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第10話 ラブ・ミー・ドゥ

何だか眩しい。眠っていたのか?何故?今まで何をしていたんだろう?思い出せない。脳内は白紙の状態だ。少しずつ今までのことを振り返っていく。自分の部隊のこと、中央政府のこと、ホワイトアルバムのこと、そしてロンリーハーツのこと。

健司はゆっくりと目を開けていく。


ビリー「おい女!目を開けたぞ!」


女「プルーデンスよ。いい加減名前を覚えてくれない?それはそうと…もう大丈夫そうね」


目を開けるとビリーと見知らぬ女がいた。どうやら病院のようだ。


プルーデンス「あんたもペパーの被害者だろ?もう怪我は治ったからさっさといきな」


健司「あの後…どうなった?」


ビリー「まぁ簡単に言うと、お前が気絶する→地上まで移動する→出禁になった、って感じだな」


健司「そうか。エリナは?」


ビリー「外でタバコ吸ってる」


健司「…そんな人だったっけ?」


少しずつ、ほんの少しずつ体を動かしていく。なんせ、気絶するほどの重傷を負ったからな。と思っていたがどこも痛くない。むしろ動かし足りない気分だ。放課後の小学生のような気分だ。心が冒険心で埋め尽くされている。


健司「…どうしてこんな無傷みたいなんだ?」


プルーデンス「そりゃ私が名医だからさ!」


健司「…」


プルーデンス「私はペパーと同じタメなんだ。昔から一緒でね…あいつがケンカするたび私が治してんのさ。もちろん被害者をね。何百回も治したんだからこっちは」


健司「ペパー軍曹はどんな人だったんです?」


プルーデンスは椅子に座り、頬杖をつきながら話した。


プルーデンス「…恐ろしいほど強くて、恐ろしいほど正義感に溢れている人さ」


ビリー「何か悪いイメージあるか?」


プルーデンス「確かに聞くだけなら良く聞こえるねぇ。だけど考えてみなよ。あんたら悪いことしたことあるかい?ほんの些細なことでも」


健司、ビリー「!!」


プルーデンス「そういうことさ。そういうときに私が治すってこと。大変でしょ?」


健司が突然立ち上がり、プルーデンスの前に立つ。


健司「…ありがとうございました」


ビリー「おい、どこいくんだよ!?」


健司はドアの前まで早歩きし、ドアノブを触ったところで止まり、振り返らずにビリーに話す。


健司「カーミット副司令官のところへ行こう」


副司令官室では妙な空気が漂っていた。書類が床に落ちていたり、賞状が破られていたり、散乱としている。カーミットが息を切らし、頭を抱えている。机の上にある新聞の見出しには

“裏切り者である元期待の新星ポールが名前を変え、中央政府内にいることが判明!通称白い鳥は今や黒い鳥へと変わったか?”

と書いている。


カーミット「…黒い鳥、か…」


道中、健司達は気まずいあの頃のように世間話をしている。


健司「そういや思ったんだけど、俺の武器にも名前が欲しいんだよな」


ビリー「もうちょっとちゃんとしたやつ買ってやっから我慢してくれ」


エリナ「いや、弾を買うから金はない。名前を決めよう。それでいいだろ?」


ビリーとエリナが言い争っている。その光景を見て、健司はこの時間がとても愛おしいと思った。

だが同時に不安を感じた。高校1年のことを思い出す。最初は良かった。皆初めてということもあって仲良くできていた。男子女子分け隔て無く、誰とでも仲良くなれて、心の底から嬉しかった。

問題は後期からであった。徐々に話さなくなってきた人が多くなってきた。それどころか嫌われてるように思えてきた。嫌な眼差しを何度も浴び、後ろから聞こえてくる愚痴、そして毎日とは言えないがずっとしていたメッセージが急に途絶えたこと。確かに自分が悪いことはわかる。だがそれでも辛い。

終わりが近づくごとに状況は悪化していく。自分の悪行を盛られ、更に人からの信用を失っていく。そのことを知り、健司は人間不信になった。どんな友達でも「裏では嫌っているのではないか?」と警戒してしまう。


ビリーとエリナのことを信用していないというわけではない。ただ少し不安に思っているだけだ。所詮幼馴染の間に入った知らぬ人。対等に扱ってくれるわけないがそれでもそのような関係が羨ましい。

健司は一回深呼吸をし、ビリーとエリナに話す。


健司「俺を、対等に扱ってくれ!同じように愛してくれ!」


ビリーとエリナは驚く。少し間が開き、ビリーが笑いながら健司に近づき、肩を叩く。


ビリー「何言ってんだ?俺らは戦友だろ?」


同じくエリナが近づく。


エリナ「元々そうじゃ無かった?うちらって」


健司は嬉しさと安堵と恥ずかしさに包まれ、泣き崩れていく。


健司「…信じて大丈夫?」


ビリー「あったりめぇよ!」


エリナ「こういうときに“愛してくれ”って言うのも中々面白いな」


ビリー「それ!武器の名前にしたらいいんじゃねぇか?

ラブミードゥ(僕を愛してくれ)とか」


健司は腰にある短剣を取り出し、眺める。刀身はピカピカで、自分の顔が写っている。その横には“戦友”の姿が写っている。


1人は泣き、2人は笑いながら歩いていく。やがて涙は笑いに変わり、お互いに世間話をしながら副司令官室へと向かう。

ディア・プルーデンス


年齢 35歳

誕生日 11月22日

身長 159cm

体重 非公開

趣味 散歩、昔話をすること

特技 ペパーの被害者の治療

好きな音楽のジャンル ラブバラード

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