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勇者、ギルド集会所へ

まずは、勇者達について説明しようか。


まず、一人目。

神楽 一心。説明は省く。だってもう説明したし。

武器は、剣。剣の類なら殆ど使える。その中で最も気に入ったのは、日本刀だった。理由は、「だって、日本人だもの」。

つい一年前まで黒歴史満載だった高校三年の残念なイケメンである。必殺技は、「究極魔法 黒炎暴風撃ブラックファイア・ストーム・ブレイク」昔は街中で叫んだ事もある。あの時の通行人の目を今でも忘れられない。

これでも頭はいい。偏差値六十八。


二人目は、柊 亜紀。黒く長い髪をそのまま纏めもせずに下ろしている。瞳の色が日本人とは違う青い瞳である。

日本人の黒髪と外国人の青い瞳。その二つによって不思議な魅力がある。

武器は、一心と同じく剣。大体は西洋風の剣だが、ダガーなども使えたりする。

ちなみに、高校二年だ。今まで告白された回数 五十七回。玉砕させた回数、五十四回。立ち直れない程、心をへし折った回数、二回。トラウマになるレベルの拒否をした回数、一回。

高校二年。


三人目は、小野 小鳥。黄色い髪、と言うよりは美しい金髪を短く切っており、なんと言うか、庇護欲というか保護欲というかが掻き立てられる様な見た目だ。

つまり、名前の通り小鳥を思わせる出立ちだ。

恥ずかしがり屋で、ほぼ何時も誰かの後ろにいる。

だが、勇気を出すと凄い。以前に交通事故に遭いそうになっていた幼稚園児を体を張って守った事がある。全治三週間の怪我を負った高校一年。武器は、魔法杖。

召喚初日に魔法杖を二本折った。(物理的な攻撃で)


最後に、四人目。綾小路 綺音。淡い赤色の髪を持ち、それをポニテにしている。一言で言うと、高嶺の花だ。学校一の美少女と言われていたが、高嶺の花であるが故に、誰も告白などできていない。

現在は、とある女子校にいる。理由は、「誰も告白してくれないから、悲しくなった。だから逆に告白されない所に行こうと思った」である。なぜそうしたのか、今では考えられない高校二年。武器は魔法杖。

