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ハーフライフ  作者: スノウ
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両親の死



テントから出ると先程の銃声で、マスコミも周辺警備に着いていた警察も、慌ただしく色めき立っていた。


取材陣は皆スマホでどこかと連絡を取り、警官隊はそれぞれに無線に向かい怒鳴りたてて居た。


まだ朝7時にもならない住宅地での銃声は、『時の人』扱いの僕を取材に来ていたマスコミには、何よりのプレゼントだろう。


流石さすがに僕を撃った自衛官は出て来なかったが、命令を受けたらしく、20人を越える人数で僕を取り囲んでいた。


「白鳥さん、銃声が聞こえましたが、中で一体何が起こったのですか!」 と、取材に来ていたマスコミは、同じ様な質問を口々に叫んでいた。


自衛官の作る人の壁で、姿は見えなかったけれど、僕も聞こえる様に大声で叫んだ。


「自衛官に撃たれました! その動画を撮りました!放送して貰えますか?」


僕はそう言うと、マスコミの方へと歩き出した。 しかし警察が取材陣に退去を命じ、双方で揉め始めた。


とても取材を受けながら、マスコミに家が壊れた事情を聞くなど出来そうもなかった、


多分命令されてなんだろうが、自衛官達は口々に「抵抗するな!」 「逃がさんぞ!」と、取材陣に声が届かないように罵声を上げ続けた。


僕が動くと自衛官の作る輪も、同じ様に移動した、


『結界』で手出しが出来なくても、絶対に逃がさないぞと言う、そんな意志が感じられた。


何故か無傷のまま浮いているフィットが見えたので、僕は退路は空しか無いと悟った。


僕は弁護士に、事務所の近くのセブンイレブンで待ち合わせる様に電話をした。


フィットに歩いて行くと、やはり包囲の輪も移動したが、近付く事が出来なくて、僕が乗り込むのを誰も止められなかった。


そして僕はフィットを上昇させて、松本市へと飛び始めた。






セブンイレブンの上空で、付近にパトカーや自衛隊車輛が無いのを確認すると、僕は駐車場へと降下した。


「テレビで見ていました、事情を教えて貰えますか!」 コンビニの陰から走り寄りながらそう言うと、細貝弁護士は興奮した様子で乗り込んだ。


「これ、見てもらえます?」 と、スマホを渡し動画を見せた。


「信じられない、、」 動画を見ながらそう呟いた、



彼は見終わると、スマホを僕に渡しながら、神妙な顔で僕を見た。


「白鳥さん。この度は御愁傷様です。」


一瞬彼が何を言ってるのか、訳が分からなかった。


そして彼に、起こった事実を教えられて、ようやくそれを受け入れた。


僕は両親をうしなっていた。





昨夜8時丁度に、自衛隊のヘリコプターが家に飛来したのだと言う。 彼がテレビで見る限り、警察との合同作戦だったように見えたらしい。


テレビのレポーターも同じ様に言ってたとも言った。


事前に僕の両親を退去させもせず、いきなり数人の自衛隊がフィットにワイヤーを張り、飛来したバートルの牽引フックの様な物にそれを掛けたと言う。


生放送中の、僅か数分での出来事だったらしい。


吊るして持ち去ろうとしたバートルだったが、テレビで見ていた彼のセリフだと、フィットは「微動だにせず」、バランスを失った機が家に突っ込んだらしい。


修羅場だったと聞いた。


救急隊員が、僕の両親の遺体を運び出す様子まで、放送されたのだと言った。


落ちたバートルを、たった一晩で撤収した事を見ても、政府指導の作戦だと彼は考えていた。


ただ、生で画像も流された時、助け出されたパイロットがアメリカ兵だった事が腑に落ちないと彼は言った。



細貝弁護士は、記者会見をして動画を公表する事で、責任を追求して行くと言った。


僕は全てを彼に任せた。


必用な費用があれば、逐次連絡してくれと僕は言った。


まだ実感が湧かず、シートを倒して呆けていた。



弁護士の携帯が鳴り、僕は我に帰った。


妹に連絡を取らなくちゃと思い、スマホで掛けようとした。


しかし不通だったし、ネットにも繋がらない。


「白鳥さん。 妹さんからてす。」 彼は携帯を僕に差し出した。


「おにいちゃん、、お母さんもお父さんも死んじゃったんだよ、、」  と、みのりは電話口で泣いていた。


「ユウト、今どこ? 電話が繋がらなくて二人で心配して、探しまくってたのよ。」


瑠奈の声を聞き、葬式の手配の話を聞いた時、ようやく僕は両親の死を受け入れた。


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