5.始まりの予感
ミスがありましたら遠慮なく申してください
「ハッ、オェ。」
目覚めて早々俺は盛大に吐いていた。どうやら恩恵と記憶の移行によって体に相当負荷がかかったらしい。
「ちょっと、大丈夫なの?」
リーハも心配するほどだ。背中をさすってくれている。
それはそうとレグリスの記憶を全部見たのだがどうやらリーハは元々奴隷だったそうだ。それを見つけたレグリスが買って逃そうとしたところずっと付いてきたらしい。それとレグリスから受け取ったもう一つの能力、それは素質鑑定眼というものだった。どうやらこれを人に向けて発動すると、相手の素質を把握できるようだ。これはありがたい、これを使えば世界中をまわりいい人材をいくらでも引き抜けるからな。まあ信頼されるのとは別だけど。とりあえず今後の方針は決まった、まず世界中をまわろう。そしていい人材を見つけ出し、準備ができたら再建を宣言するんだ。レグリスはリーハと他数百人の状態で、準備不足な状態で建国を宣言してしまったからな。レグリスと同じ道は行かない、ここからは俺の意思で道を決めるんだ。さて、それならばまずリーハを口説かなければならないな。おそらく俺がレグリスの意思を引き継いだと言っても信じないと思うし、どうしたものか、まあ一か八かで言ってみるか。
俺がそう思いリーハに話しかけた。
「なあリーハ。」
「ん、なによ。」
「俺がレグリスの意思を引き継いだって言ったら信じる?」
「信じない。」
「本当に信じない?」
「ええ、本当に信じない。」
案の定だった。仕方ない、強行突破するか。
「リーハお前、18までおねしょしーーー」
その刹那、俺はリーハに剣を向けられた。殺気を添えて。
「どうしてそれを知ってるの、答えて!」
「だ、だから言っただろ、俺はレグリスの記憶を引き継いだって。」
「チッ。」
リーハが剣を下ろした。
「どうやら本当のようね、そのことはレグリスと私だけの秘密だし。分かったわ、レグルスの言っことを信じましょう。」
どうやら信じてくれたようだ。
「ああ助かる。それとリーハ、俺はここから出て今すぐ世界をまわってこようと思うんだが、お前も来るか?」
俺は唐突にそんな質問をした。まあおそらくは断るだろうな、自分の黒歴史を堂々と言ったやつに付いて行きたいわけがないだろうし。
「ええ、行くわ。」
「え?」
「?」
「どうして付いてくるんだ?」
「今更私を除け者にしようなんて、許さないわ。」
リーハがそう答えた。
確かにそうだな、レグリスとリーハは今まで2人で頑張ってきたんだ。今更自分だけ除け者にされて後継者の俺があとは頑張るなんてそれは黙っていらないな。
俺は無粋な質問をしてしまったと思った。
「よし、そうと決まれば今すぐに出発するぞ、リーハ。」
「ちょっと待ちなさいよ、もう行く所とか決めてるわけ?」
「ああ決めてるよ。最初の目的地はそう、ここ旧レグ王国のさらに西、港町シーソルだ。そこで船を買い、北西の獣人、エルフがいる大陸に行くぞ。」
次回は明日の18:00に更新します