「ユイさんはどこへ?」その5
近未来区 スラム街
ハルカさんの気遣いにより力を貸してくれるみたいで私は頷き一緒にユイさんを捜索することにした。
少しは情報が集まると思った、だが現実は非情だ。ユイさんの消息どころかユイらしき人影すら見ていないという。
手分けして探したが結果はユイさんはどこにいないという。
本当に何処に行っちゃったんだろう・・・
「んっ?」
奥に進みすぎたのかいつの間にか行き止まりになっていた。
「行き止まり・・・にしては何か違和感がある」
行き止まりにしては地面が他より削れている、それはここに来た人間が多い証拠になる。しかも何回も繰り返した後まである・・・ということは一つかな。
「ここに何かある」
だが肝心の扉を開く術が無い、もしかしたらユイさんはこの中にいるのではと開ける方法を考えようとしたその時、背後からハルカさんの声がする。
「そこは危ないから入っちゃ駄目だよ?」
いつの間にか私の背後に来ていた、これはユイさんと同じ。だけどユイさんからは魔力が感じ取れるがけどハルカさんからは何も感じない。
「うわっ!?ハルカさんは何か知ってるんですか?」
少し驚いたが前任者と同じ手なお陰で心臓が強く揺れることは無かった、ハルカさんに聞いてみると何やら考え事をしている。
「まぁ一応はね〜多分ユイちゃんはそこにはいないと思うよ〜?」
むっ、露骨に嫌そうな表情・・・あまり詮索はして欲しくないのか・・・スラム街に何か隠しているのか、それとも・・・?
「ハルカさんは何者なんです?」
私の問いに答えづらそうに目線が泳ぐ。普通の平民では無いと分かった今、色々聞いておきたい。
「う〜ん・・・・・・・・・・・いっか」
ハルカさんは長い沈黙の末何かを決断した表情をする。少し警戒したが悪意は無さそうだ。
「ユカリちゃんには少し刺激が強すぎるかもしれないけどそれでも見たい?」
ハルカさんは突然不思議な事を言い出した、まるでここから先は冗談や空論だけでは済まされないと言いたげだ。
「そこにユイさんが居るなら見るよ、その代わり不信感と不快で溢れると思うけど」
「うっ・・・・・それは私に目掛けてじゃないといいな・・・・お姉さんも悪気は無いし・・・・・・ちょっと手荒な事しちゃったくらい・・・・・かな?」
つまりは私が来る事も何と無く予想はしていたのだろうか、何処かの情報でユイさんと一番関係が深いから絞られたのか・・・或いは凶悪な物が渦巻いているのか、それは中に入ってから考えよう。
私は小さく頷くと先程まであんなに話していたのに今ではハルカさんがあまり気が乗らないのかとても気まずそうに私の目を見てはくれなかった。




