっておいででしたわ」

「イグナーツ様が運んでくださったの!?」

 仰天して訊くと、「は、はいっ」とレーネも頬を赤くする。

(なんてことでしょう…………!)


 イグナーツとしては、部屋に寝ていたオフェリアをそのまま放置しておくわけにはいかないのは当然だ。結婚が決まっているとはいえ、まだ式を挙げる前だ。

「私、ひどい失敗をしてしまったわ……イグナーツ様に、なんとお詫び申し上げればいいのか」

「あの方はあまり気にされてはおられませんでしたよ? お優しい方のようで……私もちょっと安心いたしました」

「ええ……昨晩、イグナーツ様に……母や私の事をお伝えしたの。でも、すでにご存じだったみたいで、あまり驚かれてはいなかったわ。それに、結婚に影響はないと……私、安心してしまって」

 それで、つい気が緩んでしまい、普段は飲まないはずのお酒を男の人の部屋で二杯も飲んでしまった。

「これでは、あの方に合わせる顔がないわ……」

 額を押さえて溜息を吐いていると、レーネがハーブティーを入れてくれる。今さら羞恥心が込み上げてきてしまい、上掛けにうずくまってしまい心境だった。


「イグナーツ様は今日は邸にいらっしゃるのかしら。それなら、謝罪しなければ……」

「いいえ、公爵様はすでに宮殿に出向かれたようです。晩餐の席でまた顔を合わせる事ができますわ。公爵様がお嬢様の血筋の事をあまり気にしていらっしゃらないのであれば、何の問題もありませ。ええ、そうですとも。最初から、お嬢様が高貴なお生まれである事は分かりきった事なのです! その事を分かっていただける方で、私も安堵いたしました。むしろ、この帝国に嫁いできて正解だったと思えるほどですわ。公爵様は立ち居振る舞いも気品があり、お嬢様を部屋で待っていた私にも、 夜遅いのにご苦労様と労いの言葉までかけてくださったのです!」


 レーネは手を握り締めて、どこかうっとりするように言う。一晩で、随分な変わりようだ。帝都に来る前はひどく怖れていて、警戒していたというのに。だが、それもイグナーツの分け隔てない人柄のおかげだろう。ここではオフェリアが連れてきた使用人や護衛も、公爵邸の使用人や護衛と変わらない待遇だ。


 それも、イグナーツがオフェリアを蔑ろにしたり、見下すような振る舞いをしないからだろう。マルク王国では、兄や王妃があからさまにオフェリアや母、弟を冷遇するせいで、使用人たちまでバカにしたように陰口を言う事が多かった。まして、貴族たちは、公の場にオフェリアが姿を見せても、挨拶すらまともにしようとはしなかったくらいだ。母はもっとひどい扱いをされてきただろう。そのせいで、塞ぎ込む事もあり、ほとんど離れからは出ない。

 敵国であった帝国の方が厚遇してもらえるなんて、皮肉なものだ。


「イグナーツ様の寛大なお心に感謝しなくては……」

 そして、その感謝を返す方法は、今のところ公爵家に恥じぬ振る舞いをして、しっかりその役目を果たせるようになる事しか思い付かない。

 ハーブティーを飲み終えたオフェリアはすぐにベッドを出ると、レーネに着替えを頼む。

(今晩、ちゃんと謝って……それから、誰か作法を教えていただける方を紹介していただこう)

 結婚式までに学ばなければならない事はたくさんある。この帝国に早く馴染まなければ。

「お嬢様、私も協力させていただきます!」

「ありがとう、レーネ。あなたがついてきてくれて、本当に心強いわ」

「お任せくださいませ!」

 レーネは椅子に腰を掛けたオフェリアの髪を梳かしながら、胸を張っていた。

 

◇◇◇


 皇帝のカールがローザと一緒に庭園でお茶を飲んでいると聞いて足を運ぶ。薔薇が見頃の庭園は春の日差しに包まれている。屋根のある四阿の周りに護衛と侍女たちが並んでいた。

