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年明けはデビュタントと共に

長らくお待たせしました。

いや本当に2ヶ月も空いたのは

普通にリアルが忙しかったからです。

兼ね合いって難しい…。

タイトルは割と悩まずに

付けられたのがちょっと安心感。

まお、相変わらずの流れで

パトリシアのデビュタント回です。

中身に関してはデビュタントを

調べまくりました…。


2024.10/10 ルビが上手く機能して

いなかったので、修正しました。

何か前と仕様が変わっていたので…!

冬の季節が来たな、と思いながら、暖かい部屋で年末年始を迎える。ターコイズの月の終わりが来れば、次の年はもうすぐそこだ。去年もだったけど、今年もティシュヴァンフォーレでは家族と年越しを過ごす事になっている。まあ、相変わらずクリスマスはないので、たくさんのご馳走やデザートを食べるのは年末年始だけなんだけれどね。そして、私もパトリシア姉様も学生であるのだが、月の半ばからは冬季休暇と言う名の冬休みなので、大体家の中で過ごしている事が多い。家の中でボードゲームを楽しんだり、本を読んだり、と楽しみ方は人それぞれだが、私は借りてきた本を読んだり、課題や宿題をしたり、自分なりに今まで習って来た内容の復習をしたり、と主に机に向かう事が多い気がする。勉強は苦手ではないし、むしろ好きな方だ。けれど、懸命にやっていたらお母様に止められてしまった。


「ミレーナ、勉強熱心なのは判るけれど、根を詰めすぎるのは良くありませんよ。少し休憩なさいな。」


どうやら集中するあまり時計を見ていなかったらしい。いけないいけない、ガッツリ勉強に集中し過ぎて時間を忘れるとか、将来仕事に集中し過ぎて周りを顧みない大人になっても困る。お母様に言われた通り大人しく休憩する事にした。なお、パトリシア姉様は同じようにリビングルームで編み物をしている。冬季休暇に入ってからの最近は編み物がマイブーム、と言う、ちょっと前までは考えられないような変化が起こっていた。やはり恋は人を変えるのだろうか。変わるにしてもこれはどちらかと言えば良い方向に変化しているように思う。何しろ、ちょっと前までは雪の中ではしゃぎ回るような暴れん坊と言われるくらいのお転婆だったのだから、ベルラントさんの存在はかなりの影響を与えたとも言える。ただ、勝ち気な性格とかは変わってなくて、元のままだから、そこはご愛敬と言った所だろうか。勝ち気、とは言っても、よくある意地悪で高飛車な悪役令嬢のようなそれではない。まあ、私が転生して来た世界が剣と魔法のファンタジーな世界だし、ここと似たような世界観のそう言うゲームとかがどこかにあるかもしれないけど、それは私が知る訳もないし、あまり関係ない話な気もする。そう言えば、本やゲームの世界で見る悪役令嬢と呼ばれるような人は私の周りで見た事がない。いないならいないで、悲劇的な展開とかがないだけ良いのかもしれない。フォルトニア様が幾ら地球を少しオマージュしたからと言って、そこまで似せなくても、って話になっちゃうし。話が脱線したが、年末から年明けにかけてはこれと言って変わった出来事や事件もなく、穏やかな冬季休暇を過ごした。そんなしょっちゅう事件とかがあっても困るし、平穏が一番だ。年始には、毎年の事ながらお父様とお母様が祝賀会に参加するので、その期間だけは私とパトリシア姉様が留守番をする事になるのだが、祝賀会が終わって暫くすればパトリシア姉様がデビュタントを迎える日が来るので、来年からは私とメイド達と執事達で留守番をする事になる。基本的にデビュタントを迎えた貴族の子息や子女は成人扱いとなるので、祝賀会とかの公務みたいなものに参加する義務が生じて来る。デビュタントは子女に適用される主役の扱いらしいが、子息の場合はエスコート(護衛)と呼ばれる主役の女性を引き立てる役目を担うらしい。役割についてはこの際置いておくとして。去年に引き続き、デルフィーナ姉様とフェリクス兄様も首都のトラウィスアードにある王城で開かれる祝賀会に参加しているのだけれど、そこに次からはパトリシア姉様も加わる。多分、ベルラントさんと正式に式を挙げるとかになれば、パトリシア姉様だけでなく、ベルラントさんも祝賀会に参加する事になるのだろうか?まだ婚約者になったばかりだし、その辺りはまた何年か先の話になりそうだから、一旦どこかに置いておこう。今年も祝賀会はつつがなく終了したらしく、少しだけ疲れた顔をしてお父様もお母様も帰って来た。何事もなかったとは言っても、二人とも毎回祝賀会でたくさんの参加者と挨拶などを交わしたりして、話す時間も長いし、内容によってはしっかり覚えておかなくてはならない事もあるし、主催者側であるので最後まで気を抜けないだろう。そう考えると、慣れてるとは言っても多少疲れが出るものなんだろうね。お父様やお母様が現役だと言っても、お父様はそろそろ50代半ば、お母様も来年には50に足を踏み入れるみたいだし、年齢も関係しているのかな。ティシュヴァンフォーレにおける人間の平均寿命とかは知らないので、何とも言えないが、まだそう言う話をするのは早いかもしれない。だって私はまだ10歳だし、おばあ様もまだ元気なのだから、暫くは大丈夫だろう。多分だけど。それに、新年早々に暗い話題を上げるのはよろしくない気がする。なので、バッサリと話題を切り替えて、祝賀会から一週間後に開かれた舞踏会についての話をしよう。


