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第14話 畏怖

 突然の店主の登場に、俺たちは言葉を失った。…と言うより、店主から発せられるただならぬ殺気が、俺達の口の動きを止めた。

 そんな俺達を尻目に店主は、のっしのっしとこちらへ歩み寄ってきた。


「お前が元凶か…? 私の店をよくも!」


『店主の攻撃』


 わしっ! と豚の頭を掴む店主。成る程、大事な店を破壊された(ゆえ)の怒りか。


「いや……ホンッ…ホントすんません! ちょ…あの…わざとじゃなくて…」


『豚は混乱した』


 思わぬ伏兵によって、豚は混乱。性格は180゜反転。なんだか丁寧な口調になったが、店主の怒りが収まることは無く…


「むん!」


バキィ!


「ひいっ!」


 豚の兜を握り、砕いた。…店主、あなた何者ですか?


「あ……も…もういいです! 勇者とかもうどーでもいいですから! ゴメンナサイ、調子こきました!」


 焦る豚。怒る店主。傍観する俺たち。……何このシュールな光景?

 ふと、豚が哀れとしか形容できない目でこっちをみた。


「(……助けてください)」


 なるほど。『目は口ほどに物を言う』という言葉は、きっとこんな状況に陥った人が生み出したのだろうな。今だから分かる。同情しよう、物を言われた人に。

 豚の必死の呼び掛け(声は出てないが…)を全力でスルーさせてもらうことに決めた俺は、その視線を少しずつ、別の方向へ逸らす。悪く思うな豚。俺には店主を静める(すべ)が見つからんのだ。


「(おい! 人[豚だけど…]が困ってんのに助けないなんて、トンでもない[豚だけに…]奴だな!)」


 うん。無視だ。この状況であんな寒いことを言う奴がどうなろうと俺は知らん。


「店主、離してあげて。」


 俺が回れ右をして宿屋に帰ろうとした時、入り口が大破して元は何の店だか分からなくなってしまった飯屋から声が聞こえてきた。

 なんだかどこかで聞いたような声なのだが……思い出せん。店の中が影になってるから、顔も判別出来ない。


「しかし……この豚は私の店をだねえ…」


 店主が返答する。すると声の主が店から出て来……コイツは…!?


「罪は償えばいい」


 店から出て来たのは、いつぞやの無銭飲食娘。…何故飯屋にいるのだろうか。

 そんな俺の疑問をよそに、そいつは店主(と、捕まれてる豚)に歩み寄る。


「貴方は悪い事をした」


「いや…あれはちょっと事故と言うか……」


 豚は未だにたじろいでいる。これはこれで哀れだ。ざまあみろ。


「それが故意であれ不可抗力であれ罪は罪。罪にはそれ相応の罰を与えなければならない」


 と、言い放ち、店主に目配せをする。すると店主は無言で半分地面にめり込んでるモーニングスターを持ち上げ、豚に睨みを利かせる。


うん。ナイスコンビネーション。


「罰って…具体的にはどんな事を……?」


「まずは武器を握る力を無くすために貴方の生爪を剥ぎ、そして━━」


 そこから先は…つい耳を塞いでしまった。これは俺の名誉の為に言っておくが、決して俺がチキンな訳ではないぞ。ただ…その光景があまりにも凄惨だったと言うか……。

 一つ言い訳をさせてもらおう。目の前でそれなりに可愛らしい容姿の少女(恐らく俺と同年代)が、全身からドス黒いオーラ的な物を撒き散らしつつ哀れなる豚に向かっておぞましき単語を言の葉に乗せて並べ奉る様は、俺に巨大なトラウマを…いつぞやのテーブルからマッチョが生える惨状以上のトラウマを植え付けそうだったので、つい現実から目を(あと耳を)背けてしまったんだ。


 現実から逃げること5分……実際はもっと短かったのだろうか?


 …ふと思った。罰の内容からして、店主がモーニングスターを持ち上げた意味が無いんじゃないのか……?


 どうやら冷静な…と言うか、どーでもいい所に突っ込みが出来る程度には復活できたようだ。

 隣のセネカに目をやると、顔が尋常ならざる青みを帯びていた。まさかお前…


「…聞いたのか……全部」


「…ええ。聞きました…全部」


 俺よりよっぽど勇者だな。


「…聞きますか? 特に最後から二番目の、塩を━━」


「言わないでくれ。…心臓に悪い」


「そう……ですね。あなたまであんな事になってしまったら収拾が着かなくなってしまいますし…」


「…あんな事?」


 それはいったいどんな事なのかと聞こうと思ったが、その必要は無くなった。なぜなら…


「ワカリマシタ。スベテアナタノオオセノママニ」


 洗脳…。いや、恐怖による支配か? どちらにせよ豚は自我を失っていた。う〜ん、言葉の魔力とは恐ろしいな。あっはっは。


「ソレデハコレヲオオサメクダサイ」


 豚はそう言うと、(ふところ)から小さな袋を取り出し無銭飲食娘に手渡した。…多分金だ。なんか『チャリーン』って聞こえたし。


「これで貴方の罪は償われた。さぁ、山へ帰るといい」


「アリガトウゴサイマシタ」


 俺の視界には、軽い会釈をして去っていく豚と、その豚から金袋を受け取り(騙し取り?)薄い笑みを浮かべる無銭飲食娘の姿が映っていた。


 …やっぱり黒いオーラが見える。




 まぁ、何はともあれ豚は追い払われた。それじゃあ俺も宿屋でゆっくり寝て疲れを……あ、まだ朝か。なんかやけに疲れたぞ。主に精神的に。

秋田犬ですm(__)m


少し、言い訳をさせていただきます…。



2010年、1月某日


『よし、明日投稿しよう』


寝る。


起きる。


『ケータイがぁぁぁ』orz


と、まぁこんな訳で更新が止まってました。5ヶ月も。


数少ない読者の皆様、申し訳ありませんでしたm(__)m


話変わって、やっと豚を追い払えました。


雑魚キャラなのに5ヶ月も生き残る事になるとは…


次回は、敵キャラ出ません。更に言うなら旅にも出ません。


こんな悠長なペース配分で良いのでしょうか…?


それではまた次回m(__)m

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