「イグナーツ、こっちだ。お前も一緒にどうだ?」

 カールが手を振って呼び寄せる。僕は階段を上がって四阿に入った。

「いいや、遠慮しておくよ。二人の邪魔をしに来たわけじゃない。ローザがいると聞いてちょっと顔を見に来ただけだからね。元気そうだね、ローザ」

「あら、すぐに帰ろうだなんてダメですよ。お兄様。私もお兄様から伺いたい事が山ほどございますもの!! こんな機会を逃すはずはありませんわ」

 ローザは侍女に命じて席を用意させる。

「わはははっ、諦めろ。イグナーツ。ローザからの尋問からは逃れられないぞ」

「そのようだね。では、少しお邪魔しようか」

 僕は溜息を吐いて椅子に腰を掛ける。ローザのお付きの侍女が、紅茶を淹れてくれた。


「お兄様、マルク王国のお姫様について、詳しく聞かせてくださいませ! カールってばひどいのですわ。お兄様の結婚の事を随分、私に内緒にしていましたのよ。それに、姫君との謁見の場に私を呼んでくださらないなんて! 私だけ、兄嫁となる方にまだお会いしていないなんて……これはズルいです!」

 ズイッと寄ってこられて、僕は「ああ、うん……ごめんよ」と、ぎこちなく笑って謝っておいた。カールときたら、ニヤつきながら素知らぬ顔をしてお茶を飲んでいる。


「そのうち、ちゃんと引き合わせるよ。彼女も帝国に来たばかりで、あまり大勢の人と会うのは気疲れするだろうと思ったんだ」

「その判断は賢明ですけれど、せめて一言くらいはご挨拶したかったです! お兄様、私お姉様となる方をお茶会にお招きしてもいいかしら!?」

 ローザは両手を握り締め、キラキラした目をして訊いてくる。これは完全に、お強請りする態度だ。頷けば、今日にでもお茶会の招待状を用意して公爵邸に送りつけてくるだろう。

「うーん……いきなり皇妃からのお茶の招待状は、オフェリアも緊張するんじゃないかな?」

「まぁ! お兄様はもうお姉様の事をお名前で……フフフフフッ。カール、聞きまして? もうそんなに親密な関係になっているようですわよ」

 ローザは扇で口元を隠して、面白がるように夫の腕を叩く。

「ローザよ。夫婦の事に首を突っ込むものではないぞ。まあ、のろけ話なら聞いてやらなくもないがな」

 カールまで、テーブルに肘をついて聞く体勢になっている。この夫婦ときたら、人をオモチャにするのが楽しみという悪癖の持ち主だ。


「夫婦って、まだ結婚してやしないよ。それに、君たちほど早急に物事を進めるタイプじゃないんだ」

 この二人は顔を合わせたその日にもう、パーティー会場を抜け出して朝まで戻らなかったくらいだ。どれだけ気が合えばそうなるのか。まあ、カールがこう見えて愛妻家で僕の妹を溺愛しているのは知っているし、周りも呆れるくらいに仲睦まじいんだけどね。


「お兄様がのんびりしすぎているのです! それに、お兄様の事ですから、どうせ気を遣って手も握って差し上げていないのでしょう? それでは、オフェリア姫も安心してお兄様の胸に飛び込むことなどできませんわ。名前でお呼びになるほど関係が前進したのは喜ばしい事ではありますけれど、それで満足していてはなりません! ええ、そうですとも……やはりここは私が人肌脱ぐ必要がありそうですわね!」

 ローザは胸を張って、「ムフフフフ」と笑っている。

「いや、君が人肌脱ぐ必要はないと思うよ?」

「そうだぞ、ローザよ! そなたのゆで卵のようにツルツルな肌を見てよいのは、世界で俺だけだ!」

「おバカな事をおっしゃらなくてよろしいですわ。カール」

 ローザは閉じた扇で、バシッとカールの額を叩く。

 我が妹よ。君の夫は一応、この大帝国の皇帝だよ?

 まあ、僕も敬語で話してないから、ローザの事は言えないけどね。この場はプライベートな場だ。


「それで、オフェリア姫は邸でどのようにお過ごしなのですの?」

「ええっと……元気に過ごしていると思うよ?」

「ちょっと、待ってくださいませ。お兄様! もしかして、ご存じないのですか?」

「いや、だってほら。僕は宮殿に呼び出される事が多いし……昼間には顔を合わせないんだよ。文句なら、僕を仕事から解放してくれない君の夫に言ってやってくれ」

 そう言うと、ローザがキッとカールを睨む。

「お兄様に一日中仕事を押しつけていますのね!? お兄様は新婚だというのに!」

「待て。ローザ! そうは言うがな。君の兄は得がたい男なのだ。他の者に代わりを頼むというわけにはいかんのだよ。イグナーツがいなければ、仕事が滞って困る者が続出するのだ!」

「皇帝の仕事をお兄様に半分、押しつけているからでしょう! まったく、あなたときたら……もうしばらく、私の寝室には出入り禁止ですわ!」

「なっ!! それはあんまりに無慈悲というものであろう!!!!」

「知りません。お仕事をなさってください」

 ローザは腕を組んで、プイッとそっぽを向く。カールが助けを求めるような目を向けてきたけれど、スッと視線を逸らしておいた。ローザにしっかり怒られるといいよ? 


