午後2時 由亜side
「だからー奈原先輩のは嘘やって。」
「本当に?奈原先輩に女いないんだよね?」
「おらんって!」
「その言葉信じるよ!」
「信じてって言うとるやんけ!」
言い合いしているのは与野川沙枝と牧田大地
それを見ているのは私、梅野由亜とギターの天才の間宮隆則
「ってかエイプリルフールじゃん、沙枝思い付かなかったの?」
「忘れてた!春休みずーーっと寝てたし、バイトたまに行くぐらいだったから、曜日も日付の感覚も狂ったし!」
「沙枝ちゃんのバイトって日雇いだっけ?」
「日雇いとコンサートの物販。拘束長いけど儲かる。コンビニでバイトするより時間の融通きくし~」
「寝てたいからですよね、沙枝」
「そうでーす!」
「はぁ、干物女が…」
私ら3人はため息をついた。
ここで奈原先輩の紹介
奈原時泰
私らの2つ年上の先輩で高校時代ダンス部のエースだった。それとは別に趣味でカメラやってて新聞で賞取った事もある。
そしてイケメン、背が高い!おしゃれ!優しい!皆の憧れ、奈原先輩~!です
「しかしねー、嘘が沙枝の癪に触るものにするのもどうかとうちは思うけど」
「面白くしたかったんやもん」
「沙枝ちゃん激おこになるの見えてるじゃん。そのうち牧田ぶん殴られてたよ。柿沼事件の時みたいに」
柿沼とは私たちの高校の同級生でとんでもないくらい計算高い男子。人前では人が良い天然キャラを演じていた
ある時、天町の事を裏切った。それに逆ギレした沙枝は朝登校してきて他クラスだったし、今まで何も接点なかった柿沼をぶん殴った。
怪我はなく鼻血出しただけだけど。
それで1度沙枝は停学を食らっている。これが柿沼事件だ
「いや、柿沼の時みたいにはしないけど……」
「いや、沙枝ちゃんするって。貴女加減って物を知らない」
「加減くらいわかってるよ」
「昼間に下ネタでかい声で言うのに?」
「いや、それは沙枝の頭の中が小学生男子レベルだから」
「ちょっとー由亜どういうこと!しかも男子って!」
「だってそうじゃーん!うちの兄貴のえっちな雑誌見て顔真っ赤にしてたくせに!」
「だって、それは、あんなポーズしてるお姉さんの写真直視出来ないし、見てるこっちが恥ずかしくなるし!」
「でも女だよ、同じ?」
「それとこれは違うでしょーーー!!」
「はいはい!二人とも落ち着いて!」
「与野川、そういうやつなんだ、ふーん」
「ねえ、こいつ、なんかたくらんでる!絶対たくらんでる!」
「沙枝うるさい!」
「いつもだったら由亜の方がうるさい!」
「どっちも俺にとってはうるさいわ!」
とりあえず、エイプリルフールのネタばらし終了。
企画の打ち合わせを四人でした。
本当に楽しみだわ~!
打ち合わせ後協力者のもとへ行く
駅前のパン屋のイートインスペースにて待ち合わせ。おしゃれでしょ?←
「お待たせー!」
そういうと二人は振り返った。一人は少しふくよかな女子、もう一人はアヒル口の男子。
「大丈夫だよ。打ち合わせ長引いたの?」
「いや、長引いたのは沙枝と牧田の件」
「与野川ちゃんから聞いたよー!あれは与野川ちゃん激おこプンプン丸だね。」
「むしろそれより上かもしれなかったわ。まあその事は置いといてー、二人にやってほしいこと言うね」
打ち合わせの内容は秘密なので、二人の紹介を
女の子は
結城千歳
大人しくて、優しい、有紗とは違ったお姉さんキャラ
もう一人は
比留間裕樹
パッと見は女の子ぽい顔立ちの男子だけど、アヒル口をはじめ仕草が女子。なのでオネエキャラと言われてるが本人は全否定。
二人とも栄養系の大学に進学しており今日入学式後に来てもらった。ありがたや~
「ってことだからよろしく!」
「はーい!」
「楽しみだね!」
「ねぇ~もう今か今かとドキドキしてるわ~」
「比留間さ、めっちゃ女子ってない?女に囲まれてたからか?」
「女子ってないってなんだよ!意味わからん日本語使うなよ!」
「女子ってないってのは、女子だねってこと。由亜語~!」
「由亜語って」
笑う千歳ちゃん
「もう本当に何?俺男だし!俺って言ってるし!」
「はいはい、わかったわかった、やかましい」
「やかましいって!」
「マジで今日比留間声高いし、女子ぽいー」
「うるさいなー。本当何度も同じこと言わないでよ!」
「ごめんてー。許して?ね?」
「許すけどー。梅野今日もうるさいわー」
「うるさい系女子極めてますのでー」
「それ極めたらダメでしょ」
「結城ちゃんさっきからツボりすぎだし」
「だって、由亜ちゃん面白いんだもん」
「結城ちゃんのツボ本当謎だわ………」
「いいじゃん、面白けりゃ。この企画みたいに!」
「とりあえず、成功させないとね。これがラストチャンスだもんね!」
3人は互いの顔を見て頷いた
あ、限定のパン沙枝に買って行こうかな。桜餅買い忘れたって言ってたし!




