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幻影道R 第九巻   作者: SAKI
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「商業区防衛戦・後編」その3

「・・・ユイさん」


「ん?」


 あの後の私達は深追いする時間が無い為即断即決で作戦を立てて現在戦場となる商業区検問所付近にまで二人で移動する。


「勝てるかな、この戦い」


 一歩ずつ歩く度に身体が重く感じる、それでも前へ踏み出しロボットがいる付近まで来た。


 沢山の死人や壊された建造物、血と油、食材やら薬剤の臭いが悪臭となって充満している。


「分からないわ、今度の敵は手強い相手になるわ」


 ユイさんの方を見ると微かだが拳が震えている、人を殺す生業となる仕事をしていたけどロボットなんか相手にしたことがないと強張った表情をする。


 本当に私達だけで倒せるのか、一抹の不安が拭え切れない。そうこうしてる間に目標のロボットが視界に入る。


 一見ロボットに見えるが近くで見ると獣のような毛皮や四肢は殆ど区画外にいる獣と大差がない。


 恐らく作られた元は狼だろう、だけど狼にしては体長が三メートル以上ある、尻尾なんて突き刺した後が血塗れになっている。


 機械音でグルルルと唸っているが明らかに狼から逸脱している。


「私達が最初なんだよね?」


「ええ、私が先行するからお願いね」


 ユイさんは私より一歩先に踏み込み、魔法を放つ直前で呟いた。


「行きましょう、必ず生きてまたのんびり暮らすわよ」


 戦闘開始と静かに啖呵を切ろうとしたらユイさんに一言声を掛けられた。


「お兄ちゃんが言ってた、「本当に勝ちたいなら何でも利用しろ」って」


 ふふ、なら皆を雑に使っちゃおうかな?


 二人で見つめ合い互いに戦場に狩り出る。


 微かに上がった口角と共にユイさんは魔法を放つ。


「オメガアクア」


☆★☆★ 


 全てを流す奔流にロボットは不意打ちされたと気付くも圧倒的な水力に流される。


「っ!?」


 一気に攻め込もうとユイさんは懐に入ろうとしたが放たれたのはロボットの回し蹴りだった。


「ユイさん!」


 戦闘慣れしているとはいえあまりにも早い復帰にユイさんは対応しきれず横腹を蹴り飛ばされてしまった。


 私は右腕部にある遺跡で拾った不思議な武器【トリックバスター】を乱射する。玉は一発は完全に色んな弾が出て来るが予測は出来ない二発目は油、三発目はペイント弾が出て来る。


 だがあくまで牽制程度の射撃兵装、軌道も疎らに飛んでいくため当たることなんて早々無い。

  

 ロボットは大きく横にズレると私の放った弾丸は無に帰す。


「そこよ」


 だが一度でも視線を外すとユイさんが斬り掛かってくる。


「か、硬い!」


 二連の攻撃は厚い装甲に弾かれ距離を取られてしまった。


「ちっ、剣は駄目かも」


「刺突ならどうかな?」


「装甲と装甲の隙間を突くならいけないわけじゃないけど見た目以上に俊敏だから厳しいわ」


 やはり想像以上に手強い、それでも何とかしないと・・・もうすぐキリちゃん達の奇襲が来る、ある程度叩いたら大きく下がらないと。


「ユカリちゃん、来るわよ」


 突然の奇襲だと言うのにロボットはすぐに適応して私達に向かって猛スピードで突っ込んで来る!


「何としてでも隙を作ろう!」


 私は大声で叫ぶと二手に分かれて一人は囮としてう片方で叩く作戦へと切り替えた。

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