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第11話 ブラック・バード

部屋の前へ立つと、初任務前を思い出す。初々しいあの頃を。扉にノックをし、返事を待つ。


カーミット「…入ってくれ」


扉を開けると異様な光景が広がった。いつもは埃一つないと言っていいほど綺麗だった副司令官室がいまや、強盗の現場のような、悲惨な光景だ。カーミットはやつれた表情をしている。


健司「どうしました?副司令官」


カーミット「…気にしないでくれ」


今にも気を失いそうな声をしている。健司が心配している中、ビリーは机を叩き、カーミットに質問をする。


ビリー「前から気になってたけどよ…あんた一体誰だ?」


カーミット「…確かに私は新米だから記録がない。だが、私はカーミットだ」


ビリー「新米にしては年をとりすぎじゃねぇか?俺は薄々思ってんだ。“カーミット”さんよ」


カーミット「…」


カーミットは少し呆れた様子でビリーに話す。


カーミット「…もうその名を聞きたくない」


エリナ「…それで、本名は?」


カーミット「バレたからにはしょうがない。私の本当の名は」


ビリーとエリナが身構える。若干膝が震えている。


カーミット「本当の名はポールだ」


その名を聞いた途端、ビリーとエリナは武器を構えた。


ポール「身構えるのも承知の上だ。どうか落ち着いてくれ」


ビリー「落ち着いてられると思うか!?貴様!」


ビリーがポールの首近くにゲッティングベターを構えている。今にでも掻っ切りそうな殺気を肌から感じる。


エリナ「健司、マックスウェルズの事件を覚えてる?」


健司「あぁ、合同探索だっけ?」


エリナ「そう、それ。その総指揮を務めたのが“期待の新星ポール”。だけどマックスウェルズが暴れてる時に突如消えた。まるで嵐のようにね」


ポール「それには訳があるんだ。どうか、話を聞いてくれ」


ビリー「聞いてやるさ。地獄でなァ!!」


今にでも殺しそうな空気になっている。健司はあまりの怖さで一歩も動かなかった。止めなければと思っていた。だが足がいうことを聞かない。


エリナ「ビリー!」


ビリー「!!」


エリナ「確かにあんたのおやっさんを殺したのは実質こいつとバンガロウだ。だが、実際どうだ?殺したら何になる?帰ってくるのか?」


ビリーはゆっくりと座り込み、深呼吸をした。息を整えるとすっと立ち上がり、ポールを睨みつけ、離れる。


ビリー「話ってのは何だ?今更謝ってももう遅いぞ」


ポール「確かにその件に関しては悪かった。だが、やらなければならなかったことがあったんだ」


健司「…何故隠すんです?」


ポール「これに関しては何も口に出さない。本当に申し訳ない」


ビリーが舌打ちをした。睨みつける眼光が更に鋭くなり、雰囲気はさらに最悪へと近づいていく。


ポール「…それで、今言うのも何だが、国王から君らに会いたいと言っている。至急向かってくれないか?」


エリナ「何だか“今すぐ出て欲しい”って言われてる気分」


健司「…わかりました。今すぐ行きます」


副司令官室から出て、国王の住んでいる城へ向かう。城までの道は完璧に整備されていて、まるでオズと魔法使いの世界のようであった。


健司「そういや、国王ってどんな人?」


ビリー「そういや話してねぇな。まず俺らがいるここが、

ユナイテッド・サン・サムシング・ロード王国。クソ長いから通称USSRってみんな呼んでる」


健司「…何でそんな長いんだよ」


エリナ「さぁ?一世が決めたんだから。死んだけど」


健司「え?」


ビリー「今の国王がベティス2世って人。死んだのは一世。暗殺されたんだよな確か」


エリナ「あぁ、どっちも嫌いだな。性格が腐ってる」


健司(よくある独裁者的ポジションなのかな?)


エリナ「多分、健司は生理的に無理って言うよ。あいつの性格だし」


健司「え?」


ビリー「よし、着いたぞ。それじゃいくか」


門番からの確認を完了し、門が開いた。ただまっすぐな道の為、どんどん奥へ歩いていく。道中には想像を絶するほどのイケメンの肖像画が飾られている。


ビリー「健司、何言われても逆らうなよ」


健司「え?」


やがて玉座の前まで来た。その玉座にはさっきの肖像画の男が座っていた。このとき健司は悟った。“あ、こいつ無理だ。二度と関わりたくない”と。


ベティス2世「頭が高い」


3人は土下座の体制になった。誰も反抗していない。その姿を見てベティス2世は得意げに話し始めた。


ベティス2世「我が掲げているモットーはわかるな?愚民共」


3人はただひたすら頭を下げているだけしか出来なかった。


ベティス2世「“美”さ。美はその人の価値を決める。顔、スタイル、声、背丈。これで価値が決まるのさ。わかるか?ん?」


健司が拳を握る。握る力が強すぎて血が出てきている。ビリーが小声で話す。


ビリー「今はマジで我慢しろ!あとで飯奢ってやっからさ!」


健司が立ち上がり、玉座へ向かっていく。


ベティス2世「お前には美を感じない。おすすめの整形外科を教えてやろうか?」


血まみれの右手をもう一度握りしめる。


エリナ「あー…やってくれたな」


赤い拳は、弧を描くように飛んでいった。







トラッシュ・ベティス2世


年齢 23歳

誕生日 5月3日

身長 184cm

体重 65kg

趣味 整形

特技 侮辱

好きな音楽のジャンル k pop

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