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ナキリムシ  作者: ゆうちぇる


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第二十五話 【あとがき&設定資料集】

ご愛読、本当にありがとうございました!

本作『ナキリムシ』は全24話をもって完結となります。


地球の闇から月面の記憶銀行へ、アキとペロ、そしてカムジたちが駆け抜けた少年たちの旅路を楽しんでいただけましたら幸いです。


◆ 作者あとがき:なぜこの物語を書こうと思ったのか


 この『ナキリムシ』という物語を書き始めたきっかけは、「もし、自分たちの『悲しみ』や『絶望』という感情が、誰かにとってのエネルギー(生きる糧)だったらどうなるだろう?」という一つの疑問からでした。

 効率や価値ばかりが求められる現代において、時に自分の存在がまるで「価値のないもの(残価ゼロ)」のように感じられてしまう瞬間は、誰にでもあるのではないでしょうか。

 けれど、そうした「悲しい」「苦しい」という感情は、決して無駄なゴミ(ノイズ)などではありません。

 悲しみを知っているからこそ誰かに優しくなれるし、絶望を抱えたからこそ希望の光がどれほど温かいかを知ることができます。

「自分は無価値だ」と打ちひしがれている子供たちが、たとえ世界から捨てられたとしても、泥に塗れながら奪われた心を取り戻しにいく――。

そんな王道で、泥臭く、圧倒的に熱いSFエンターテインメントを描きたいと思い、この物語を執筆しました。

 主人公アキの隣にいた怪物・ポン・ペロペは、アキの絶望を食べ続ける悲しき存在でしたが、その正体は「大好きな友達に笑っていてほしい」と願う純粋な少年の心そのものです。

 誰かが自分のために泣いてくれたり、悲しみを分かち合おうとしてくれたりすること。それが人間にとって一番の救いになるのだという想いを、アキとペロの絆に込めました。


◆ 公式設定資料集

【世界観・重要用語】


統治機構(システム)

地球と月を完全管理する巨大社会システム。人間の感情や思い出を「ノイズ(不要物)」とみなし、効率的な社会維持のために人間の感情を制御・減価償却している。


12歳・減価償却(残価ゼロ)

子供たちが12歳を迎える際に行われる適性診断。社会にとって「価値がない」と判定(残価ゼロ)された子供は、名前や記憶、感情を奪われ、システムを動かすエネルギー源や労働体として処理される。


ナキリムシ(廃棄体)

記憶と感情を剥ぎ取られた子供たちが変貌した異形の姿。泥のような不純物で構成され、他人の悲しみや「死にたい」という絶望ノイズを食べて生きる。


月面記憶銀行

月の巨大ドーム内に存在する極秘施設。地球の子供たちから剥ぎ取った数百万もの「希望や思い出の記憶」を保管・燃料化し、都市の稼働エネルギーや最初の少年「ゼロ」の絶望の相殺(プラマイゼロ)に充てていた。


プラマイゼロ

地下街の俗称であり、作品の核心的な概念。強大な「絶望(マイナス)」と「希望の思い出(プラス)」をぶつけ合わせることで、感情の飽和による自滅を防ぐシステムの均衡計算。


【キャラクター紹介】


アキ・パパニカ

年齢:12歳

概要:本作の主人公。自分の本当の名前や記憶をシステムに「文字化け」させられ奪われながらも、ペロペを守るために鉄パイプ一本で世界に挑んだ少年。諦めない強さと、他人の痛みに寄り添える純粋な優しさを持つ。


ポン・ペロペ(ペロ)

概要:アキに付き従う怪異「ナキリムシ」。ボロ布と泥でできた身体を持ち、アキの「死にたい」という絶望ノイズを食べて生きていた。その正体は、12歳前に真っ先に記憶を剥奪されたアキの幼馴染「ペロ」。最後は自らの身体に溜め込んだ記憶の光を解放し、世界を救った。


カムジ・チャモロ

概要:スカベンジャー(廃品回収屋)のリーダー格。荒っぽい性格だが極めて義理堅い。12歳でナキリムシに変貌させられた妹「ルラ」の記憶を取り戻すため、アキと共に月面へ殴り込んだ頼れる兄貴分。


サラ

概要:地球でアキが出会った少女。減価償却によって記憶を奪われナキリムシ化しかけていたが、アキたちの戦いによって記憶を取り戻し、ラストでは復興した新しい世界でアキと再会を果たした。


ゼロ

概要:月面記憶銀行の最深部に封印されていた最初の少年。「死にたい」というあまりにも膨大な原初ノイズを発し続けていたが、悪魔ではなく、死ぬことすら許されず閉じ込められていた被害者。ペロとアキの温もりによって救済された。


マクベス・トカチェフ / ルクレツィア

概要:統治機構の最高司令官と月面記憶銀行の管理者。感情を「排除すべきバグ」と断じ、人間を完璧に管理しようとした冷酷な支配者たち。


◆ 読者の皆様へ


最後までアキやペロたちの物語を見守ってくださり、本当にありがとうございました!

もしこの作品を読んで、「胸が熱くなった」「ラストに泣けた」と感じていただけましたら、ページ下の【ブックマーク追加】や【評価(★★★★★)】、作品への【感想・レビュー】をいただけますと大変励みになります!

皆様の日常にも、彼らが勝ち取ったような温かな光と青空が届きますように。

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