わくわくと緊張は似ている
もうまもなく主人公は学校に
入学します。たくさんの人に
出会う訳ですが会う前から
そわそわしています。
後どのくらいしたら春になるのだろうか?歌の歌詞にありそうな事を思いながら外を見つめる。アクアマリンの月が終われば本格的な春を迎えて入学式の日がやってくる。
そうそう、先ほど私が言っていたアクアマリンの月は地球で言うと3月にあたる。規則性を見ているとどうやら地球にあった誕生石と同じ月に宝石の名前がついているようだ。6月生まれならムーンストーンか真珠、みたいな感じでその宝石で一月の名前を付けているらしい。この月の名前は賢者様が発案して、現在の暦が定着したので賢者様にはやはり感謝しなくては。手元にある杖に関してもいつか使いこなしたいと言う気持ちは今ではかなりある。つまり、魔法の勉強もっと頑張ろう、と言う意思表示なのだ。所で、入学式の次の日にお茶会があると言う話をリーゼロッテ先生がしていたが、私はお茶会が実は初めてと言う訳ではないのだ。
7歳の誕生日を迎えた時に誕生日パーティーをしたのだが、その誕生日パーティーまでに来賓の他の貴族の方々とタールベルク公爵令嬢の名前に恥じない挨拶や立ち振舞いが出来なくてはならない。なので、誕生日パーティーの始まる数ヶ月前からマナーレッスンをしていた。マナーレッスンの先生の名はヒルデガルド、何となく豪華に感じてしまう名前だ。パトリシア姉様にもマナーを教えてくれていたそうなので腕は確かだ。実際に私もヒルデガルド先生に色々と教わったが、なかなかのスパルタだったけど勉強に熱心で向上心は割と高かった私はめげずに指導を全て受けきった結果パトリシア姉様よりも良い成績を残せた。先生の指導のおかげで誕生日パーティーでは『まあ、タールベルク公爵令嬢のミレーナ様よ、幼いのになんて素敵なご挨拶なのかしら』なんて言葉が聞こえたので私は立派なレディとして振る舞えたのだと思う。後日お母様やヒルデガルド先生に聞いてみたが、ちゃんと出来ていたし、なかなかの淑女ぶりだったと合格点を頂いた。
それからと言うもの、入学式に備えて座学や魔法の勉強がない日にはヒルデガルド先生にマナーレッスンを受けたりもしている。学校で恥をかいたりはしたくないからね。
部屋のカレンダーを見ると(この世界にもカレンダーがあるみたい)入学式までは残り10日程だ。ちゃんと入学式に持って行くものや、着ていく洋服も用意出来ているが、こう言う大きなイベントの前は何故か落ち着かないので心を落ち着ける為にジュリエッタを抱っこする。やはりもふもふしたものには癒し効果がある気がする、眠くなってきた。
「あら、お嬢様、少しお昼寝をされてはいかがでしょう?」
「ありがとう、ソーニャ。お布団に入るね…。」
時々ファニタと交代で私のお世話をしてくれているベテランメイドの1人ソーニャだ。ファニタと年齢が近いせいか仲が良く、二人で雑談しているのを見かける事もある。パトリシア姉様にも専属のメイドさんはいるだろうけど、この二人は優しいし、私の事をかなり可愛がってくれているので近くにいると安心感があり、ついつい甘えてしまう事もあるのだが、笑顔で許してくれる。よく出来たメイドさんたちだな、と思いながら私は束の間の眠りに落ちた。
【ファニタ視点】
私はタールベルク公爵家でメイドをしているファニタ。同僚のみんなも優しくて、同期のソーニャとは仲の良い友人同士だ。メイド長のヘラルダさんも時々厳しい事もおっしゃられるけれど、根は優しい心根の良い方だ。そんなメイド長と私とソーニャは主にミレーナお嬢様のお世話をするのが仕事で、朝には起きた後の身支度や家庭教師の先生が来られる日には客間にお通ししてお茶を出したり、夕食の後にお風呂に入浴される時にもお手伝いしている。ミレーナお嬢様は、私が言うのもなんだがタールベルク公爵家の中でも一番の美少女だと思う。パトリシアお嬢様も可愛らしい方だが、ミレーナお嬢様はそれを越えている。しかも、私たちにいつもお礼を言って下さり、私たちの誕生日をどこから聞いたのか手作りの小物をプレゼントして下さったのだ。なんと心優しいお嬢様だろうか、女神様の寵愛と加護があるのは、ミレーナお嬢様程の方ならば至極当然なのかもしれない。お昼寝をされているミレーナお嬢様の可愛らしい寝顔を見つめながら、お目覚めになったらまるで美しい鳥のさえずりのような声をお聞かせ下さいね、愛しのミレーナお嬢様。
私がお昼寝から目を覚ますと、何やら笑顔でこちらを見つめているファニタがいた。ソーニャと交代したのかな?時計を確認するとおやつの時間に間に合いそうだ。ファニタがお昼寝で乱れた髪を整えてくれる。今日のおやつは何だろう、新しく考案したお菓子らしいので楽しみだ。席について出されたお菓子はチーズケーキだった。チーズがあるのならばいつかそのうち食べられるだろうと思っていた料理の一つだ。料理長が作る料理はどれも美味しいので、一口食べたらその美味しさに自分でも判るくらいの良い笑顔になっていたようだ。日本で食べたお菓子も美味しかったけど、ティシュヴァンフォーレのお菓子はそれ以上かもしれない。二回ほどおかわりをしてから紅茶を飲んでおやつの時間が終わる。入学まで後少し、ちょっとは気分を前向きにしながら、うちのお屋敷にも植えられているキルシュブリューテの蕾が膨らみ始めているのを、庭で確認してから残りの日数をわくわくして過ごすのだった。桜の開花>入学式になりつつあるが気にしてはいけない。(多分)
学園編とかにしたいのですが、
分け方が判らないので難しい…。
PCからなら上手く章を分けたり
出来るんですかね?(スマホから投稿)
人物紹介と用語解説は今回お休みです。
主人公の寝顔を見ながらにやにや
しているファニタですが、百合の
気はないのです。(多分敬愛)




