18. 沼に住まう毒の蛙
経験値計算が間違っていたので、修正しました。もうちょっとサクサクレベル上がります(8/4)。
人間の集団から逃走した俺は、ソルジャーゾンビとの死闘を繰り広げたあの場所まで戻ってきたところで足を止めた。
〖浮沈術〗を解除し、岩陰に潜んで息を整える。
はぁ~
正直、どこかで人に受け入れられたいと思っていた。
人にあって、上手くやれば人に迎えられるんじゃないかと……。
だが、初っ端から失敗してしまった。
戻ってこない戦士隊の調査に来ると、死体のそばでウロウロしているモンスター。仇だとみなされても仕方ないとはいえなぁ……
流石に、無数の人からの、あの敵意は心にくる……
うし! 切り替えよう!
あの人たちに受け入れられるのは失敗したが、次善の手がある。
あの集団がこのダンジョンから帰還する際、臭いをたどって後ろをつけてみよう。
鉢合わせるわけにはいかないから、数日時間をおいてからだな。
ダンジョンの外には俺を受け入れてくれる人たちがいるかもしれない。
となると、あの戦士隊が撤収するまでは、あそこに近づかないほうがいいな。しばらくは周辺でモンスターを狩っておこう。
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種族:アセナ(D)
状態:通常
Lv:11/30
HP:49/62
MP:48/60
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特にHP、MPは減ってないな。俺のスキルはMP消費がほとんどない。相手の攻撃だって〖鋼化〗越しでしか喰らってないから大してHPも減ってない。
俺は岩陰から出ると、道中発見した脇道に進み、モンスターを探す。
しばらくすると、どこか湿っぽい、泥のような臭いが漂ってきた。
これは、何かいるな。それも、複数の気配がある。
少し迷った末に、俺は臭いのする方へと進んだ。
そこは、先ほど戦士隊と交戦したところよりやや広い、大きな空間だった。
辺りは一面沼のようになっており、その中央に巨大な岩があるのみだった。
俺が詳しく様子を伺おうと沼に近づいた時、
「ゲコッ!」
灰色のカエルが沼から跳びかかってきた。俺はとっさに短剣を抜いてカエルの脳天を突き刺す。飛び散ったカエルの体液が俺の右腕に降りかかる。
[経験値を88獲得しました]
[〖アセナ〗のLvが11から12へと上がりました]
び、びっくりした……
こいつ初めて見るが、どんなモンスターだ?
[〖ポイズンフロッグ〗:E+ランクモンスター]
[全身が毒を含んだ粘液で包まれているカエルのモンスター]
[前足の爪には強力な麻痺毒が含まれている]
[巣の奥深くに誘い込んだうえで、麻痺と毒によって仕留める]
げっ!? 麻痺と毒!?
言われてみればさっきカエルの体液が着いた右腕、ちょっと痒くなってきたぞ?
沼にはまだまだ蠢く気配がある。まだポイズンフロッグが多数いるに違いない。
こ、こんな奴らと戦ってられるか! 俺は逃げるぞ!
そう思って踵を返したとき、元の道には
「ゲコゲコッ!」
「ゲェコッ!」
「ゲコッ!」
五、六体ほどのポイズンフロッグが回り込んでいた。
こ、こいつらいつの間にっ!?
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種族:ポイズンフロッグ(E+)
状態:通常
Lv:11/15
HP:40/42
MP:36/37
攻撃:26
防御:31
魔力:41
敏捷:36
特性スキル:
〖毒帯:Lv4〗
耐性スキル:
〖毒無効:Lv--〗〖麻痺無効:Lv--〗〖物理耐性:Lv1〗
通常スキル:
〖痺れ爪:Lv3〗〖舌撃:Lv2〗〖ポイズン:Lv2〗
称号スキル:
〖沼の住人:Lv--〗〖毒の使い手:Lv3〗
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ステータスは高くない。ランク差を考えれば妥当なところだ。
問題なのはこれが前後合わせて十体以上いるってこと。しかも、全て毒持ち。
う、うむ……素早さが倍以上あるから、圧倒はできると思うが、いかんせん数がなぁ。
「ゲコッ!」
「ゲコッ!」
うじうじと迷っている間にポイズンフロッグが押し寄せてきた。
仕方ないな。
俺は短剣を構える。そして、入り口側のカエル共に向けて駆けだした。
ぎりぎりまで引き付けた後、〖浮沈術〗を用いてその右端の個体に急接近する。
集団を相手にする前提、一対一に持ち込んだ。
スキルを用いた変則的な動きに対処できず、カエルの動きが致命的に遅れる。
オラァ!
[経験値を48獲得しました]
[〖アセナ〗のLvが12から13へと上がりました]
右端のカエルの首を断ち切ると、そのまま左隣のカエルへと刃を走らせた。
[経験値を56獲得しました]
これで二体。だが、カエルの粘液が降りかかった場所が、痒みが痛みへと変じてきた。
カエルの体当たりは捌けても、斬ったはずみで飛び散る毒の粘液まで回避しきるのはさすがに無理だ。
[耐性スキル〖毒耐性〗のLvが1から2へと上がりました]
俺の危機感を表すように耐性スキルのレベルが上がった。スキルレベルの上昇は嬉しいはずなのに、こんな状況だからちっともうれしくない。
それだけ俺が毒に追い詰められてるってことだからだ。
とにかく、入り口を塞いでいるポイズンフロッグどもを蹴散らさないと話にならん。
〖浮沈術〗を解除して攻撃の重さを戻し、ポイズンフロッグの列に突っ込む。
「ガァァッ!」
縦横無尽に短剣を振るい、ポイズンフロッグを斬りつけていく。ただ、数を裁くことを重視しているため、仕留めきるには至らない。
「ゲコッ!」
「ゲコゲコッ!」
そうこうしている間に、沼側にいたポイズンフロッグ達が迫ってきた。
同族を倒されて憤慨しているのか、心なしかドタドタと大きな足音を立てているようにも思える。
……よし、十分に引き付けられたな。
俺は〖浮沈術〗を発動させたうえで跳び上がり、天井をつかんで張り付いた。