実は武術も少しばかり嗜んでいる。乙女の嗜みよ? と言いながら、結構危険な武術を嗜む。

それをマスターしてしまいそうな自分が怖い。

ちなみに脇の下が弱点。


こんな感じだ。


要らない情報混じってる? 気の所為だ。きっとそう言うのに敏感になってるだけだよ。


◇◆◇


勇者達は夜、一心の部屋に集まり、話した。

今後の事とか。今までの事とか。

話していく内に、仲良くなっていった。話していると色々な共通点を見つけたからだ。


一心がリタイア(寝落ち)してからは、恋話が始まっていた。

一心がイケメンだの。騎士の人たちイケメンだの。そんな事話していた。

その途中で一心が急に覚醒して、焦ったりなんかもした。勢いで一心を叩いたりもした。


他人とは思えない程自分と同じ思いをしており、意気投合できた。

このチームなら、憧れていた勇者に本当になれるのではと、感じ始めていた。


ちなみに、勇者四人は一心の部屋で寝てしまい、朝、いろいろ誤解されかけた。


「一心殿……あなた……」

「へ? なんの事?」

「「「誤解ですっ?!」」」

「あらあらまぁ……」


大変でした。

まぁ、こんな事があったからこそ、絆もより深まったのだろう。


さぁ、異世界二日目だ。


◇◆◇


召喚された次の日。今日は、『創造魔法』の特訓。


まず、した事は武器の創造。

自分が気に入った武器の形をほぼそのまま創造する事が、目標。


だったのだが、全員がすぐにクリアした。やはり、逸材だった様だ。


ここで一つ気付いた事がある。魔法とは、魔法名を叫ぶ事で発動する。

だが、異世界人は当てはまらないらしい。さらっと無詠唱で魔法を使っている。


ここからは、『創造魔法』でどれだけの量を創造出来るのか試した。

結果は、大体百五十回だった。ちなみにこれは、一日の限界、である。

その後は、騎士団の人達と、稽古した。

一心と亜紀は剣の稽古。小鳥と綺音は魔法の修得&稽古である。


四人は、ぐんぐん上達していった。

まるで桃太郎がおじいさんとおばあさんと暮らしているうちにいつの間にか、鬼に対して無双できるレベルまで剣の腕が上達したように。


途中からは、自分で創造した武器で戦っていた。

強度はまだ本物には劣るが、十分な硬度だった。

だが彼らはまだ足りないと言う。


今日はこれで終わった。


その次の日は、クエストをした。初クエストである。それよりメイドにビックリしていたが。


『お? また来〜た〜な〜?』『キタァーッッッ!!』『ウッホホーイ! ええ男やん』『ウホッ?!ウホウホウホウウッホォーッイ!!!』『バウバウバウッ!』『ニャー?』『キシャァァァァッ!』


「「「「ここは動物園なのかッ?!」」」」

「いや、動物園 兼 メイド喫茶だ」


つい、反射的に叫ぶ。



「「「「ギルドじゃないのかぁぁッ?!?!」」」」



いよいよギルドではなくなってきていた。

何故なら、動物が多すぎるのだ。


そんな事は置いておき、早速クエストを受けた。

騎士団もついて行くとの事で、難易度高めのクエストを受ける事が出来た。


受けたクエストは、[高)猪突猛進]《ビッグボア 五体の討伐》

要は、でかい猪狩りである。

何処かで見た事ある気がするが、気にしない。

まぁ、一心が、


「ドス○ァンゴ?」


とか思いっきり言ってしまったが。




「「「「えー……」」」」


指定された場所に移動した彼らが見たものは、ドスファ……ビッグボアの群れだった。軽く数十体はいる。

茶色の毛に、デカイ牙。頭の所には硬質化された体毛があり、最早鎧である。

走る速度は、大和が戦った金毛の希少種には劣るが、それでも結構速い。


一心達を全てのビッグボアが眺めている。

目が輝いているように見えるのは何故だろうか。

人気者になんてなった記憶ないのだが。


あ、俺たち、標的に、


気付いた時は、もう遅い。

ビッグボア数十体がほぼ同時に突進してきた。もし、一撃でも喰らえば、重症。避けても、後ろから来る第二陣は避けられないかもしれない。

きっとビッグボアは、「俺の頭で倒してやるぜ!」とか、「ぶぅっとばぁすぞぉう!」とか言ってるのだろう。

逃げ場は、無い。

なら、逃げなければいい。


一心と亜紀が、ビッグボアに向かって疾走する。それも通常よりも速く。

魔法の援護も忘れてはいない。小鳥と綺音は二人に身体能力強化の魔法をかけた。それによって、普段の数倍の身体能力になっている。


さらに、一心と亜紀は、心臓の心拍数が上がっていた。これによって、二人は、加速する。

鼠などの動物に見られるもの。まわりの時間が遅く感じると言うものが、起こっていた。これは、極度の緊張感や、高揚感などで起こる。

正しくは、心拍数が上がる事によって血の流れが速くなる。それによって、頭の働きと体の動きをフルに稼働させられる状態だ。これによって、時間が伸びたように錯覚する。実際には、自分が速く動いているのだが、それに自分は気付けない。

