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幻影道R 第九巻   作者: SAKI
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「商業区防衛戦・後編」その9

「ユカリちゃん」


 突然冷たい物を頭に乗っけられて起き上がる、ここは最初の拠点?周囲を見渡すと顔に布を被せられて亡くなっている冒険者や騎士団、それに平民の人達が大勢亡くなって弔ってるのは生き残った人達かな。


 私の仲間はほぼ全員重症だけどユイさんの回復魔法で傷口は完治したらしいが意識が無かったり朦朧としていたりかなり危険な状況だ。


 私は大好きな人の膝の上で気を失っていたらしい、ボコボコにされた後クラフトさんがここまで運んでくれた。

 

 ユイさんの表情に私は初めて心配してよく頑張って褒めてくれた。私はその気持ちを素直に受け取れず首を横に振り再び戦場に戻ろうとしたがユイさんは首を振って行っちゃダメと言いたげだ。


「ユイさん、見てて・・・頑張って倒すから」


 ユイさんの優しさに触れて良心が痛むが胸の鼓動が高鳴り今なら勝てるかもしれないと感じている。


 夢の中の私は最後なにか呟いていた気がするけど思い出せない、今は勝つことに集中するべきだ。


「ユカリちゃん!!」


 ユイさんの嘆きも見向きもせず私は戦場に戻るとエインデのお兄ちゃん、後衛で武器を発射する為に何かを溜めていたりユーゴ君は険しい表情をしている。


 他の人達は変わり果てた検問所付近で無惨にも殆ど亡くなっていた。

 

「見ちゃだめだ」


 死体なんて目に映るだけでも嫌なのにこんなの地獄絵図だ。


「なんで・・・シスターズは来てくれないの?」


 かなり大問題になってると言うのにシスターズの人達は誰もいないのはどうしてだろう、そんな事を思っているとユーゴ君に声を掛けられた。


「ユカリ、やれるか!?」


 ユーゴ君の言葉に二人は耳を傾けた。


「遅れてごめん!!」


 私はトリックバスターを乱射しながらロボットと距離を近付ける。


 ロボットに睨みつけられると胸の鼓動がより強なり、熱くなる。


「もう誰もやらせない!」


 強く息を吸って覚悟を決めると体内から炎がメラメラと燃え盛る。


 獣の雄叫びと共鳴するように私も大きく叫ぶと身体から一気に力が溢れ出て来た。更に雄叫びを上げると体内から身体の節々から赤黒い炎が噴火のように吹き出てくる。


 これが私の力?憎悪や復讐、悲哀も全部燃やし尽くしそうな程赤黒い炎だ。


「狂い火と獣の感染症が混ざって一つの特性能力と化すのは初めての情報だな」


「狂い火は一度重症化すると二度と治らない不治の病、それに獣の感染症なんて相互とも喧嘩するの思ったがまさか共存するとは」


 私の状態には二人は物珍しい反応を見せるがユーゴ君は叫んだ。


「すげぇ力が使えんなら早く倒そうぜ!!こっちはもうやべぇんだよ!」


 ユーゴ君はそう叫ぶとロボットを防いでいた右腕を吹き飛ばしてついには顔面を殴られてしまった。


「ユーゴ君!」  


 助けようとしたらクラフトからは後にしてくれと頼まれてしまった。


「いいか、奴は斬られても再生する能力を持つ、その代わり再生には時間が掛りその間に俺とユカリが四肢を壊してクラフトの魔力粒子砲でトドメを刺す、いいな?」


 手短に済まされた内容に私が頷くとエインデのお兄ちゃんが我先にと真正面から突入する。


 何としてでも突如現れたロボットを倒す為に一丸となって戦う私達に果たして勝算があるのだろうか。 

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