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ダーク・プリンセス  作者: ノリック
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「始まり、そして旅立ち」1 ミシェルのデート9


 ニッシュと私がウィングエッジの商店街に着いて、私はお気に入りのピンク色の腕時計で時間を見たら午後一時になっていた。デートが半分終わっちゃったと思ったけれど、でもこれからニッシュとまだ一緒にいられるわね、とデートの真っ最中を楽しむことにして、ニッシュに語り掛ける。


「ニッシュ、ウィングエッジの商店街に着いたわね。まずはどこから見ていく?」


「うん。ウィングエッジの商店街の玄関口といったら、サーディントン靴店だから、まずはそこから見ていこうか」


「そうね、そうしましょう」


「じゃあ、行こうか」


 サーディントン靴店は、創業百五十年以上になる老舗靴店で、ウィングエッジの商店街でも老舗の名店として存在している。他にもウィングエッジの商店街には創業百年以上になる老舗の店舗が何店何十店と在って、どれもその分野の名店としてやっている。店舗の経営からサービスまでどの店も一流で通っているんだけど、近年まで新しい店舗の進出が難しい状況だった。しかし、ウィングエッジの商店街の経営刷新と若返りのため、最近では新規店舗の進出もウィングエッジの商店街の組合公認で推進しているのである。


 私はニッシュと共にサーディントン靴店まで歩いて、窓越しにショールームを見て回る。男性用の革靴や女性用の高いヒールの靴なども置かれていて、さすがにカートンショップの値段より高く五千ガルや一万ガル、二万ガル以上の商品も目立つ。その中に数千ガル程度のスニーカーなども置かれていて、サーディントン靴店は靴の展示会場並みに商品が充実していた。


 ニッシュが「中に入ってみようか」というので私も「そうしましょう」と答える。私達はサーディントン靴店の中に入った。


 「すみません、ウィンドウショッピングでもいいですか?」とニッシュが店主に尋ねて、店主のおじさんは快く受け入れてくれた。真夏の暑い時分でも、店内は涼しく、店舗に置いてある靴にとってもいい環境のようだ。私は、ニッシュとゆっくりと店内を見て回った。


 それから、サーディントン靴店を一通り見て回って、店主のおじさんに挨拶した後、私達は店を出てウィングエッジの商店街を練り歩いて見て回った。ウィングエッジの商店街は、創業八十年以上になるワトソン帽子店、創業百年以上になる老舗メンフォン菓子店など、老舗と言われる店舗がたくさんある。新しい店舗もいくつかあって、私達はそれらのお店を主にウィンドウショッピングして回った。


 ニッシュとこんな風にデート出来ることが私には新鮮で、今まで生きてきた中で余ったほとんどの時間をレイピア術に費やしてきた私にとって、ニッシュと共にいることが、ドキドキして、ときめいて、とても心躍る時間だった。もちろんレイピア術は好きだけれど、誰かに好きと言われて共に時間を過ごすことが、こんなにも嬉しくて楽しくて素晴らしい事だとはこの時初めて経験として実感した。


(ニッシュ、こんな私をデートに誘ってくれて、ありがとう)


 ウィンドウショッピングをしている中、私は、心の中でそっとニッシュにそう感謝を告げた。


 ニッシュとウィングエッジの商店街巡りをしていたら、もう午後三時になっていた。ニッシュが私に話しかけてきた。


「ミシェル、午後三時を回ったから、ウィンドウショッピングを終えて、カフェにでも行かないかい?この辺だと、カフェ『ミルキーウェイ』なんかに行かないかい?」


 ニッシュの申し出に私も応える。


「そうね、おやつの時間だし、カフェに行きましょう!『ミルキーウェイ』なら安くて美味しい


コーヒーや紅茶、ケーキもあるものね」


「じゃあ、行こうか!」


 私達は、カフェ『ミルキーウェイ』に向かい、店の中に入った。


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