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20. 再会

更新が少し遅れました。申し訳ありません

 息をひそめて、ゆっくりと人間たちと戦った広場へと進む。


 俺の目的はこのダンジョンからの脱出だ。だから、道を知っているであろう人間たちの後をつけるのが最適だ。気付かれてはいけない。隠密行動が必須事項だ。


 やがて、覚えのある腐臭が漂ってきた。同時に、肉が焼けたような臭いも。


 だが……息づかいや金属音が聞こえないってことは、人間たちは撤収を終えたってことだな。


 俺は息をひそめつつも広場へと顔をのぞかせる。案の定そこに動く影は存在せず、遺体を焼いたような跡があちこちに残っていた。


 どうやら最低限の埋葬を済ませたうえで撤収したらしいな。



 広場には、複数の道が伸びている。俺が進んできたのもその一つだ。


 そして、そのうちの一つから人間のにおいが強く漂ってくる。そこは、ちょうど俺を襲った人間たちが現れた所と同じだった。


 あの一行が、埋葬を済ませて、ダンジョン探索に乗り出すとは思えない。出口への直通ルートを使うはずだ。


 この先が、このダンジョンの出口につながってるとみて間違いないだろう。


 俺はその道へと足を進めた。


 臭いの残り具合から判断すると、人間たちは結構前に出発したようだな。とはいえ、完全に臭いが消えてしまうほど前ではないけれど。


 さて、ダンジョンの出口までどれだけかかるんだろうか……?




 しばらく臭いをもとに人間たちの後をつけていた。だいぶ臭いが強くなったので、距離も詰まっているようだ。


 近づきすぎて気付かれないようにしないとな。


 そう思った時、地面が大きく揺れた。


 なんだ、と戸惑ったのも一瞬のこと。すぐに、俺はこの地面の揺れに遭遇したことがあることを思い出した。



「グルガアアァァッ!」


 遠くから聞こえてくる遠吠えも、俺の推測を肯定する。


 間違いない。


 Cランクモンスター、グランドベアだ。



 どうする?


 このまま進めば、再びあいつと出会いかねない。足を止めるっていう選択肢も有りだ。人間のにおいは、数日たったところで完全に消えるわけじゃない。


 このまま回れ右して、グランドベアが立ち去ってから、人間たちの後を追うか?


 わざわざ危険な目に合う必要は無いしなぁ……



 ここまで考えたところで、俺は気付いた。


 漂ってくるにおいに、血のにおいが混じっている。


 死体を埋葬したから……なんて量ではない。明らかに、現時点で大量の血が流れている臭いだ。





 そこに思い至った瞬間、俺は〖浮沈術〗を用いて全力で駆け出していた。


 人間たちの前に姿を見せてもいいのか……など、考えてもいなかった。


 間に合え、間に合え、ただそれだけを考えていた。



「グルガアアァァ!」


 間に合った!


 見覚えのあるいびつな身体つきをした巨大な熊、グランドベアが血だらけの人間たちの前に立っている。


 俺は人間たちの前に立つグランドベアに急接近すると、その左目を短剣で切り裂き一気に離脱する。


「グルガァッ!?」


 いくら体が硬かろうと、眼まで守るのは無理だよなぁ!




‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

種族:グランドベア(C)

状態:飢餓、流血

Lv:16/55

HP:174/193

MP:36/66

攻撃:147

防御:136

魔力:64

敏捷:73


特性スキル:

〖土属性:L--〗〖気配感知:Lv1〗


耐性スキル:

〖飢餓耐性:Lv6〗〖毒耐性:Lv1〗〖物理耐性:Lv3〗


通常スキル:

〖噛みつく:Lv3〗〖大爪撃:Lv4〗〖自己再生:Lv4〗

〖触手鞭:Lv3〗〖衝咆哮:Lv2〗


称号スキル:

〖一帯の覇者:Lv1〗

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



 はははっ!


 相変わらずふざけたステータスだ。


 攻撃は俺の3倍、HPは2倍。俺が特化強化している敏捷で何とか上回っている程度だ。


 〖浮沈術〗を使えばだいたい敏捷は倍増するが、その分攻撃が半減する。眼球みたいな急所を狙わないと、グランドベアのHPはたったの1だって減らないだろう。


 だが、俺の最大火力である〖流れ星〗は通用する。


 こいつの耐久性能であっても、〖流れ星〗を喰らえば大ダメージは免れない。


 さすがに一撃……は無理だろうが、間髪入れずに二発叩き込めれば、仕留められるはずだ。


「グルガアアァァ!」


 グランドベアが大きく腕を振るう。


 だが、ポイズンフロッグ戦のおかげで大きくレベルアップした俺の敏捷は今や102。


 これだけ差があれば、注意していれば回避できる。


 しかし、余裕をもって回避したはずなのに、その腕の風圧によって危うく姿勢を崩すところだった。


 〖浮沈術〗で敏捷を激上させても、体重が軽くなると風圧によって姿勢が乱れるな……。


 やっぱりこいつ相手には長期戦は危険だ。速攻で決めさせてもらう!


 俺は〖浮沈術〗によってグランドベアの知覚速度を振り切り、天井に跳びついた。


 一瞬のためをも作らず、〖流れ星〗へと移行する。


ーードゴォッ!


 轟音とともに俺の体がグランドベアへと直撃した。


「グルガアアァァ!」


 さすがグランドベア。今まで絶殺だった〖鋼化〗と〖浮沈術〗を合わせた〖流れ星〗を喰らってなお、咆える体力が残っているとは。




‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

種族:グランドベア(C)

状態:飢餓、流血(大)

Lv:16/55

HP:53/193

MP:36/66

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐




 とはいえ、一撃で100以上のHPを奪っている。


「グルガァァ!」


 グランドベアの傷口が煙を上げながら癒えていく。〖自己再生〗のスキルだろう。


 だが、回復する時間は与えない。


 俺は再度〖浮沈術〗を行使し、グランドベアにとどめを刺した。


「グ、グゥゥ」


 その巨体があっけなく動かなくなる。


[経験値を577獲得しました。]

[〖アセナ〗のLvが18から22へと上がりました。]

[特性スキル〖浮沈術〗のLvが3から4へと上がりました。]

[通常スキル〖流れ星〗のLvが2から3へと上がりました。]


 進化前にあれほど追いかけられた異形の熊の最後だった。

お読みいただきありがとうございます! よければブックマーク、評価をお願いします!


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次は8月22日の12時ごろに投稿する予定です。

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