6.ちゃんとした始まり
ミスがありましたら遠慮なく言ってください。
「・・・ねえ、レグルス。」
「ん、どうした?リーハ。」
「あんたそんな意気揚々とここを出るって言ったけど出る方法あるの?私もこの障壁のせいでずっと出れなかったってのに。」
「・・・」
「・・・」
「・・・考えてなかった。」
「はあ、そうだと思ってたわ。着いてきなさい。」
リーハはそう言い、どこかに歩き出した。
着いたのは気持ちが悪い場所だった。
「なんだここは。」
「?なにって謁見の間よ。」
これが謁見の間だと?馬鹿を言うな、部屋全体に魔法陣が張り巡らされていて王が座る場所に禍々しく黒い気を纏わさせている首なし死体があるのが謁見の間だと誰が思おう。
リーハがその首なし死体に指を指した
「あれがこの障壁の核よ。あれを壊せばこの障壁が無くなるんだけど私では壊せないのよ。」
「なぜだ?レグリスの記憶もそうだがお前の剣の腕は相当のはずなのに。」
「あれはレグリスなの、だから私では壊せないわ。」
リーハの声が少し弱くなりながらそう言ってきた。
なるほど、だから壊せなかったのか。確かにレグリスの記憶でもリーハは終始レグリスを大事にしてたからな。
「分かった、ならば俺がこれを壊そう。」
俺はリーハにそう言い、剣を抜いた。
「・・・うん、やって。」
リーハが少し躊躇いながら言った。なるべくはやく終わらせよう。そう思いながら剣を振りかざした。
ザシュ
核の中心の心臓を指すと、謁見の間全体の魔法陣が消え、レグリスの死体の黒い気がなくなった。それと同時に城が揺れる。
「な、なんだ!」
あたふたしているとリーハが俺の服を掴んで飛び上がった。宙に浮いている、どうやら魔法で飛んでいるらしい。
「あの魔法陣はこの場所の時間を止めるのも兼ねていたのよ、それを壊したのだから今から今の500年後の姿に高速で変わっていっていってるの。」
「な、なるほど?」
「・・・はあ、まあいいわ。理解できなくても。さ、これで障壁も壊れたことだし行くんでしょ?ここよりさらに西の港町なんとかってところに。」
「シーソルだ。あとそれとシーソルに行く前にシンクという国に寄るぞ、今のお前の服じゃまともに外も出られないからな。」
「?・・・!!」
どうやらリーハはいまようやく自分の服に気づいたらしい。リーハの騎士服も魔法で時間を止められていたらしくその魔法がなくなったことでほとんど服と呼べない代物となっていてほぼ裸だった。
それを俺が指摘するとリーハが慌てたせいか俺から手を離してしまった。
「あ」
「え?ちょ、うわーーーーーー!」
約100メートルを自由落下していく。
「助けてくれーー!」
俺は必死にそう叫んだ。だがリーハも間に合わなさそうだった。
リーハに堂々とこの国を再建するって言ったのに。
涙を流しながらそんなことを考えていた。
ああ俺の人生ってこんな呆気なく終わるんだな。
「はあ、仕方ないな。助けるのは今回だけだからね。」
耳元から聞きおぼえのある声が聞こえた。
それと同時に地面に落ちた、と思った。なんと俺の体は地面からわずか10cmのところで浮いていた。
「レグルス!大丈夫?」
少し遅れてリーハの声が聞こえた。
「ああ大丈、グハッ。」
リーハに大丈夫と伝えようとした時、ちょうど俺を浮かせていた魔法がきれた。
それにしてもなんだったんだ、あの魔法は。あれが発動する前になにか声が聞こえたと思ったんだが、まあ深くは考えないでおこう。
「レグルス、本当に大丈夫?」
そんなことを考えていたらリーハがさらに心配した顔で言ってきた。
「ああ、なぜだか分からないが大丈夫だ。心配をかけたな。」
「ッ心配なんかしてないし!勘違いしないで。」
顔を赤くしてリーハが言った。相当心配していたんだな。
「さて、どうやらあの障壁もなくなったし、今度こそ行くとするか。」
「・・・あんた、ここの西側の入口知ってるの?」
「・・・」
「・・・」
「・・・分からない。」
「はあ、またこうなるのね。まあいいわ着いてきなさいと言いたいんだけどレグルス、とりあえずあんたの羽織ってる上着ちょうだい。」
「?ああ確かにそうだったな、ほら。」
リーハに上着を渡した。そうするとリーハは瞬きする間もなく上着を羽織った。
「さて、今度こそ着いてきなさい、レグルス。」
「分かった。」
そう言い俺たちは西側の入口に向かった、リーハが場所を忘れていたため2時間もかけて。
次回は明日の18:00更新予定です。




