第八回 句読点の使い方と長文の回避方法
宣伝も更新もしていないのに、合計PVが千を超えてしまったので感謝感謝の第八回目です。
拙い講座なのにありがたい話です。
さて、学生時代は作品を読むときに作者の気持ちを考えろと言われますが、書くときは読者の気持ちを考えなければなりません。面倒ですね。
読者の気持ちは、具体的に言うと『読みやすさ』です。
どれだけ面白い作品でも、読まれなければ意味がありませんし、読みづらくて途中でリタイアされては勿体ないです。
そこで重要になってくるのが、句点(、)と読点(。)です。
ここからはあくまで個人的な書き方なので、書き方の一つくらいに捉えてください。
個人的な書き方ですが、文章には『リズム』があると思っています。
読みやすい文章はリズムが良く、リズミカルな文章は読後感が良く、読むことが苦になりません。俳句の五・七・五がその典型例だと思います。
具体的には『一呼吸で音読できる長さ』です。
句点は一拍、読点は二拍の休憩があるとして、ご自身の文章を音読してみてください。あるいは、今時だとボイスロイドなどの音読ソフトに読んでもらうのも良いかもしれません。
………
……
…
さて、実際に音読してみてどうでしたでしょうか、リズミカルに詰まることなく読めましたか?
もし息が苦しくなったり、音として長く感じたりした場合は文章を短く区切ったほうがよいでしょう。
具体的に言うと、私の場合は読点(。)一つにつき、句点(、)は三つくらいまでにしています。
これは私のなかで自然にできたマイルールなので、必ずしも合わせる必要はありませんし、私自身守れていないときもあります。あくまで参考程度にしてもらえれば幸いです。
また、会話文については地の文と違って、実際にキャラクターが声に出している言葉です。そのため、キャラクターが実際に呼吸することを意識して書いています。
更に呼吸する箇所があるというのは、長文を避けることにも繋がります。
私の作品で具体例を示します。
◇ ◇ ◇
https://ncode.syosetu.com/n6943id/39/
金色の旅路 第三十八話「ステラ=ヴェローチェ」
「僕らヴェローチェの人間は宝石商と暗殺を生業としているんだ。弟は暗殺や手先は不器用だけど僕よりも政治が上手くてね、アレはいい店主になるよ。妹の方は手先が器用で暗殺の技術も僕よりも遥かに上だ。頭が少し悪くて猪突猛進だが、素直で良い娘だ」
◇ ◇ ◇
この会話文は私の小説でも長めのものを拾ってきました。説明などでどうしてもこれ以上長くなることもありますが、なるべく短くするよう心がけています。
ここで話されている内容は読点で四つに分かれています。
・ヴェローチェ(組織名)に関する説明
・弟に関する短所と長所の説明
・妹に関する長所の説明
・妹に関する短所の説明
この四つを一つの会話文で説明しています。これ以上の情報を詰め込むと、一つの文章が長くなって読みづらい文章になってしまいます。
特に説明的な内容だと頭に入りづらく、読者が理解するまでに読み返す必要が出てしまう場合もあります。私は大体一つの会話文で読点(。)は三つ程度にするよう心がけています。
では、これをどうやって短くするのか、試してみましょう。
◇ ◇ ◇
「僕らヴェローチェの人間は宝石商と暗殺を生業としているんだ」
彼は列車の車窓から遠くの景色を眺め、思い出すように語り始めた。
「弟は暗殺や手先は不器用だけど僕よりも政治が上手くてね、アレはいい店主になるよ」
どうして興味のない男に付いて列車に乗ってしまったのか。おまけに聞いてもいないのに兄弟の話まで始めてしまう始末、厭になった彼女もまた車窓から遠くの景色を眺め始めた。
「妹の方は手先が器用で暗殺の技術も僕よりも遥かに上だ。頭が少し悪くて猪突猛進だが、素直で良い娘だ」
その溺愛っぷりに呆れて目線をチラリと彼の方へ移すと、いつの間にかこちらを向いて微笑んでいた。それはまるで憑き物が落ちたような爽やかな笑みだった。
◇ ◇ ◇
――っと、こんな感じで会話内容は全く同じでも区切ることで長文が短くなりました。
欠点としては、会話が途切れてしまっている感じがするので、続けて書いたほうが良い場合もあります。今回についてはこれに該当したため、あえて四つの話題を一つの文章でまとめています。
他によくあるケースとして『句点(、)を多用してしまう』というものがあります。
例えば、先程の会話文が句点(、)だらけだったらどうなるのか見てみましょう。
◇ ◇ ◇
「僕らヴェローチェの人間は宝石商と暗殺を生業としているんだけど、弟は暗殺や手先は不器用だけど僕よりも政治が上手くてね、アレはいい店主になるよ。妹の方は手先が器用で暗殺の技術も僕よりも遥かに上ではあるが、頭が少し悪くて猪突猛進で、それでも素直で良い娘だ」
◇ ◇ ◇
わっかりづらいですね。書いてても何がなんだかわからなくなりました。
とはいえ、私も初稿はこんな感じです。ここから推敲して文章を読点(。)で区切るように修正していきます。
修正するときには『句点(、)をいっそ読点(。)にして文章を区切る』くらいバッサリと切ってみて、違和感があったら修正するくらい大胆でも良いと思います。
「僕らヴェローチェの人間は宝石商と暗殺を生業としているんだけど、~」
を
「僕らヴェローチェの人間は宝石商と暗殺を生業としているんだ」
こんな感じです。
どうしても最初は句点(、)を使いがちですが、区切ることを意識して書いていけばいずれは慣れてくるかと思います。
ただ、読点(。)で区切りすぎると今度は箇条書きみたいになってしまうので、加減は必要です。難しいですね。
というわけで、思いついて書いたので修正するかもしれませんが、第八回でした。