「お兄様、結婚式の準備はどうなっておりますの? まさか……帝国に来たばかりのオフェリア姫に丸投げなんてしておりませんわよね!?」

「え? いや……うん、その事なんだけど、お祖母様に戻ってきてもらおうと思って、手紙を送ったところなんだ。その方が、オフェリアも……」

「お祖母様ですって~~~~!? お兄様。何を考えているのです!! それは、極めて悪手! 悪手ですわよ。お祖母様に頼んだら、お兄様とオフェリア姫の結婚式が古くさいものに……いいえっ、きっとお祖母様の事ですから、何もかも自分の思い通りにしようとするはずですわ。オフェリア姫はドレスの一着も自分で選ぶ事ができなくなるんですのよ!! これは、由々しき事。その前に何とか手を打たなければ……お兄様。お祖母様への手紙はいつお送りになったんですの?」

 血相を変えたローザに聞かれて、「えっ、き、昨日?」と答える。

「それなら、まだ領地には届いておりませんわね。その前に追いついて、手紙を回収させますわよ。カール、緊急用の伝令に頼んでいただけますわよね!?」

 立ち上がったローザが、ガシッとカールの手を握り締める。その鬼気迫る形相に圧されて、カール「お、おお……」と頷いていた。いや、待って。緊急用の伝令って、国の有事に使うやつだよ。私的に使うものじゃない。

「では、ちょっと失礼しますわ。お兄様はとにかく、もう余計な事をなさらないでくださいませ!!」

 ローザは僕を指差し、侍女たちを引き連れて慌ただしく戻る。


「あれはもう止まらぬぞ……」

「そう、見たいだね……」

 僕は心の中でオフェリアに、「ごめん!」と謝っておく。ローザの事だから張り切って口出ししてくるだろう。お祖母様とローザは何かと衝突する事が多いのだ。僕は自分の結婚に血の雨が降りそうな気がして、頭が痛くなってくる。

「女というのは、戦場に出て行くような気迫で結婚式を用意するからな……」

「一生に一度だからね……君たちの結婚式の方がずっと大変だっただろう?」

「いいや、そうでもなかったぞ。ローザは面倒くさがって、丸投げしておったからな」

「なんで、自分の結婚式じゃなく、兄の結婚式で張り切るんだろう……」

 しかも、ローザにとっては半分しか血の繋がらない義理の兄だ。

「ローザは〝ブラコン〟だからな! 時々、嫉妬を覚えるほどだ!」

 カールはおかしそうに笑う。

「ブラコンって何?」

「さあ、俺もよく知らんが、兄や弟の事を大好きな者をそう呼ぶらしい」

「なるほど」


「そういえば……オフェリアにも弟君がいるんだよね」

 僕はその事を、ふと思い出した。

「おお、そういえば、あちらの王宮で一度見かけたな」

「そうなの? どんな感じだった」

「オフェリア姫によく似た黒髪の少年であったな。大人しそうな雰囲気だったが、挨拶はしっかりしておったよ。母君も前王妃よりはずっと品があったように見受けられたがな。今度の結婚式には招くのか?」

「そうしたいけど……両国の関係がまだ安定してないからね。それに、ルカーシュ国王が許さないんじゃないかな?」

「確かにな。あの者はあまり人望がなさそうだった。国王となったが、反発も大きかろう」

 カールは頷いてお菓子を頬張りながらお茶を飲む。そういうところは、ちゃんと見ているんだよな。この皇帝陛下は。僕が感心して見ていると、カールが「なんだ?」と訊いてきた。

「いいや、帝国の皇帝は無能でなくてよかったと嬉しく思っているんだよ」

「わはははっ。そなたもようやく俺の偉大さに気付いたか!!」

 カールは笑ってバンバンと背中を叩いてくる。いちゃ、ちょっとむせるから。紅茶のカップが揺れてこぼれそうだ。


「でも……確かに、オフェリアの母君や弟君を招けば、あまりいい事にならなそうだ」

 オフェリアの弟も王位を継承する資格はある。そして、今の国王はまだ結婚すらしておらず、子も生まれていない。次期王位継承者はオフェリアの弟になるのだ。そんな不安定な状況で、オフェリアの弟が〝帝国の皇帝の後ろ盾を得た〟なんて評判が立てば、当然、無能な国王とその一派は焦るだろう。かの国王に反発する者は、ここぞとばかりに弟君を担ぎだそうとするかもしれない。

