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第九回 AIとの付き合い方について

 AIが止まらない! そんな第九回です。


 さて、この書き方講座を始めたときはまだ世に広まりだしたくらいのAIが、日に日に進化を遂げて各分野で利用され始めてきています。


 この流れに小説界隈もご多分に漏れず波に飲まれることでしょう。というか飲まれていますね。


 そこで、現状での私のAIとの付き合い方についてご紹介します。


◇ ◇ ◇


 まず、私はAI自体には割りと肯定的な立場です。便利な道具は使うべきという理屈です。


 もちろん、著作権の問題など乗り越えるべき課題は山積みですし、それが解決しているか、あるいは常識的なレベルでの利用について良しとしています。


 例えば、AIイラストについては私の頭の中でイメージしている小説のキャラ像を文字列で入力して、他人の中でどんなイメージが浮かぶのか試しています。


 『肩までの黒髪』『女性だけど男装している中性的な人物』『目は少し垂れ目』『◯◯歳という年齢よりも少し大人びている』『少し華奢』などなど……


 自分の中でイメージしている人物と似ているイラストが出てきたら成功――という感じです。


 ただし、表には出していません。どこかの誰かの著作権を侵害している可能性があるからです。


 もちろん、AIイラストを表紙にしたりキャラのイラストとして利用されている方はいますし、それを否定はしませんが、個人的に権利が曖昧なものは避けるという利用の仕方です。


 小説について、AIに書いてもらうのは否定的な立場です。当たり前ですね、小説とは人間の情熱でできているのですから。


 ただし、文章そのものについてはビジネス上のメール文や文章の校正などは定型的なものであったり、正解があるものであったりするものもあります。


 こういった本来のAIの使い方であれば積極的に活用して良いと思います。


 AIとはあくまで道具であって、それを主とした作品は血の通ってない作品だと思います。


『AIが書いた作品』として発表するなら別に良いと思いますが、AIが書いたものを我が物顔で出すのは論外です。


◇ ◇ ◇


 では、実際に使ってみようと思います。


 今回はGoogleのGemini(以後、ジェミニ)を使います。


 ジェミニは過去に聞いたことも全部保存されていて、過去に聞いた項目から続きで聞くと前段を踏まえた回答が貰えます。


 私は小説をGoogleドキュメントで書いているので、ジェミニと連動できる部分があって便利なので使っています。


 ちなみに小説をGoogleドキュメントで書いているのは、データがクラウド上にあるためパソコンでもスマホでもどこでも書けるという利点があるからです。仕事の昼休みなんかにも書けますよ。


 あと、文書作成時まで更新の度に保存されているので間違えて消しても復旧できるのも便利ですね。



 さて、私のAIとの付き合い方に話を戻します。私は『空白を埋める』という使い方をしています。


 例えば、今執筆中の作品(本講座投稿時点で十万字程度)からメインキーワードを持ってきました。キーワードは『暗殺』と『彫金』。


 これをジェミニ(地球の本棚)で検索します。


「『暗殺』と『彫金』の共通点を教えてください」 


 と聞いてみます。


 すると、


◇ ◇ ◇


・緻密さと正確さ(繊細で正確な作業)

・道具の専門性(目的のためだけに作られた道具)

・秘密裏の行動や技術(隠れた場所で技術が発揮される)


 という共通点があります。


 また、以下のような相対する点もあります。


・暗殺は人の生命を奪う行為(非合法的な暴力行為)

・彫金は工芸品や芸術品を生み出す行為(合法的な芸術・技術)


◇ ◇ ◇


 要約するとこのような感じのことを提示してくれました。


 この中で「正確さ」「秘密裏」という部分についてはメインテーマとして既に扱っていましたが「道具」という共通点については気づいていませんでした。


 だからといってこれを採用するわけではなく、頭の片隅に置いて何かエピソードとして使える時があれば使っても良いかなーって言う感じの活用方法です。


 またAIの面白いところは、相反するの点といったように聞いていないけど参考になるものも提示してくれるところです。


 こちらは作品を書き始めた時点では全く取り入れていませんでしたが、執筆が進むにつれて自然と「破壊」と「創造」というキーワードが頭から出てきたので、図らずしもAIの一歩先を歩めました。創造は破壊からしか生まれませんからね。