デビュタントは男女のペアで式典や舞踏会に参加するらしいんだけれど、その場では女性の方がデビュタントと呼ばれる主役であり、片や男性の方は「エスコート」escort(護衛)と呼ばれる脇役となるらしい。なるほど、デビュタントの主役はやっぱり女性なんだね。デビュタント自体、西洋文化において初めて正式に社交界にデビューする若い女性とそれを祝う場の事を示すんだって。大体通常の場合はプロムやCotillion(コティヨン)などと同様に男女のペアで式典や舞踏会に出るけど、さっき言ったように主役は女性だと言うのを忘れてはいけない。お母様から聞いたけど、ティシュヴァンフォーレでは古くから、貴族の令嬢は12歳か13歳くらいになると、ダンスを本格的に習うのがしきたりになっている…って話だけど、それぞれの家庭で年齢は変わってくるらしい。一般教養としてダンスを身につけるのが目的だけど、最初の目標は舞踏会にデビュタントとして参加するって言うのが一番多いのだとか。参加の条件とかもあるらしくて、まずは未婚であること、ウィンナワルツの左回りを踊れること、燕尾服またはタキシード、純白のイブニングドレスを用意できること、が挙げられる。まあ、現代日本だとそれだけでも良いかもしれないけど、ティシュヴァンフォーレでは貴族の令嬢である事も条件に含まれるっぽい。ウィンナワルツには右回りのステップと左回りのステップがあるんだけど、デビュタントは舞踏会のオープニングセレモニーで左回りのワルツを踊るのが伝統になってるんだって。

前にも本で調べた通り、デビュタントはデビュタントボールとも呼ばれるもので、ちゃんとしたドレスコードもある。まあ、舞踏会自体、ドレスコードがそもそも必要だから外せない条件になってるんだけれど、デビュタントはもっと決められた範囲が狭い。これも私が本で調べたものだけど、「ホワイトタイ」と呼ばれるドレスコードで着用されるのは、ドイツ語でBallrobe(バルローベ)、英語ではBall Gown(ボールガウン)と呼ばれる舞踏会専用の大きなシルエットのロングドレスみたい。某ネズミさんのランド系映画のプリンセスとかがよく着用しているものとそっくりなやつで、いわゆるプリンセスラインやベルラインなどと呼ばれる、裾がふんわりと広がったボリュームのあるドレスを思い浮かべて頂いたら判りやすいんじゃないかな。ベルとかシンデレラとかね。日本だと花嫁さんのお色直し用のドレスが近い感じになるかな。ドレスの長さも大事らしくて、最も重要なのはドレスの長さってお母様も言っていたし…。必ず床まで届くフルレンクスのものを着用しないと駄目なんだとか。