鼠などは心拍数が人間よりも早いため、まわりの時間が遅く感じているのだ。それによって、早く動く事が出来る。その代わり、寿命が短くなる。


まさに高速で動く二つの影。


それは、ビッグボアの群れに突撃し、飲み込まれたように見えた直後、


ビッグボアの群れの中心あたりで、爆発が起こった。

ビッグボアはポーンと言う擬音が似合いそうなほどの勢いで、空に飛ばされた。


その中心には、二つの影がある。

そう、一心と亜紀である。


身体能力強化とは即ち、筋力強化。

一時的に増強された筋力で振るう剣は、体長が大きなもので二メートルにもなるビッグボアの体を、いとも容易く上空に打ち上げる。


さらに心拍数の増加による身体能力強化によって、ビッグボアには捉えられない速度で移動する。


ビッグボアの右側を一心が通り過ぎた後、ビッグボアが右側を見た時には、もうすでに一心はそのビッグボアの左側にいた。

刀をビッグボアの体に突き刺す。そして刀を一気に地面につきたてる。血が飛び跳ね、臓器が地面にぼとぼとと落ちる。

だが、血が一心のいた所に到達する頃には、もうそこに一心はいない。


ビッグボアに亜紀は正面から戦いを挑む。ビッグボアは当然、勝機! とばかりに突進してくる。さすが猪突猛進。

亜紀でなくともそうなる事はすぐに分かる。

すぐに分かる。つまり、対処法はある。

亜紀とビッグボアが衝突する瞬間、亜紀が消える。だが、ビッグボアはそれに気付けないまま疾走する。

ビッグボアが異変を感じたのは、亜紀が消えてから二秒後。腹の辺りが変に感じた。当然だ。そのビッグボアの腹はぱっくりと開き、てらてらと光るピンク色の臓器がはみ出ているのだから。

それからすぐ、出血多量によるショック死によって息絶えた。

亜紀は、ビッグボアと衝突する直前にしゃがみ、ただ剣を腹に刺しただけ。後は、ビッグボアが勝手に走って行くことで、自動的に腹も切れていった。

ただ、それだけ。



数十体といたビッグボアは、瞬く間に全滅していた。かかった時間、僅か五分程。

ビッグボアの大量の死体の中心には、一切の返り血を浴びていない二人がいた。

一緒に来ていた騎士団の面々も、唖然としていた。


これが初戦だとは思えない。


騎士団の面々は、全員同じ事を考えていた。そして、こうも考えていた。


流石は、勇者様だ、と。


◇◆◇


「ふぃー、疲れたーッ!」

「えぇ、これは、さすがに疲れたわ……」


一心と亜紀は言った。まぁ、当然だ。ビッグボア数十体に二人で挑んだのだから。

普通なら疲労でぶっ倒れるだろうに、彼ら二人は平然と立っているのだ。いろいろおかしい。

まぁ、一言で言うと、いわゆる『チート』というものである。


実は人の行う《勇者召喚》には、ある、隠れた能力がある。これを知っている者は現時点では、誰もいない。その能力とは、


召喚される勇者の能力を自動的に強化してしまうのだ。

《勇者召喚》は現時点で五回、使用された。

一回目は正常だった。

二回目も、まだ正常だった。

変化があったのは、三回目から。以前よりも魔力が多く消費されていた。だが、気付かなかった。一人一人から少しずつの魔力を奪った事で、気付かなかったのだ。この頃からだっただろうか。勇者が早く死ぬようになったのは。

四回目には、異常が正常になった。例え魔力が多く使われても、それが正常になった。この時には、二回目の勇者召喚に立ち会った人は全員歳をとっていた。

そして、五回目。四人が召喚された。以前よりさらに多くの魔力を使用されて。


勇者が強くなるのは良い事なのでは? と思うだろう。違う。勇者が強くなるのには、同時にある呪いも受けなければならない。

この症状は、三回目の《勇者召喚》からあった。

勇者の寿命が、縮む事。


強くなる代わりに、命が縮む。言ってしまえば、命を消費して強くなっているのだ。


だが、それに気付いている者は、いない。

「人間には」だが。


それを知らずに、勇者は戦う。

「疲れた」と呑気に言いながら、命を消費している。


残りの人生は、現在進行形で、着実に、減ってきている。

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