第3話〈能力解放〉
「じゃ、しゅぱーつ!」
「あー、まずどこ行く?」
「…………決めてない」
「おい」
「じゃ、能力都市に行って魔力を解放して俺の師匠んとこ行け。その人がお前らをそこそこ強くしてくれる」
「師匠なんていたのか………」
「そこそこ………?」
星奈のツッコミに目をそらす親父。
「しっかり。強くしてくれる」
大丈夫か?これ。まあ親父の師匠ってことは実力はあるか。
「ほい。これを使え」
親父は懐から緑色の石を取り出し、俺に投げ渡した。
「これは………?」
「ウェイストーンっていう魔道具だ。魔力を注げばどこでもひとっ飛びっていう便利な代物だぜ」
「あ、あの翼さん、これヒビ入ってるけど大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫、10年前は動いてたし」
「………ごめん、星奈。詰んだ」
「大丈夫知ってる」
「あーでもだめだわ、そういやお前ら魔力まだなかった」
「「一番大事なこと忘れんな!」」
俺と星奈でハモる。
「ま、能力都市まではついてってやるから」
「マジで不安だ………」
「ま、渚は慣れてるでしょ」
「慣れたくは無かったけどな」
「じゃ、行くぞ?」
ウェイストーンが光り、地面の感覚が消える。
ピシピシ、パキン
「っぱ割れたな」
たははっと笑い、服の塵を払いながら親父が立ち上がる。
「っぱ割れたじゃねぇよ!ったく、帰りどうするんだ………」
「ま、来れたんだしいいじゃん」
能力都市─────能力の研究と能力の解放をする場所。
人は魔力を持っているが、最初から使えるわけではない。
魔力は危険だ。無闇矢鱈に使うと最悪死に至る。
そこで、人類は魔力を封じ込めるように進化し、ある一定の条件を満たさない限り行使出来ないようになった。
そこで、それを解放するのがこの能力都市だ。
ま、安全かどうかと聞かれればはっきりと首を縦に振れないのがこの〈能力解放〉なのだが、その分あたりの能力だったときのアドバンテージが多いし、親父に比べれば百倍頼れる。
「俺の能力はなにかな」
俺は鼻歌交じりに、都市に足を踏み入れた。