改めてまとめると、エスコートの男性は黒の燕尾服に白の手袋と白の蝶ネクタイ、そしてデビュタントの女性は純白(オフホワイトやアイボリーなどは不可)のボールガウンと併せ白のオペラグローブ(肘上まである長い手袋)の着用が義務付けられているって事になる。地球でもそうだけど、ティシュヴァンフォーレのデビュタントにおけるスタイルとファッションは伝統にもなっていて、ずっと変わらないアイテムは白革製の肘上までのデビュタント手袋の着用となっているらしい。そのため「手袋のないデビュタントはデビュタントでは無い」と言われるほど白の長手袋はデビュタントにとって重要なアイテムとなっている…って言うのは本にも書かれていたけど、パトリシア姉様も純白のドレスに長手袋だった。肩口やドレスのスカート部分にあるレースの所なんかは一部花柄とかが入っていたけど、他は柄のない純白のドレスだ。頭には銀色に輝くティアラがあり、手に持つ花とかは当日渡されるみたい。お母様はいつも舞踏会とかで普通に着るイブニングドレスだ。ネイビーブルーのAラインドレスを綺麗に着こなしている。流石はお母様だな、とは思う。


当日、お父様、お母様、パトリシア姉様は馬車に乗って首都トラウィスアードにある国立歌劇場へと向かった。デビュタント・ボールと呼ばれる舞踏会は毎回首都にある国立歌劇場で行われるので、その国に住むデビュタントに参加する紳士淑女達は同じように馬車で向かう。まあ、年に二回くらいらしいから、集まる人数も結構いるみたいだけど、パトリシア姉様はアムルーシュの君主であるお父様の娘でもあるし、かなり緊張したのではないだろうか。アムルーシュは公国だから国王ではなくて大公とか君主とかって言うのがお父様にあたるんだけど、それは一旦横に置いておくとして。向こうに着いてから、緊張していたらしいけど、午後9時になり、いざ舞踏会が始まる1時間前には踊るお相手であるベルラントさんと合流したらしくて、緊張を解すようにパトリシア姉様の背中をさすったり、優しくなだめたり、褒めたりしたら、あっという間に持ち直したんだとか。


「他ならぬベルラント様のためだもの、私は私らしく、しっかり踊るわよ。」


と言って間違えずに笑顔で踊ってみせた。まあ、それはパトリシア姉様とお母様から聞いた話だから、直接見た訳じゃないけどね。ベルラントさんも燕尾服をカッコよく素敵に着こなして、スマートにパトリシア姉様をエスコートしていたから、ダンスフロアでは喝采と黄色い声援が溢れていたそうな。パトリシア姉様、ああ見えて今も一部の女性から人気あるからね。


「パトリシア様、相変わらず素敵…。」


「ご婚約されても、麗しくてお美しくてらっしゃるわ…。」


「射止めた殿方も柔らかな雰囲気でパトリシア様を包み込んでエスコートされていらっしゃるのね…。お似合い過ぎて嫉妬すら出来ませんわ…。」


…と、誉めちぎられていた、と言うのはお母様やベラドンナから聞いた話だ。確かに、それだけ周りが羨むほど…羨むは違うか、周りがお似合いだと認めるくらい二人の息はぴったりだったと言う訳だね。お母様もそれを嬉しそうに見守っていたみたいだし。きっと自慢の娘だと、お母様自身も舞踏会で話していたりとかしていたんだろうな。前に調べた通り、デビュタントはお見合いの意味合いもあるって調べたら載っていたし…。もう一度本を見たら書いてあった事を書き出してみると、若い女性である貴族の新しい大人として、成熟期に達しているか、上流階級の家族の子女が正式に「デビュー」すること。もともと、この用語は、女性が結婚するのに十分な年齢であることを意味し、結婚を視野に入れて、資格のある独身者とその家族に女性を紹介すること、って感じになる。パトリシア姉様は既にベルラントさんがいるから、その人を将来のパートナーと仮定して踊っていたんだけれどね。仮定してと言うよりは、婚約者だし、両思いだから、将来結ばれる二人だし、決定してるようなものなんだろうけど。緊張したけど楽しかったんだろうな。大体、舞踏会は午後10時から始まるんだけど、ペアが決まってない人もいるから、1時間前にはダンスフロアにみんな集まるんだって。ダンスがひととおり終わったら、ワインやジュース、軽食をつまみながらちょっとしたおしゃべりを楽しんで、君主であるお父様に挨拶をしてから閉幕するらしい。行きしなとはうって変わって、上機嫌で3人とも帰ってきたのでデビュタントは大成功と言えるだろう。ただ、帰宅した時間はもう日付が変わるくらいだったから、私は既にお布団の中でぐっすり眠っていて、後から聞いた話にはなるんだけどね。

