▽おや?カマキリの様子が
あれ以来、結局繭を造っている。
日中は龍の育成。夜は繭を造っている。おかげで不眠のスキルを手に入れた。
龍の方も順調に育っている。だが私だって元は人間。そこいらの食欲と性欲の塊とは違う。育成の時に、変異スキルの賜物で、雷、水、氷、風、麻痺、睡眠その他諸共の攻撃、耐性。その他諸共のスキルを手に入れた。そこいらの食欲と性欲の塊(2回目)と違い、向上心がある。それの賜物だ。
だがしかし、繭の建造は困難を極める。糸の配置、支点の場所、仮にそれらが出来ても後はスムーズに動かすための調整。支点の場所は弱点にもなる。そこにもこだわらないといけない。
そして進化の時が来た。
『ハンターインセクト。ブラッドインセクトに進化可能です』
それはもう決めてある。
「ブラッドインセクトで」
進化が始まる。全体が更に禍々しくなり、体色が赤黒くなる。そして急に眠った。
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『本当の意味でのユニーク進化おめでとう』
妙に喜々をはらんだ声が聞こえる。目の前に、一人の女性が現れる。
『ボクの名はスキュラ。君たちの世界で言えば、神様というべきか、管理者というべきか』
半ば一方的に話してくる。
『色々と聞きたいところだろう。まずは転生の件だが、それは君たちが死んだあと、ボクが引き入れた。地球の神様に頼み込んで』
『ボクが君たちを引き入れた理由。答えは、コード:E。世界のENDを回避するためだ。ボクは普段。結果に興味はない。だが今回はジ・エンドを回避する結果がほしい』
『気を悪くするかもしれないが、この世界は半ば遊びで構築した。そして君たちのサブカルチャーに影響を受け、スキルとレベルの概念を構築した。だが気にしないでいい。ボクの期限を損ねてスキルが消えるとかはない。確かに構築したのはボクだが、この世界の物。今更干渉する事は出来ない』
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目が覚めた。実に不思議だった。神様兼管理者の接触。非常に先が思いやられているが、伝家の宝刀。開き直りで気分をどうにか保った。