 という感じで、AIに書いてもらうのではなく、AIからヒントを貰って使えるものを使う。そんな使い方をしています。


 旧来の媒体でのイメージとしては、辞書をペラペラ眺めたり、ウィキペディアの記事のリンクを辿ったり、そんなザッピング的なアイデアの出し方といった感じでしょうか。


 また、一番利用している手段は『次の話の誤字脱字をチェックして』と言って一話丸々投げると、一瞬で全部チェックしてくれます。


 私はAI登場以前はボイスロイドに投げて、音読して貰って違和感があったところを修正していましたが、この手の内容はやはりAIの本来あるべき使い方だと思います。


 この作業がなくなるだけでかなりの時間が節約出来るので、これだけでも利用する価値があると思います。


 他にも『◯◯という単語から名前になるアナグラムを考えて』とか『◯◯という考えが既存の哲学的思考にあるか?』など、試行錯誤する手間が大変なものや漠然とした内容から探すのが大変なもののきっかけを調べてもらっています。


 先の哲学的な思考については『△△というものに該当します』と教えてもらったら、それを鵜呑みにするのではなく、それを自分でネットを使って色々と調べて自分の中で理解したうえで作品に取り込む、という感じです。AIも嘘をつきますからね。

 

 何度も言いますが、AIは道具です。


 辞書をペラペラめくって色んな言葉を広く浅く覚えたり、ネットで特定の分野を深掘りしたり、AIで人間が作業する手間を代わりにやってもらったり、どの媒体もそれぞれ使い方が分かれます。


 本に必ず真実が載っているわけではないですし、ネットには嘘が溢れていますし、AIも嘘をつきます。


 どれも道具であって、使うのは人間です。時間は有限なので様々な道具を有効活用するのは悪いことではありません。


 血の通った人間の情熱に溢れた作品が、AIによってより深みが出ると良いかと思います。


 皆さんもAIというだけで拒否反応を起こさず、一度使ってみてはいかがでしょうか?


――2025年11月13日追記――

過度な頻度で作品やエピソードを投稿する行為はお控えください

https://kakuyomu.jp/info/entry/2025/11/13/170248


 カクヨムの公式からAIに関する公式の声明が出されました。


 冒頭で波にのまれていると書きましたが、私の想像以上の量だったようです。


 早いペースで大量に投稿することを元から是として執筆されている方もいるので、その精神自体は否定しませんが、それは自身の力で書いたものの場合です。


 AIの進化の速度に法や規制方法が追いついていない現状です。そうなると使う人間が一人でも自制するしかありません。


 こんな拙い文章ですが、一考していただけると幸いです。


――2026年7月19日追記――


 ダンガン文庫さんが、明確にAIの利用をコンテストで禁止すると規約に記載しました。

https://lp.bookbase.jp/bosyu/xEPKRwYv


 単純に「どうやって見分けるの?」という疑問はあるのですが、私は前述のとおりAIはただの道具であり、それ以上でもそれ以下でもありません。


 書籍やWebで調べた知識とAIが出力した知識、多くの小説や作品を読んで得た語彙力や表現力とAIが出力した文書、その違いは曖昧だと思います。


 先日仕事をしていた時に、エクセルで関数が使いこなせずにAIと会話しながら四苦八苦していたのですが、先輩がサササッとフォームを作って感動しました。


 どこまで行っても所詮AIは道具の域を抜けず、AIがあるから「スゴい文章が書ける」というのは幻想です。


 今回のダンガン文庫さん対応も、超速で投稿される作品群を弾くのと、採用後の面白さの担保のためだとは思います。


 AIだから悪いとは思いませんが、単純な毛嫌いや盲信は避けたいと思った次第です。


――2026年8月4日追記――

AI利用状況に関して

https://syosetu.com/site/ai/


小説家になろうでもAIに関するガイドラインが出されていますね。


かなり細かく規定されているため、AIを使われる方はしっかり確認した方が良さそうですね。

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