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蒼白いオーロラ

閲覧お気に入りありがとうございます。

「妖刀霧氷って呟いたと言う事は、あなたも当然……」



雪蘭の言葉を、遮(さえぎ)るように、もう一人の薄衣を纏(まと)った雪蘭が、

「勿論」と呟きながら右手を天空に突きだした。



妖花もフワリと天空へ、


『チリリ~ン』


鈴の音に合わせて、7色の薄衣が、生き物のように妖しく蠢(うごめ)く。



天空に突きだした、雪蘭の右手に、深緑の幅広刀(妖刀霧氷)が、

徐々に鮮明になりながら全容を現(あらわ)した。



蒼白いオーロラが、まるで龍が乱舞しているかのように、雪蘭の右手の妖刀霧氷に絡みつく。



雪蘭は妖刀霧氷を、クルリと1回転した刹那、トーンと大地を蹴り伸一が消失した場所から数メートル右に、木の葉の軽さで着地した。



身に纏(まと)った青い薄衣にオーロラが踊る。



雪蘭は右手の妖刀霧氷を、大地に突き立てた。



『ズーン』


大地を揺るがす、振動が全員を襲う。



『ウォーン』

『ガタガタ』



大地に突き立てられた、2つの妖刀霧氷が共鳴して、音を出しながら細かく振動した。



青絹の雪蘭が、大地に突き立てた妖刀霧氷の柄に埋め込んである暗緑色のエメラルドを取り出す。



ビリビリと空気が振動するような波動が、エメラルドを取り出したとたんに消失した。



暗緑色のエメラルドは、鈍く光り輝く。



薄衣の雪蘭が、エメラルドを額の中央に持っていった。



エメラルドは磁石に引き寄せられるように、第三の眼の辺りに吸い付いた。



エメラルドが、ズブズブと皮膚の中へ埋没していく。



雪蘭の顔面が大きくモコモコと、変形する。



皮膚の内側に、入り込んだ巨大な芋虫が蠢動(しゅんどう)しているような動きである。



雪蘭は苦悶の表情の中に、どことなく喜悦の感覚が明滅しているようであった。


半開きの口が少し、歪(ゆが)んでいる。



エメラルドを半分飲み込んだ額の中央部分から、ドクドクと蒼い透明な液が溢(あふ)れて、雪蘭の顔面を覆(おお)う。



蒼い透明な液が皮膚に溶け込んで、ゼリー状から角質化しつつあった。



『カシャギャシャ』


角質化した皮膚が、大きく変形しながら目まぐるしく動く



両目にサングラスの様な、羽の突起物が顔からはみ出すように形成された。



顔面全体も光沢のある蒼い仮面に、変貌していた。



仮面の忍者青影参上か……この世界でも、星龍はいないのか?


青絹の雪蘭が、青影に変身したのを見ながら、もう一人の雪蘭が誰とは無しに呟いた。



青影が、大地に突き刺してあった左右の妖刀霧氷に、両手を翳(かざ)した。



二つの妖刀霧氷が、瞬時に反応する。




小刻みに振動しながら、2つが共鳴するように、唸(うな)りをあげた。



2つの妖刀霧氷から、揺らめきながら立ち上がる蒼い気が、まるで龍が乱舞するように、天空を駆け巡る。



青みが相違する、2つの龍が交差した刹那に、大地に突き刺ささっていた2本の妖刀霧氷は消滅した。



天空に突きだした青影の右手に、妖刀霧氷は徐々に、その全容を現す。



青影に変身した雪蘭が、くるりと回転しながら妖刀霧氷を一閃する


唸りを上げて2匹の龍が乱舞する中、青影が両手で、妖刀霧氷を天空に突き出す。



トーンと大地を蹴り、垂直に飛翔しながら回転を加えた。



2匹の龍も青影を包み込むように、回転の渦を加速する。



青影が妖刀霧氷を水平に構えた。








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