再会
何年振りだろう。
仕事の都合で、日本に帰ってきた。
そのついでに、同窓会をするって、連絡があった。
とりあえず、ホテルにチェックインしないと・・・。
って、思ってたら、空港に懐かしい顔触れがあった。
「千紗ー!」
「梨香!」
私は、梨香に抱きつく。
「梨香、綺麗になったね」
って、口にすると。
「千紗こそ。元々綺麗だったのに、もっと綺麗になったね。って言うか、身長も伸びたよね」
うーん。どうだろう?
「千紗。お帰りー!」
「将?」
「えっ、俺以外に誰が居るんだよ」
仏頂面で言う。
確かにそうなんだけど・・・。
だって、将が背広を着てるんだよ。
それこそ、時が流れたってことが、よくわかる。
「なぁ、ホテルキャンセルして、俺ん家に泊まればいいじゃん」
将が言う。
「いや。迷惑じゃ・・・」
「大丈夫。うちの親に話したら、凄く喜んでたし、咲も千紗に会いたがってる」
咲ちゃんか・・・。
「本当にいいの?」
「俺たちの仲じゃん」
「じゃないお言葉に甘えてお邪魔しよう」
私は、ホテルに電話して、キャンセルした。
「ねぇ、あいつ遅くない?」
梨香が、小声で言ってるのが聞こえた。
あいつって、誰の事だろう?
「なぁ、千紗。お前、向こうで、彼氏できたか?」
将が聞いてきた。
「そんなのできるわけないよ。こんな性格の私を好きになる鬼畜な人なんていないよ。今は、仕事が恋人みたいなものだよね」
って、苦笑する。
っと。
「先輩ー!」
って声が響いた。
この声って・・・。
「おっせえよ」
将が言う。
将が知ってる人?
「先輩」
って、あれ?
何で、抱き締められてるんだ?
しかも、私より背が高い。
って、男の人だから、当たり前。
じゃない。
だって、将と私の身長そんなに変わらない。
のに、それでも胸に埋もれてるって・・・。
私は、恐る恐る顔をあげた。
でも、見たことない。
???
一体、誰?
私の顔に出てたのだろう。
彼が。
「先輩。覚えてないですか?桐生嵐です」
って、自己紹介してきた。
桐生嵐・・・って・・・。
「あの、嵐くんなの?」
「そうです」
ウヒャー。
変わるもんだなぁ・・・。
あの、甘いマスクが、凛々しくなってる。
しかも、イケメンになってるんだもんなぁー。
行き交う人が、振り返るほどとは・・・。
「嵐。何時まで引っ付いてるんだよ」
将が離してくれた。
「先輩に会えるってだけで、嬉しくて・・・」
嵐が、恥ずかしそうに言う。
「そうだ。嵐くんに朗報。千紗、フリーだって」
梨香が言う。
まぁ、確かにそうだけど。
それが、なにか?
「マジですか?」
嵐が、私に聞いてきた。
「嘘ついて、私に何か利益あります?」
嵐が、首を振る。
「じゃあ、改めて、言おうかな」
嵐が、真顔になった。
何?
「奥田千紗さん。好きです、オレと付き合ってください。もち、結婚も視野に入れて」
嵐が、告白してきた。
エッ・・・。
こんな人前で堂々と。
でも、これって私にも言えってことだよね。
今までの想いと一緒に告げても、いいのだろうか?
それとも・・・。
「千紗。ちゃんと応えてやれよ。今までの想いもな」
将が言う。
見透かされてる・・・。
「わかってるよ」
私は、嵐に向き合う。
「桐生嵐さん。私でよければ、よろしくお願いします。って、遠恋になっちゃうけど、いい?」
私は、改めて聞いた。
「エッ・・・。何で?」
嵐は、なにも聞いてない。
「私は、今回は仕事で帰ってきただけだから、また戻らないといけないんだよね」
私の言葉に嵐が、落胆した。
「ねぇ、嵐が私の事を本気だって言うなら、こっちに戻ってくるよ」
私の言葉に嵐の顔が、綻ぶ。
「じゃあ、同棲しよ、千紗」
はぁー!
何故?
「千紗が、こっちに戻ってくるなら、一緒に住んだ方が早い」
何が、早いの?
それ、お兄ちゃんが聞いたら、大変なことになりそうだが・・・。
「とりあえず、移動しようか・・・。俺の家に・・・な」
将の家に向かった。
その後、同棲うんぬ談義が、始まったのは言うまでもない。




