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ハーフライフ  作者: スノウ
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狩る覚悟



まだどこかで、みのりを高校に通わせて卒業させてやれる可能性を捨てきれず、僕は安曇野市にある不動産屋を尋ねた。


「いらっしゃいませ。」と応対してくれた女性従業員は、テレビや新聞で見ているはずだろうが僕だと気付かず、普通に接客してくれた。


どういったお部屋をお探しでしょうか?」


みのりと店に来たものだから、カップルだと思ったのだろう。 いくつかの賃貸マンションやアパートの載ったファイルをカウンターに並べながら聞いて来た。


「あの、敷地の広い土地付きの家が欲しいんですが。」と僕は聞いてみた。


「賃貸で、ですか?」と彼女は聞いて来た。


「分譲と言うんですか? 土地付きの家を買いたいんです。」 僕はそう答えた。


「ご予算はどれくらいで?」と聞かれたので、僕は「2億位だとどんなのがあります?」と逆に聞いてみた。


「少しお待ちいただけますか。」と彼女は言い、奥の年配の営業と話をしに行った。


しばらく待っていると、男性の従業員がやって来た。


要件としては周りに住宅が無く、ガレージの付いた一軒家で探して貰う様に頼み、店を出た。


「おにいちゃん、あの人私達の事気付いてたよ。」 と、心を読んだらしく、みのりはそう言った。


「アンケートに名前書いたしね。」 僕はそう答えながら、多分賃貸じゃ誰も僕達に貸さないだろうな、と思っていた。


本当に、島でも買おうかとさえ今は思っていた。 誰かを巻き込むのはもう嫌だったから。



車に戻り、ドラッグストアに色々な薬を仕入れる為に移動しようとした時に、スマホに着信が来た。 細貝先生からだった。


「今記者会見終えまして、それとは別にご連絡しました。先ほど国会で、不信任決議案が成立しました。」


「と、言うと?」 僕は訳が分からず聞いていた。


「衆議院解散と言う事になりますね、今回は余りに大きな不祥事なので。」細貝先生は淡々と説明した。


「それとは別に、三谷防衛大臣と、坂内国家公安委員長と警察庁長官が、まとめて刑事告発される事になりました。」 と彼は言った。


「先生の見立てでは、どんなですか?」 僕は聞いた。


「今私の持っている証拠だけでも、有罪立証は余裕です。ですが、私は今回の一連の事件の黒幕、それを暴きたい。」


珍しく熱く語る細貝先生に驚きながら、僕は彼なら何とかするんだろうなと期待していた。


「お預けしたお金は、必要なだけ使って下さい。」 僕がそう言うと。


「これは、新しく家を買われる資金なのでは?」細貝先生は聞いてきた。


「資金は、明日また増える予定ですので、ご心配無く。」 僕はそう彼に伝えて電話を切った。


「お待たせ。」 とみのりに言うと、僕はハイエースでドラッグストアに向かった。


警察と自衛隊のトップの告発でもまだ止まらない襲撃や謀略に、平穏な日はいつ取り戻せるのかと、僕はため息を付いた。


僕達には資金と言う武器だけでは足りない、平穏な暮らしの為に、『魔魂』がもっと必要だと今は確信した。


僕は異世界で、魔魂を狩る覚悟を決めた。






話別小説情報


掲載日


2016年 07月15日 08時00分

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