翌日はノームの日と言う事でお休みだったから、パトリシア姉様は朝ゆっくり目に起きて来てたっけ。ノームの日、と言うのは地球換算で言う所の土曜日だ。他の国まで同じかは判らないけど、アムルーシュやウィシュトヴァラでは日本と同じで土日は公的な休日となっている。まあ、販売業とか土日も仕事の人には申し訳ないけど、私が暮らすアムルーシュではノームの日と女神の日は学校が休みになっているのだ。なお、お父様は書類仕事が少しあるので、午前中は執務室から暫く出られないのだそう。午後からはゆっくり出来るから、その時に色々昨日の舞踏会についての話は聞けるかもね。


え?女神の日って何だ、って?うん、それはね。以前、賢者の祝日と祝い日は別物だって話をしたけど、多数の国民や結構な人数の貴族から、ややこしいから名称を変更しよう、って言う意見が続出して、ウィシュトヴァラとアムルーシュでは呼び方を変更したんだよね。他の国とはまだ話し合いの日を調整出来なくて、まだ変えられてないみたい。そんな週末を越えて、ガーネットの月の半ばになれば、私たち学生は再び学校が始まる。地球で言う所の1月の半ばだからね、冬季休暇が終わり、課題やら宿題やらを先生に提出して、翌日からは通常通りに授業も始まる。ガーネットの月は1月と同じなので、今年はどんな年になるのかな、って言うわくわく感もあったりする。始業式とか、そう言うのがあって、また普通に学校が始まる時期と言うのは、10歳の私にとってはまだ疲れが酷いような年齢でもないので、パトリシア姉様と一緒に少しだけわくわくしながら仲良く学校へと向かうのが年始めだな、と感じる時でもある。

ガーネットの月に入って半ばが過ぎて次は終わりに差し掛かると、もうすぐアメジストの月だ。去年はめでたくパトリシア姉様とベルラントさんが両思いになった賢者の祝い日もあるアメジストの月。学校から帰って3時のお茶が終わって夕食前になる頃には、日が沈む時間も少しずつ遅くなって来ているんだな、と実感する。まだ月は変わってないから、冬の範疇だけどね。はたして今年はどんなバレンタイン、もとい、賢者の祝い日になるのだろう?楽しみでありながら、波乱な1日になったりするのかな、と自室のカレンダーを見つめていた私は、今度は時計へと目を向けると、もう夜の10時を回っていた。そろそろ寝ないとヘラルダにお小言を言われそうなので、筆記用具を片付けて、相変わらず良い仕事をするメイドさん達に感謝をしながらふかふかの布団に入り込み、ジュリエッタを抱き締めてぬくぬくとした状態で眠りにつくのだった。



前回から言っていたように

パトリシアのデビュタント回です。

ベルラントさんって言うパートナーが

既にいるので、舞踏会行ったら不安とか

緊張とかあったけど、安定剤の

ベルラントさんいたから

パトリシアは頑張れた感じです。

長々とデビュタントの解説が続いた回

でもあります。(白目)

次回はパトリシアに婚約者が出来て

主人公も10歳を越えたバレンタインな

話となるので、ぐたぐだになる

可能性は高いです。

そして相も変わらず遅筆なので

次回の投稿は未定です。

それでも良ければ気長にお待ち

頂けたらと思います。

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