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ダーク・プリンセス  作者: ノリック
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「始まり、そして旅立ち」1 ミシェルのデート2


「―――そうだな!――――ミシェル、カートンショップ巡りをしよう!」


 ニッシュも気を取り直し、私達は今からカートンショップ巡りをする約束を交わした。


―――カートンショップは、便利で独特な、私たちの国に昔からある露店屋台。他の国の露店屋台と違う特徴といえば、折り紙の工作のように組み立てられること。そしてカートンショップには、手軽に食べられるファーストフードや本格的な民族料理などの飲食店の他にも、射的や衣料品店、薬剤師さんがやっているカートンショップでは医薬品など、実に様々な様式の店舗がある。


私たちの国は昔から森林が豊かで、その資源を有効に使おうと木々が建築によく使われ、商店などの店舗にも木材が利用された。そして、セントシュタイン山脈からなるサントモス山がある森林豊かで風光明媚な私達の国は、物資の配送や人々の移動のために、折り畳めて使いやすく、豊かな資源である木材を使った便利な移動式露店屋台が求められていった。


そして今ではカートンショップは、私達の国カーウェンで最もポピュラーな露天屋台として広がり、使われているのである。


「―――ニッシュ、その前に、“トレビの噴水”で、なにかお願い事をしていかない?今日の私たちの「デートの成功祈願」でもいいのだけれど!」


「ミシェル――――はは、そうだな!“トレビの噴水”に願い事をしていこう!」


 私達は、サントバーグの公園内にある“トレビの噴水”に行って、祈りを捧げた。私もずいぶん長く今日のデートの事とかを祈ったのだけれど、ニッシュは私よりも長く“トレビの噴水”に祈りを捧げていた。


「ねぇニッシュ、そんなに長く何をお祈りしていたの?」


「……ふぅ――お祈り終了!……、――ミシェル、それは今は秘密。デートの終わりに教えるよ……さぁミシェル、カートンショップ巡りをしよう!」


 ニッシュはそう答え、私の手を引いてカートンショップ巡りを始めた……ニッシュとこんなに手と手が触れ合う距離でいることに、私の頬はきっと赤くなっていただろう……私とニッシュはまず、射的や水ヨーヨー取りをやっている遊戯系のカートンショップ巡りを始めた。射的屋さんではまずはニッシュが挑戦した。


「ミシェル、お目当ての景品はある?」


「お目当ての景品……あっ、あそこにあるぬいぐるみの、」


 私はクマのぬいぐるみを指差すと、ニッシュは「よ~し!」と狙いを定めた。おもちゃの銃の銃口が、クマのぬいぐるみに向けられる。


ばんっ!


おもちゃの銃の銃声と共に、弾丸が発射された。弾丸の軌道はクマのぬいぐるみからちょっとそれて、隣のカエルのマスコットに当たりカエルのマスコットは後ろに倒れて落ちていった。


「めいちゅう~!!ケロケロケロリ!」


射的屋さんはそう大声で言うと、景品のカエルのマスコットを手渡してくれた。


「はいよ、カエルのマスコット」


「ごめんよ、ミシェル。クマのぬいぐるみを狙ったんだけれど……」


 ニッシュが申し訳なさそうにしていて、私はふふっと笑ってしまった。


「ニッシュ、そんなこと気に病まなくていいわ。カエルのマスコット取ってくれてありがとう。かわいいじゃない!……よ~し、今度は私が……」


 ニッシュに「あのペンギンのマスコットなんていいんじゃない」と私が言うと、ニッシュも「じゃあそれで」と返したので、私はおもちゃの銃の銃口をペンギンのマスコットに向ける。そして、


 ばんっ!


 弾丸が発射された。私の打った弾丸は、真っ直ぐペンギンのマスコットに向かって飛んでいった。弾丸はそのままペンギンのマスコットに当たると、ペンギンのマスコットは後ろに倒れて落ちていった。


「当たり~!!ペンペンペン!」


 射的屋さんは大声でそう言うと「また当たりだね。はいよ、ペンギンのマスコット」とペンギンのマスコットを手渡してくれた。


「凄いじゃないかミシェル!!狙ったのを手に入れるなんて!」


ニッシュが称賛してくれるので、私は、


「何言ってるのニッシュ、あなただってカエルのマスコットを手に入れてくれたじゃないの。私が狙ったのを手に入れたのもたまたまよ、あなただって凄いわ」


 ちょっと謙遜してみせた。ニッシュは「そうかぁ~」となんだか納得していた。でも、私はデートの最初から幸先が良くてなんだか楽しくなってきた。


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