表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/15

第5話 タケチ、巻き込まれる

 アーボンたちは購入したG区画の土地にやって来ると、タケチと仲間たちはその景色の良さに驚いた。


「綺麗ですね」

「いいっすね!」

「海がみえる」

「こんな所にチームの家が」


 するとアーボンは土地の端にあるタッチパネルを操作して家を選び始めた。


「ええと……、まぁ、おれも含めてそんなに多くない人数だからな。3LDKくらいでいいか」


 アーボンは3LDKの家を選択すると、街でよく見かけるような一戸建ての家が出現した。


 ボワン!


「「「おおーーー!!」」」


 アーボンはそれを見ると、みんなに言った。


「おっし、中入ってみようぜ」


「はい!」

「す、すげぇ」

「チームの家なんて……」

「なんかうれしいっす」


 みんなはアーボンに続いて家に入ると、1階は居間とダイニングとキッチン、そして和室があり、みんなが集まるには十分なスペースがあった。


 アーボンは居間にあるソファに腰掛けると、笑顔でみんなに言った。


「みんな座ってよ。おれイイもん持ってるんだ」


 みんなはアーボンの呼びかけにワラワラと居間のソファに腰掛けると、アーボンは前にあるローテーブルにプレミアム・ドラゴン大福を出現させた。


「「おおーーー!!」」


 アーボンはプレミアム・ドラゴン大福のパッケージを開けながらみんなに言った。


「へっへー。こいつはおれが不正をして大量に手に入れた1つだ。チーム結成の記念に食べようぜ」


 するとその時、召喚魔道士のマラツンが突然立ち上がってアーボンに頭を下げて言った。


「アーボンさん! おれ、アーボンさんとタケチさんに付いていきます!」


「えっ、ええ!?」


 アーボンがマラツンに驚いていると、マラツンは目に涙を浮かべながら話を続けた。


「おれ、こいつら3人の先輩なんすけど、先輩らしい事してやれなくて、いつも負けてばっかで、かっこ悪くて」


 するとアーボンは笑いながら答えた。


「なに言ってんだよ。おれなんてカッコ悪いのがデフォルトだぞ? それにタケチなんかグレートリセットとかヤベェ事言ってたしな。なあタケチ?」


「あ、は、ははは。僕はアーボンさんを助けたかった一心だったけど……。今、冷静に考えたらちょっと……」


 するとアーボンはプレミアム・ドラゴン大福を一口食べてからマラツンに言った。


「もうさ、カッコ悪くてもいいじゃん。なら、カッコ悪い同盟組もうぜ」


 それを聞いたマラツンは笑顔になった。


 アーボンもマラツンにつられて笑顔になると話を続けた。


「だいたい、カッコ悪いやつをカッコ悪いって馬鹿にするヤツがカッコ悪いんだぜ。本当にカッコ良いヤツはカッコ悪いやつにだって優しくしてくれる」


 アーボンはプレミアム・ドラゴン大福をポイっと口に放り込むとさらに話を続けた。


「ほんとにカッコ良いヤツってさ、カッコ悪いヤツも見返りも無く助けるし同じ目線で見てくれる。おれも、そういう人間になりたいと思うんだけど……、まぁ難しいよな。ははは」


 アーボンがそう言うと、マラツンは笑顔になって静かに頷いた。


 コンコン


 するとその時、ドアをノックする音がした。


 アーボンは不思議に思いながらも席を立って玄関に行くと、ドアを少し開けて外の様子を伺った。


 するとなんと、そこにはイリューシュが立っていた。


 アーボンは慌ててドアを開けると、アワアワしながらイリューシュに言った。


「あ、ああっ! す、すみません! ご挨拶に伺おうと思っていたのですが、いま家を建てたばっかりで!」


 すると、イリューシュの後ろからルルが顔を出した。


「やっほー」


「あ! え? ええと……」


 アーボンが驚いていると、居間に居たはずのタケチとマラツンが進◯の巨人の奇◯種のように玄関に走ってきた。


 そしてルルの前に土下座をするようにひれ伏すと、タケチが声をあげた。


「ル、ルル、ルルさんですよね!!」


 マラツンも目をキラキラさせながらルルに言った。


「はっ、ははっ! ルル様ぁ!!!」


 ルルはひれ伏す2人を見るとポーズを決めて2人に言った。


「みんなのアイドル〜、ルルだよっ!」


「あっ! ああっ! あはぁ!!」

「おおお!!!」


 すると居間に居た3人も進◯の巨人の奇◯種のように玄関に走ってきてルルにひれ伏した。


「やばっ!」

「本物かわいい!」

「ははは」


 ルルはクルリと回ってポーズを決めると、アーボンたちに尋ねた。


「あのね、わたし運営からエストンレルトの調査頼まれてたんだけど……、洞窟でグレートリセットしてたのだぁれ?」


 するとタケチが直立して立ち上がり垂直に右手をあげて答えた。


「はい! 僕です! すみません! でもまだやってません!」


「え、どうゆうこと?」


「仲間を集めてただけですっ!」


「なるほどー、そうだったのねー。じゃあーぁ……、もうやっちゃダメ。ね!」


 ルルはタケチの鼻先を指先で優しく(つつ)きながら言うと、タケチは顔を真赤にしながら言った。


「ひゃいっ! もうやめました! いまはアーボンさんのチームになりましたっ! はいっ!」


 するとイリューシュがアーボンを見ながら尋ねた。


「……アーボンさん、チームって」


「ああ、ははは。こいつら、おれのチームになったんで悪い事はさせません。グレートリセットも終わりです」


 それを聞いたイリューシュは、笑顔になりながらアーボンに言った。


「アーボンさん、宜しくお願いしますね。グレートリセットについては運営本部から警戒されていましたので」


「あ、ほんとすみませんイリューシュさん。もう、タケチにも関わらせないんで」


 するとそれを聞いていたルルはタケチに言った。


「じゃあルルと約束ね。もう悪い事しちゃだめだよっ」


「はっ、はいぃいっ! 絶対にグレートリセットはしません! 約束します!」


 その言葉を聞いたルルはタケチの手を握って笑顔になると、マラツンと後輩たちにも手を差し伸べながら言った。


「じゃあ、あなたたちもね」


「は、はは、はいっ!」

「ル、ルルさん!」

「う、うわぁ」


 マラツンの仲間たちはルルと握手をすると一斉に笑顔になった。


 ◆


 ー G区画の家 ー


 イリューシュとルルはアーボンだけを呼び出して、一緒にG区画の家へと連れ出していた。


 そして、庭から普段つむぎたちが使っている作業部屋へと案内した。


 アーボンはイリューシュに促されて椅子に座ると、前にはイリューシュとルルが座った。


 そしてルルはアーボンに質問を始めた。


「えっと。タケチさんってアーボンの後輩でいいのよね?」


「そうっすね。そんな感じです」


「じゃあ、今回のグレートリセットは知ってた?」


「いやぁ、おれメイちゃんの大司教クエスト手伝ってたから、正直知ったのはつい最近っていうか」


「やっぱ、そうだよね。どうするイリューシュ? タケチは仲間集めしかしてないって」


 イリューシュは少し考えながらアーボンに尋ねた。


「アーボンさん。タケチさんがグレートリセットのリーダーなんですよね?」


「え? あ、はい。そうみたいですね」


 するとイリューシュとルルは顔を見合わせて頷いた。


「ルルさん。やはり……」


「ええ。やっぱり、あいつら暴れたいだけね。タケチの名前を使って」


 アーボンは2人の言葉に不穏な雰囲気を感じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