 そうなれば、無用な政変にオフェリアの母や弟を巻き込む事になる。


 ルカーシュ国王も、異母弟が帝国の皇帝と親しくなるのは、どうあっても避けたいはず。オフェリアの弟君や母君が帝国に向かう事を容認するはずもない。

「もし、招けば……道中で暗殺を企てる可能性もありそうじゃないか?」

「それはいかにもやりかねんな。相手はそういう男だと見ておいた方がいい」

 カールがそう言うなら、信頼に値しない者という事なのだろう。彼の人を見る目はわりと確かだ。いい加減なようで、見るべきところはしっかり見ている。これでも、やっぱり帝国を統べる皇帝だ。


 となれば、やはり下手に招かず、こちらから出向いて挨拶をする方がいい。

「オフェリアはマルク王国であまりいい待遇ではなかったようなんだ。だから、少し心配なんだよ。王国に残された弟君と母君の待遇がね。後ろ盾となっていた国王は退位してしまっただろう?」

 オフェリアの事を敵国に易々と売ったようなルカーシュ国王が、父の側室とその弟を大事にするとも思えない。

「確かにな。だが、そこまでは干渉できんだろう」

 カールの言う通りだ。マルク王国は属国となったとはいえ、統治権は今まで通りにマルク王家にある。国王の行いに口出しできない。


「おお、そうだ。よい案を思い付いたぞ!」

 カールの〝よい案〟が本当によい案だった事はほとんどない。むしろ、何か突拍子もない事を言い出すに決まっている。

「そなたとオフェリア姫の娘と、俺とローザの息子を婚約させるのはどうだ!? 子供が次期皇帝の妃になる事が確定していれば、あの国王もさすがに下手な扱いはできなくなるだろう!」

 実に素晴らしい考えだとばかりに、カールは得意な顔になっている。僕は「どこがいい案なんだ!?」と、額を押さえた。

「きっと、ローザも賛成するぞ? 公爵家と皇室がより強固に結びつけば、安泰というものではないか」

「うちはこれ以上、余計な権力とかいらないんだよ! ただでさえ、妬まれて皮肉言われたりするのに」

 その上、小国とは言えマルク王国の継承権を持つ姫君が嫁いでくるのだ。さらに子供が次期皇帝の妃になる事確定だなんて、頭の痛い問題がさらに増えるだけだ。

「小バエの羽音なんて気にするな。上に立つ者の宿命だ」

 図太い皇帝陛下はあっけらかんと笑って、葡萄を頬張っている。僕は少しも上に立ちたいなんて思ってないんだよ。できれば、重荷は少なく気ままに暮らしたいくらいなんだから。公爵家の当主という立場ですら面倒くさくて仕方ない。昔は爵位も領地も異母妹のローザに譲って、僕は気ままな田舎暮らしをしようと思っていたのに。ローザがよりにもよって皇妃になってしまったから、僕が公爵家当主になるしかなかったのだ。


「相変わらず欲のないやつめ」

「欲くらいあるよ。毎日ダラダラして、のんびり過ごしたいんだ。最高の贅沢じゃないか」

「それのどこが欲だ。はぁ、これだからお前は……とにかく、早く結婚式を終えて、オフェリア姫に似た娘を作ってくれ。俺は俺で毎日励んで、俺に似たかっこいい息子を作ってやろう。それで、万事解決だ」

「生まれてくるのが娘だとは限らないじゃないか。息子だったらどうするの?」

「安心しろ、俺は息子一人で満足する男ではないぞ! 娘も三人くらいは生まれてくる予定だ」

「いや、だからって、皇室にはやらないぞ。子供には自由に恋愛させると決めているんだ」

「なに!? どこの馬の骨かわからん輩にやるつもりか!? よし、こうなったら公爵家の子供は皇室に嫁がせる事という新しい法律を制定しよう!」

「有り余る権力をそんな私的で無駄な事に使わないでくれ……」

 ふざけているのか、本気なのか分からない。いや、半分は本気なのだろうな。カールは一度決めたら、曲げない頑固者でもある。ニマニマ笑っているところを見ると、もうその気になっているのだろう。

 生まれてもいない子の人生を、こんなお茶会の場で気楽に決めてしまいたくない。


 だいたい、子供を王室になんて話をしたら、オフェリアがさらにびっくりして気兼ねしてしまう。

 彼女に余計なプレッシャーを与えたくはないよ。











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