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幻影道R 第九巻   作者: SAKI
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エクストラ「spioen」 その2

「おいおい、面倒な姉ちゃんだったのかよ」

 

 スパイだとバレても余裕な表情で肩を落とす。


「すみません、元がこんなの性分なので☆それに私の酒場なのでどんな物が置いてあるのか、何が無くなったのか、壊れたか隠されてるのか人目で何となく判ります♪」


「くそ〜一本取られたか?」


「はい♪」


 にこやかなムードだがノアは特に口出しや怒りを露にしてる訳でもない、寧ろ安堵の表情をしている。


「それでは私はお店に戻りますね〜♪」


「待て」


 思考が読み取れないのは突然辞めた時から変わっていない、だが今回は知らん振りをする理由を聞く為に呼び止めた。


「〜?」


 素っ気無い態度に一つだけ聞きたいことがあると言うと何と俺の目の前までにこにこしながら来てくれた。


「良いのか?」


 その事を聞いたノアは柔らかく笑顔で頷いた。


「どうかなさいましたか?」


 質問をもう一つ加えるとノアは笑った。


「ユカリちゃん達が死なないと分かったので、他の人達は死んでも構いません、壊されようが断たれようが私のお仕事にもあまり影響がありませんので」


 成る程、大した女だ、あれだけの情報でそこまで推測するとは。


「うふふ♪ネタばらしは嫌なので私は何も見なかった事にします、ですが・・・」


 最後の一言にノアの笑顔は消えて強烈な眼光と殺すと言わんばかりの憎悪を孕ませた表情で俺達を睥睨する。


「もしユカリちゃん達が貴方達が殺そうとするなら全力で対応しますのでお覚悟を」


 丁寧な言葉を一言終えるとお嬢様のように両手でスカートを摘みながらまたにっこりと一礼して踵を返して行った、恐らく水星貴族が行っていたカーテシーか?


 去り際に何か書類を落して行ったが・・・・・・・・


「冒険者加入申請・・・か」


 今回のノアはどうやら俺達に仲間になれと命令しているようだ、備考に面白いものが書いてある。


「“商業区”を破壊してユカリちゃんの命と引き換えに仲間に入る、途中サナエ・アポカリプスを所長からクビにしてカイトが引き継ぐ、サナエは冒険者の仲間に入る・・・・だと?」


 クラフトは読み上げていると俺は裏に書かれた文字が目に付いた。


 それは妹との関係について少々怒り混じりの叱責だった。


 “ユイちゃんを見てください”と小さく書かれていた。


「戻るぞクラフト」


「ん?ああ・・・」


 いつの間にか消えていたユウガは後にして俺達の計画を改めて練る為に拠点に戻ることにした。

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