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ブラック企業にすり減らされた社畜が主人公になれるアプリを手にしたらどうなるか→  作者: ぱちぱち


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第68話 暴力&暴力&ちょっぴりの善行

「共産革命連合の屑杉です。自衛団(ヴィジランテ)を名乗る集団による暴行事件は日に日に拡大の一途を辿っています! 国を追われ、ようやく日本で助ける事が出来た哀れな亡命者たちが毎日、毎日、暴力に怯えているのです!  国家公安委員長には警察に働きかけ、直ちにこの暴力集団を取り締まるよう我が党は強く求めます!」


「屑杉議員のお言葉はごもっともですが、当該事件につきましては警察庁よりこの自衛団(ヴィジランテ)を名乗る集団が襲撃した現場に多数の武器・弾薬及び犯罪事案に関わる証拠品等が多数あり、それらの取り扱いが含まれるため単純な暴行事件としての処理が出来ず慎重な捜査を行っていると報告が入っております」


「慎重な捜査を行っている、ではなく! どう対処するかが問題ではありませんか! この日本という国を頼ってやってきた彼らが今も襲撃に怯えているんですよ!? それを守らずして何のための警察だというのですか!」


「知らねぇよ! アンタらん所が音頭とってバカみたいに誰でもかんでも受け入れたせいで日本に住んでる国民が迷惑してんだよ! 責任取ってアンタらがあの犯罪者どもを守ってやりゃ良いだろ!」


「首になったそっちのお偉いさんも金貰って喜んでハンコ押してただろうが! 今になって「自分らは関係ありませーん」じゃねーんだよ!」



 国会の場で起きたルール無用の残虐ファイトは国家公安委員長が野党議員に毒霧をぶっかけた所で警備員がなだれ込み、一旦お開きとなったようだ。数か月前、国会議員の半数が汚職やら逮捕やらで失職して総選挙をして以来、国会中継はこのように非常にエンタメ性の強い内容で送られている。



「やっぱり国家公安委員長の勝ちだって。もう屑杉ヘロヘロじゃん」


「いやぁ。今のは流石にレフェリー(議長)が止めるっしょ。仕切りなおして再戦じゃない? リーダーはどう思います?」



 そんな会話をするのはたった今国会で自衛団(ヴィジランテ)を名乗る集団と名指しで呼ばれていた若者たち。彼らは今日のバイトくんである。リーダーというのは日華につけられたあだ名、というか役職名だな。日華自体は自衛団(ヴィジランテ)を名乗ったりはしていないが、彼らにとって日華は象徴的な存在であり、警察が対応できないような捕まってないだけの半グレや不法移民を拳で黙らせる暴の化身のためいつの間にかリーダーと呼ばれるようになっていた。


 憧れと崇拝が入り混じった彼らの言葉に苦笑しながら、少し考えてそう応える。



『警備員が突入する前に決着がつかなかったからね。どっちも負けだよ』


「なるほど! 仕留めなきゃ駄目か」


「あー。盲点だったわ」



 ポンっと手を打った少年たちを横目に、建物のドアを握りつぶす。もっとも単純で確実な鍵開けだ。開かれたドアからの異臭に眉をしかめながら、少年たちに二歩後ろを歩くように伝えてドアの中へと進んでいく。



『ふむ……警察の前に救急車だな』


「……うわ」


「カメラ、止めます!」



 中の惨状を見て少年たちがそう声を上げる。その声に頷く事で返事をしてその部屋の中に入り、“拘束された女性たち”の拘束具に手を伸ばす。ただの鉄くらいなら、日華の握力ならねじ切る事が出来る。



『助けに来たよ。大丈夫だ。もう、大丈夫』


「う……ううっ……!」



 拘束具をねじ切った後、一人一人をそう言って抱きしめる。救急車が来るまで傍に居る事は出来ないが、同性として少しでも彼女たちに寄り添わないといけないからだ。


 少年たちが自主的に上着を差し出してくれたため、彼らの上着を被害者たちに被せて少年たちを解散させ、救急車が近づいてきた段階でこの場を離れる。日暮にはこのタイミングで連絡だ。今日も今日とて「日華ぁ!?」と叫んでくれた。場所と状況を軽く伝えて女性の警官を寄越すように言うと日暮は怒りながら請け負ってくれた。やったね。持つべきものは付き合いの良い警察官の知り合いだぜ。


 あ、少年たちに上着分も上乗せしてバイト代払わないといけないね。金払いが悪いのは縁の切れ目ともいうし。スポンサー(かすが)に伝えとこう。





 そんなこんなで暴力&暴力&ちょっぴりの善行という日々を送っていると、次第に周囲の反応が変わってきたのが分かる。まず、自衛団(ヴィジランテ)を名乗る若者の数が増え始めたのだ。その中には一度もバイトくんに呼んだ事が無い、つまり日華と接した事のない子たちも居る。というよりは、すでに比率で言えばそちらの方が多いだろう。


 といっても彼らは別に俺と日華のように不法行為を行っているわけではない。ただ、街中で悪さをしている不法外人や半グレを見かけるとすぐさまSNSに情報を共有し、調べ上げ、そしてそれを警察に通報したりサルやウマといったSNSで活動するケイオスの子たちに届くように拡散するのだ。


 結果として半年前は月に千件以上あった外国人犯罪が一気に半減近くまで減ったそうな。まぁ、これは連中が襲撃を警戒して動きが鈍くなっているというのもある。


 とはいえそれでもやっぱり動く連中は居るため、今日も今日とて犯罪者を撲滅だぁと意気揚々と中華街の廃ビルを根城にしていると通報があった半グレのチームに襲撃をかけるため現地に赴くと、建物に入った瞬間全方位から銃を突きつけられる。


 ああ、これもか。最近増えたんだよね、罠。日華の全身を舐めまわすように眺め、「うわ……デカっ」と思わず口にした半グレたちの姿に閉口しながら、小さくため息を吐く。日華は兎も角、サルくんたちが罠にハメられたら危ないからね。その辺どうにか出来ないかスポンサー(かすが)に相談しないと。


 ま、その前にこの場の全員を銃刀法違反って事で叩きのめしておこう。矢や鉄砲でどうにかなるなら達人なんて名乗れないんだよね。



山里一也(男)26歳



視聴履歴

『ドキドキ! 魔女っ子大戦争』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『不死鳥の魔女』(運営に怒られたので値上げしました。料金10円)

『煉獄列島』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『閻魔の地上代行人』(料金1000円)

『電脳歌姫ろっくんろー!』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『鬼畜クマネージャー』(料金30000円)

『九十九あきらは終末世界を諦めない』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『天災科学者』(料金:ひなちゃん家のご飯)

『安楽椅子の占い師』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『未来を知る者』(料金:1億円or生徒とのランチ権1回分)

『ドッペルゲンガー』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『もう一人の俺』(料金:週休2日三食昼寝付き週6万)

『世界最強の傭兵隊長だった俺が女子高生になった件について』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『生真面目系殺伐女子高生』(料金:組織)

『魂羽織』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『至高の人形師』(料金:人形作成・開発費)

『拳創成期』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『無双女帝』(料金:気持ちよく昼寝できる環境)


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