文章作法の超基本
文章には守らなければならない基本的な約束事があります。
基本的な文章作法が守れていないと稚拙な小説に思われてしまうので注意しましょう。
ここでは基本的な文章作法を例文を交えて紹介していきます。
①基本的な禁則事項
・改行後は字下げする。
○ 四月の上旬。
それは放課後の教室で起こった。
× 四月の上旬。
それは放課後の教室で起こった。
・三点リーダーとダッシュは二文字使う。
○「そんな……ハンバーグ弁当が八百円もするのかよ」
×「そんな…ハンバーグ弁当が八百円もするのかよ」
○「信じられない――私より眼鏡の似合う女子がいるなんて」
×「信じられない―私より眼鏡の似合う女子がいるなんて」
・閉じ括弧の直前に句読点を置かない。※ただしこれは例外があります。
○「ゆっくりと手を頭の後ろで組むんだ」
×「ゆっくりと手を頭の後ろで組むんだ。」
・疑問符・感嘆符後は一字開ける。
○「ここは俺に任せろ! 娘のことは頼んだぞ!」
×「ここは俺に任せろ!娘のことは頼んだぞ!」
・句読点や疑問符や感嘆符を行頭に持って来ない。
○「ふざるな!
お前のことは俺が守る」
×「ふざるな
! お前のことは俺が守る」
○ 四月下旬。
木曜日の放課後。
× 四月下旬
。木曜日の放課後。
・二重表現はしない。※演出として使用する場合は除く。
○頭が痛い。頭痛がする。
×頭痛が痛い。
上記はさすがに極端な例ですが、うっかりしそうな二重表現もあります。
○第一に。
×まず第一に。
○「補足説明しますね」
×「補足説明を追加しますね」
②文章の統一
これは地の文や会話文の中で登場する言葉の統一、漢字と平仮名の統一、漢数字と算用数字の統一を意味しています。
○僕は舞台の台詞を覚えた。しかし彼女はまだ台詞を覚えていない。
×僕は舞台の台詞を覚えた。しかし彼女はまだ科白を覚えていない。
○三万円の椅子を購入した。予定額を五千円ほど超えたが後悔はしていない。
×三万円の椅子を購入した。予定額を5千円ほど超えたが後悔はしていない。
○三万円の椅子を購入した。しかしこの椅子の価値を考えれば当然だろう。
×三万円の椅子を購入した。しかしこのイスの価値を考えれば当然だろう。
誤字・脱字・誤植を含めて長編になれば見落としも増えてくるものです。
完全に排除することは難しいですが、意識するだけで文章は洗練されていきます。
いきなり奇を衒わず基本的な文章作法を押さえておきましょう。 N
追記。
詳しくは新人賞関連の項目で書かせてもらいますが、ふと気になることがあったので付録的に記述しておきます。それは一次選考の通過基準レベルについてなんですが、未だに「てにをは」が出来ていれば通るというような風潮ありますよね? あれ、どうしてなんでしょうか? 「小説になっていない」や「好きなことを書き散らしているだけ」という出版社側のコメントを拡大解釈したものなんでしょうか? ちなみに手書き原稿時代に比べて執筆環境の整っている現代では、文章の体裁を基準にすると九割が一次選考を通過できてしまうそうです。実際に一次選考を通過する割合は一割~二割程度なので随分と隔たりがありますよね。※もちろんこれはライトノベルに限定した話なので、一般文芸の選考基準はまったく考慮されていません。
都市伝説的なネタなのか本気なのかわからないんですよね……うーん。
 




