To be continued……
そこは薄暗い部屋だった。
部屋に響くのはすすり泣くような声と喘ぎ声、あるいは稀に悲鳴も混ざっていた。
そこにいたのは無数の少女たちだった。二十や三十ではきかないだけの少女たちと、そして、それらを弄びながら中央に座する存在もあった。
男。この世界には珍しい、黒色の髪と、黒色の瞳を持つ男性である。
「トウキさま、目標の村の制圧が終わりました」
部屋の扉が開かれ、外から入ってきた一人の青年が中にいる男性に向かってそう言った。
中にいる男性は、トウキと呼ばれた。聞き覚えのある、響きだった。
「あーん? 今いいとこなんだよ。じゃますんじゃねえよ。それで何人の女を確保したんだ!」
「はい。抵抗し、やむを得ず殺害になった者、あるいは中途自害した者を引きまして、三十三名の女を確保いたしました」
「……なら、まずまずか。さっさと奴隷商に連絡を取りな」
面倒くさそうに男がそう言うと、青年は慌ててうなずくと部屋を出る。
「っち。バカ王さまとの対談までの時間もねえってのに……。つうかよ、てめえらっ! 手を休めてんじゃねえよっ!」
そう言って男は思いっきり近くにいた少女を蹴り上げる。
「も、申し訳ありません、王さま」
「王さま。王さま!」
すぐさま、少女たちは王と呼ばれた男性に群がり奉仕を続ける。
「け。クソバカ野郎しかいねえなー、この世界には」
そして笑う。
「わけのわからん世界にいきなり来たときは絶望したもんだが、しっかしこの文明レベルの遅れた世界だ。おれの知識と、そしてこの手に宿った謎の力があれば、世界全部をおれのものにするのもたやすいだろう。クック」
そう言った。
そう、だった。彼はこの世界に生まれ育ってきた人間ではないのである。
「麻雀やってたと思ったらいきなりこの世界に飛ばされちまった。魔法だのドラゴンだのよ、まったく笑えねえ冗談だが……フフ。まあ、ちったあ楽しめそうだ。女も抱き放題、殺し放題だしな」
そう言って男は立ち上がると、少女たちを蹴飛ばしながら部屋の外へと向かう。
「さて。とりあえず、ヴァランギニア王国をおれのものにしてくるか。ゆくゆくはこの世界すべてを、おれの元にひれ伏させてやるよ」
そして、また、男は高らかに笑うのだった。
To be continued……
というわけで、第二部の予告でした。
異世界に召喚されていたのは燿一だけではなかったのです。
あのとき同じ卓についていたトウキも同様でした。
そして麻雀は当然ふたりではできませんから、つまりあとほかに……。
第二部はこのように、燿一と同位か、格上のギャンブラーである彼らとの心理戦をメインに描いていこうと思います。
とくにトウキは野心家であり、自分の知識と、魔法の力があればこの世界すべてを掌握できるのではないかと考えています。
そしてそのとき、同じ立場である燿一は、自己を脅かす脅威であり、邪魔な存在です。
つまり、第二部は異世界人同士の、文字通り、世界を賭けたギャンブルになります。
さらに、この国の王族や政府の動向も同時に描写することで、異世界人だけの戦いにせず、この世界全体の動きを交えた、大規模なストーリーを展開していこうと考えています。
というわけで、第二部の開始まで、もうしばらくお待ちください。
どれくらいにアップできるかは、また後日報告したいと思います。




