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情報整理力

 あれもこれも書きたいと詰め込み過ぎた結果、内容が散漫になってしまい、結局なにが言いたいのか読者に伝わらない。あるいは主人公の言動に対する動機や思惑といった根拠が語られていないため読者を混乱させてしまう。こんな現象に陥ったことはありませんか? これは執筆経験の浅い書き手に顕著で読者目線の文章や構成に意識が向けられていない場合に起こります。自覚している書き手は改善の余地があるんですが、どうやら無自覚で行っている書き手も多いようです。


 自己診断は非常に簡単ですので手元に資料のある方は是非とも試してください。

 その判断方法とは内容がうろ覚えになっている原稿(自著)を音読することです。


 執筆当時は熱に浮かされたように書くため、物語や文章の荒さを脳が補完してくれるんです。個性的なキャラクター、先の読めない劇的な展開、そして感動的なラストを書いたつもりになっているんですよね。ところが冷却期間を置いて読むと「一貫性のないキャラクター、滅茶苦茶な展開、ご都合主義的なラスト」となるんですよ。ちなみに私は処女作~三作目くらいまでは半笑いでしか読めませんでした(苦笑)。


 つまり「読者目線の文章や構成で書けていなかった」わけです。

 こういった現象は情報の過不足によって引き起こされています。しかしこれは書き手本人だけですべて把握することは困難で、プロなら担当編集が過不足を指摘してくれますし、アマチュアなら読者が指摘してくれることになります。※ただし「小説家になろう」で評価されている作品=読者目線で描かれている作品というわけではありません。


 では読者目線で書けていない物語とはどういうものでしょうか?

 例えば読者にはどうでもいいような「設定の説明」に終始して、その部分に関しては情報過多なのに、読者が知りたい主人公を取り巻く環境については描かれていない。あるいは情報の開示が後半に集中して超展開になっている。もちろん作者の中では辻褄が合っているのですが、読者にとっては主人公の言動が唐突であったり、理解不能なものとなり感情移入できなくなっているわけです。


 閑話休題。

 どの段階でどれくらい情報を提供していくかという判断は非常に難しいところがあります。なぜなら読者によって理解力が異なるため、これが正解という明確な答えがないからです。ある読者にとって必要な状況説明も、ある読者にとっては足踏みに近い状況であったり、さらにある読者には情報過多だったりするわけです。


 いわゆる構成の上手い下手の問題になるわけですが、ここが出来ていないとすべてが台無しになってしまいます。一朝一夕で向上できるものではありませんが、良作と呼ばれる物語に数多く触れて情報整理に強くなりましょう。この情報整理力が高いと初稿から完成稿までに行われる打ち合わせの数が減るんだろうなあ(遠い目)。 N

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