第248章 モンスター食材の研究と、新メニュー誕生
第248章 モンスター食材の研究と、新メニュー誕生
ギルバートから受け取った食材を、すすむは調理学校のキッチンスタジオに並べた。
オーク肉、サハギン肉、アースバード肉、グレイパイソン肉、
スライムゼリー、ダークツリーの実、ウォークバンブーの根、
そして――アースバードの酸、エルドレイクの根と実。
「……これは、かなりの種類だな。」
ミーシャ副校長が目を丸くする。
「すすむさん、エルドレイクの根と実なんて、珍しいですよ。
高級食材として扱われています。」
「そうなんだ。じゃあ、丁寧に扱わないとね。」
少し、それぞれの食材を味見して、素材の特性が理解できたので、
改めて料理を作り、みんなにふるまってみることにした。
◆ まずは既知の食材から
すすむは、まず市場でよく見かける食材から試すことにした。
● オーク肉
茹でて、胡麻ドレッシングをかけてみる。
豚しゃぶのような味わいで、脂の甘みが強い。
次にソテー。
香ばしい香りが立ち、肉汁がじゅわっと溢れる。
角煮、豚丼――
どれも驚くほど美味しい。
「これは……普通にホテルのメニューに使えるな。」
● アースバード肉・グレイパイソン肉
どちらも鶏肉に近いが、アースバードは淡白で、
グレイパイソンは旨味が強い。
空揚げ、香草焼き、ミンチハム――
どれも学生たちが歓声を上げるほどの出来だった。
◆ サハギン肉
「さて……問題はこれだな。」
すすむは、青みがかったサハギン肉を手に取った。
まずは茹でてみる。
魚肉のような味わいだが、弾力が強い。
「刺身は……やめておこう。」
次に、リンゴソースのムニエル。
甘酸っぱいソースがよく合う。
煮つけは、魚よりも味が染みやすく、意外なほど美味しい。
焼きサハギンは、少し硬くなるため、
薄切りにして焼く方が良さそうだ。
「これは、やっぱり調理法次第で化ける食材だな。」
◆ スライムゼリーとダークツリーの実
ミーシャが説明する。
「スライムゼリーは、ゼラチンのように使えるんです。
特定のスライムを乾燥させて粉にするんですよ。」
すすむは少し舐めてみた。
「……ゼラチンだ。」
ダークツリーの実は、塩辛く酸っぱい。
だが、煮込みのタレにすると――
「これ、ポン酢だ。」
すすむは思わず笑った。
◆ ウォークバンブーの根
見た目はタケノコ。
皮を二枚むくだけで中身が出てくる。
「これは便利だな。」
茹でて細かく切り、アースバード肉と一緒に炊き込む。
――アースバード肉入りウォークバンブーご飯。
炊き上がった瞬間、香りが広がった。
「……これは、うまい。」
すすむは、今日作った料理の中で一番気に入った。
◆ ポン酢ジュレとグレイパイソン肉
スライムゼリーとダークツリーの果汁を混ぜ、
ポン酢ジュレを作る。
それを茹でたグレイパイソン肉にかける。
「これは……絶対に売れる。」
ミーシャもダレス校長も、目を輝かせて頷いた。
料理が出来上がったので、キッチンスタジオの隣の試食会へ、料理をすすむは運び、準備をした。
やがて講師や学生たちが集まり、すすむの料理を試食する。
「オーク肉の角煮……これは絶品だ。」
「サハギンのムニエル、意外と合いますね。」
「ウォークバンブーご飯、これは家庭料理としても人気が出そうです。」
「ポン酢ジュレ……新しい味です。」
すすむは、満足そうに頷いた。
「これなら、ホテルの新メニューとして十分使える。」
★★★★★
その日の夕方。
すすむはギルバートをギルドに訪ねた。
「どうだった、すすむ?」
「最高でした。
ギルド産の食材、ホテルで使わせてもらいます。」
ギルバートは豪快に笑った。
「そうか! なら、これからも安定して供給するぞ。
冒険者たちも喜ぶだろう。」
こうして、グレン村の食文化に新たな革命が始まった。
ホテルとギルドの連携。
モンスター食材の活用。
新たな料理の誕生。
すすむは、村の未来がさらに豊かになる予感を抱きながら、
次の一歩を踏み出すのだった。




