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セカンドハーフキックオフ
終わったはずだった。
この胸を圧迫するような息苦しい感じ。肉と肉だけではなく、骨と骨がぶつかり、軋むような感覚も。そしていつまでも届かない、手と足を伸ばしてもたどり着くことができなかった、青い空の下にそびえる白いゴール。多くの人の怒号や絶叫、歓声も、何もかも、置いてきたはずだった――。
――でも。
「……え」
それが自分の足に、転がってきた瞬間。一瞬だけ、時が止まったような気がした。
その瞬間に、五感すべてで感じる、あの感覚。視界も、聴覚も、嗅覚も、感覚ですら、研ぎ澄まされる。次に自分がどこで何をするのか、そしてその姿を見る、周りのプレーヤーの目線。この場にいるほぼ全員が、次の自分の一挙手一投足を、見るのだ。
忘れていた。
試合にはまだ、後半戦がある。




