旧友
逃げるとは言ったものの、大通りを通れば「それ」の餌食になる。しかし、この街から一番早く逃げ出せる道と言うと、大通りが一番早く出れるのだ。
「ほかにどこを通ったら一番早くこの街から逃げ出せる、、、考えるんだ!」と、言いつつ考えながら荷物をまとめることにした私は、スーツケースをクローゼットから引っ張り出しているとき、ふいにポケットに入れてた携帯電話が鳴った。
「それ」にとても気を張っていた私は、急になった電話に腰を抜かしてしまい、なかなか出れないかったが、心を落ち着かせて携帯電話を取り出して画面を見ると、古い友達からだった。
「お前!今どこにいる!?」電話に出た瞬間かなり焦った声でそう言い放った。
「いま、家にいる。これからこの街を出るつもりだ。君はどうするつもりだ?」
「俺はこれから、``作戦本部``に移動する!それで要望なんだが、ぜひ一緒に来てもらいたい」
これは予想もしていなかった要望だった。
「、、、、私はもう抜けたぞ、、、」
「分かっている、しかし、この非常時だ、お前が必要なんだ!無理を承知だが、、頼む!」
内心は私は行きたくない、、もう抜けた身だ、今更戻ったところで、、、しかし、古い仲間の要望だ無下にするわけにはいかない。
「分かった、、しかし条件がある。この騒動が終わり次第私は抜ける。いいな。」私自身今の生活にとても満足しているだから、この生活を失うわけにはいかないのだ。
「分かった!俺としては来てくれるだけでもうれしいよ。そうしたら、車を一台向かわせよう。その場所で待っていてくれ。」これはとてもうれしい提案だが私は丁重に断った
「いや、車は送らなくて大丈夫だ。私は目立ちたくないからな。自分の車で行こう、、本部の見張りのものに私のナンバーを伝えておいてくれ。」
「あんたは昔から変わってないな。しかし、来れるのか?大通りはあの惨状だぞ。とても通れたものじゃない。裏道を使うったって、今、あいつが何処にいるのかわからないんだぞ。」
テレビ画面ははいまだに「しばらくお待ちください」のテロップを流している、つまり、今現在何処へ移動しているか、情報がつかめないということだ。SNSを確認してみていいが、この騒動でアクセスが集中しすぎていてとても開けたものじゃないだろう。
「一度、大通りまで行ってみる。さっきの中継を見た感じ、大通りの中でも東側だった。幸い私の家は西側だ、距離を考えると、私が大通りに出ても奴に出会うことはまずないと思うよ。」
とは、言ったものの、「それ」の身体能力能力は未知数だ。じゃあなぜ、大通りまで出るのか、それは、被害の状況を確かめるためだ。``対策本部``に久しぶりにいくのだ、これくらいの手土産は上げないとな。
「むぅ、、しかし、、いや、お前を信じよう。くれぐれも気を付けるんだぞ!」
「分かってます。君も気を付けて、、本部で会いましょう。」
「おう!」
つーつーつー
寂しげな機械音だけ残して通話は切れた。
「行くか、」そう言って、スーツケースに衣服を詰め、家の外に飛び出した。
案の定家の外は最早惨事だった。パニックになった住民たちがどんどん家から飛び出して、我先にと逃げ出していく。幸い渋滞はしていなかったため、愛車のチェロキーでまっすぐ大通りへ向かった。
「奴はどんな面白いことを見せてくれるかな?」愛車の腹の中で、そう独り言ちてみたが、ただ恐怖心が増しただけだった、、
=====????=====
「どうだ?」
白衣を着た男が、「それ」の映像が映し出されているモニターの前に座っている若い女に
話しかける
「順調です。」
女は冷たい声でそう答えた
「そうか、、、」




