第11話:【生贄】暴徒の群れと見捨てられた王女
本日のPV、ついに 610 を突破いたしました!
昨日の約3倍という驚異的な伸び、本当にありがとうございます。
夜のゴールデンタイムに合わせて、物語は最高潮の「地獄」へ。
信じていた王子に見捨てられ、生贄として差し出されたエルナ。
彼女に待ち受けるのは、かつてリアナが味わった以上の絶望です。
「開けろ! 偽聖女を出せ!」
王宮の重厚な門が、ついに暴徒と化した民衆の手によって打ち破られた。
かつて私に石を投げたその同じ手が、今は王宮の調度品を壊し、偽りの平和を象徴するエルナの居室へと迫っている。
王宮の廊下には、血の雨に濡れた足跡が点々と続き、異様な熱気と殺意が満ちていた。
「エドワード様! 助けて、エドワード様!」
エルナは寝室の隅で、震える手でエドワード王子の袖に縋り付いた。だが、王子の額に刻まれた「絶望の印」は、彼女が触れるたびに焼けるような痛みを放つ。
「離せ、エルナ! お前のせいで……お前が聖女だなどと嘘をつくから、私はリアナを失い、こんな呪いまで受けたんだ!」
エドワードは無情にも、縋り付くエルナの細い腕を振り払った。その瞳には、かつての溺愛の欠片もなく、ただ自分自身の身を守るための醜い保身だけが渦巻いている。
「……陛下、民衆をなだめるには『生贄』が必要です」
背後で側近が冷酷に囁く。その言葉に、エドワードの顔に卑怯な閃きが走った。
彼はエルナの首筋を掴むと、そのまま暴徒がなだれ込んできたテラスの前へと彼女を突き飛ばした。
「聞け、民衆よ! 我々も彼女に騙されていたのだ! この女こそが国を惑わす真の魔女であり、我々を欺いた詐欺師だ! 好きにするがいい!」
「えっ……? エドワード様、何を……嘘でしょう!?」
信じていた男からの、あまりに冷酷な裏切り。
エルナが絶叫する間もなく、テラスの下にいた民衆の手が、彼女の華奢な足首を掴んだ。
「お前が水を腐らせたんだな!」
「リアナ様を返せ! この偽物が!」
王女としての誇りも、聖女としての虚飾も、すべてが泥に塗れていく。エルナは無数の手に引きずられ、かつて私が立たされたあの広場へと運ばれていった。
その光景を、私は城のテラスでアスタロトの腕に抱かれながら見届けていた。
水晶球の中に映るエルナの顔は、涙と泥でぐちゃぐちゃになり、もはや「美しき聖女」の面影などどこにもない。
「……気分はどうだ、リアナ。あれが、お前が愛そうとした人間たちの真の姿だ」
アスタロトが私の首筋に冷たい唇を寄せ、愉悦の声を漏らす。
私は、地獄絵図のような王都の景色を眺めながら、静かに目を細めた。
「最高よ。……でも、まだ足りないわ。あんな風に簡単に死なせてあげるほど、私は優しくないもの」
私は指先で、広場の中心に一本の「呪いの種」を投げ込んだ。
エルナが民衆に引き裂かれるその前に、彼女にはもっと相応しい『終わり』を用意してある。
最後までお読みいただきありがとうございます!
エドワード王子のあまりに醜い保身。そして、掌を返した民衆の暴力。
王宮の秩序が崩壊していく様は、まさにリアナが望んだ「報い」の形です。
次回、第12話:【回帰】絶望の果ての再会と魔女の審判。
広場に引きずり出されたエルナの前に、リアナ本人がついにその姿を現します。
この勢いのまま、本日中にさらに1話更新予定です!
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